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早朝

ユルく短い内容ですが、良ければ見ていってください。

 朝の4時。

 世間の高校生は、まだまだ多くが夢の中の時間。


 そんな時間に俺は目覚ましをセットし、パチッと目を覚ます。

 最近の俺は早起きだ。

 こんなに早起きなのは中3の受験勉強期間以来じゃないだろうか。

 俺は目を覚ますと自分の布団を捲る。

 誰もいないことと、自分の服装に乱れと違和感がないことを確認し、俺は「よし」と呟く。


 そんなことをしていると、黒い全身タイツに身を包んだバカが登場して俺と視線が合う。

 どこで出会ったとしても立派で完全な不審者。

 そんな奴に自室で遭遇した俺。

 だが、俺に動揺は全くない。

 何故なら、俺はこの不審者の正体がわかっているから。



「珠稀、いい加減に朝早くからの襲撃はやめろよな」



 この不審者の正体は最近同居することになった俺の嫁で高校3年生の残念系美少女、環珠稀。

 俺は部屋の電気をつけ、不審者を白日のもとに晒す。



「眩し、りゅうとまだ早いんじゃない? もうちょっと寝ていたらいいのに」

「そういうお前こそ、そんな格好をしてこんな時間に俺の部屋に何の用だ?」

「りゅうとの寝顔を見たいなーなんて」

「珠稀、お前はそんな不審者丸出しの格好で俺の部屋を訪れておいて、本当にそれだけで気が済んだっていうのか?」

「うっ、それは……折角同居したんだし、りゅうとの匂いを嗅いだり、肌の温もりを確認したり、いざってときに困らないように、りゅうとの大きさの変化も確認できたりしたらいいなとは思ってたんだけど」



 俺のどこの大きさの変化を計ろうとしたのかについては、敢えてつっこまないでおこう。

 というか、珠稀は俺の通常時の大きさを知っているということか?……珠稀なら、あり得る。

 もうそこら辺は珠稀だしなと納得する。

 早朝からバカの相手はしんどすぎる。



「珠稀、一応伝えておくが、素直に言えば何でも許されるとは思うなよ」

「へ、ダメなの!?」



 黒い覆面を外した珠稀が驚きの表情をする。

 今までの俺との会話のどこに驚く発言があったんだろう。

 でも、これは珠稀だけが悪いわけじゃない。

 珠稀は知れば知るほど残念系なんだが、外見だけなら誰もが認める美少女だ。

 そんな残念美少女が天然系のようなアホな発言をしたとしても周りが忖度をして許してしまうことも多い。

 その結果、今の珠稀が完成し、まだまだ絶賛進化成長中というわけだ。

 常識人の俺からしたら、朝から自分の嫁が全身黒タイツで自分の寝室に潜入してきた事実にこそ驚いたほうがいいと思うんだが、これくらいじゃ動揺しなくなってきたな。

 俺の珠稀耐性も絶賛進化成長中なのかもしれないが、珠稀の奇行に慣れてきた自分が少し怖くなってくる。

 とりあえず、珠稀の成長は珠稀の夫である俺の今後にも関わることだし、正しい方向に修正しなければいけないな。

 俺はバカにもしっかり伝わるように絶対零度の視線を珠稀に向けて強い口調で口を開く。



「ダメに決まってるだろ」

「うー、せっかくお義母さんが全身黒タイツも貸してくれたのに」

「なんでそこで母さんが出てくる? それにそもそもなんで黒タイツなんて着てるんだ?」

「お義母さんが部屋に侵入するなら、うってつけの衣装なんだよって言ってたよ。あと、暗い中での裸に直タイツっていうのは、なんかいろいろテンションが上がるんだって」

「よし、母さんが起きたら2人まとめて説教だな」

「そんなー」



 珠稀が泣きそうな顔をしているが、絶対に俺のほうが間違ってないと思う。



「りゅうと、罪もないお義母さんを怒っちゃイヤ」

「バカにいらん知恵と物を与える奴は十分に罪な人間だと思うぞ」

「そんなことを言わないで、私で出来ることならなんでもするから」

「って、わかったからタイツを脱ぎながらくっついてくるんじゃない」



 全身黒タイツの下が裸というのはホントらしい。

 見える珠稀の鎖骨や胸元は素肌だし、俺の体の所々に触れるタイツ部分も女の子特有と思われる妙な柔らかさが伝わってきた。

 さすがにこの状況で何も反応するなっていうのは健康な高校生男子の俺にはキツすぎる。

 早く珠稀を追い出したほうが良さそうだ。



「じゃあ、うまい朝食を準備してくれたら許してやらんこともない」

「ホントに! 美味しい朝食とお弁当をお義母さんたちの分まで準備してくるね」



 朝食と言ったはずなのに、弁当まで作ってくれるつもりらしい。

 しかも家族の分まで。

 機嫌よくキッチンに向かう珠稀を見送りながら、俺は自分の下した罰に対して、ため息をつく。



「珠稀は極端で残念だけど悪い奴じゃないんだよな。それにしても自分の嫁に厳しくするのって難しいな」



読んでくださり、ありがとうございます。

m(_ _)m

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