プロローグ4 7月7日
7日目。
「おはよう、おばちゃーん!」
といつものように声をかけて、僕はパンとコーラを買った。
集金箱の500円玉は今入れたのと合わせて7枚。
相も変わらず、入金するお客も集金するおばちゃんも無人の千鶴屋だった。
いつものように無人の通学路を撮影する、みづきと一緒に登校して。
いつも通り、学校の外へ行く真亜智先輩達の調達班を見送って。
いつも通り、来ると信じる将来の為に勉強して。
昼休みに、いつものように旧校舎に侵入したのだけど。
美術室をノックして開くと、葉徳院さんは、いつもと違い絵を描いていなかった。
窓辺でボーっと外を見る彼女を気にしながら、パンとコーラを置く。
「葉徳院さん……これ、今日の分……
どうかしたの? 大丈夫?」
「……大丈夫よ、少し、疲れただけ」
その言葉は少し弱々しく、美術室の空気になって消える。
「……なら、さ。
外に行かない?
例えば新校舎で、僕やみづきとお昼してさ。
それで午後はチラッと勉強とか」
「いらない」
「でも……」
「いいかげんにして!
あなた、頭おかしいんじゃないの!?」
バンっと、机を叩き、彼女は僕を見た。
その目は、恐ろしいものを見る様にも、はげしい怒り呑み込んでる様にも見えた。
「 人間がみんな消えたのよ!?
なんで、そんな平然としてるのよっ!」
僕ら9人以外の、全人類がいなくなって、1週間が経っていた。




