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崖っぷちの僕ら  作者: 茜想作
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14/15

お前、あの祠壊したんかっ!

結局、ジェーンは見つからず、

通学路に戻った僕らは登校を再開した。

「うーん……不思議な子だね。

私も、会ってみたかったかも」

と、僕の説明を聞いて、みづきはそんなふうに呟いた。

「きっと、みづきも仲良くなれると思うよ?」

「……そうかな?

ジェーンちゃん、クッキーとか好きだといいけど」

そんな事を話しながら校門をくぐる。

すると、校舎の前でシャベルを素振りする真亜智先輩と、少し離れてそれを撮影する弥生塚さんを見つけた。

「おはようございます」

「鏡花さん、マーチ先輩、おはようございます!」

僕らの挨拶に2人は手を止めて応じてくれた。

……みんなにもジェーンの事は共有しておくべきだろう。

そう考えて、僕は2人にジェーンとの出会いを、彼女がどこかに行ってしまった件も含めて伝えた。

「……有坂、思うんだが。

それはもしかして、宇宙人だったんじゃ……」

と、深刻そうにムムムと唸る真亜智先輩。

「いえ、本人は魔女って名乗ってましたよ?」

「そうか……なら、宇宙人じゃなさそうだね」

納得したらしい。

「……宇宙人かはともかく。

1人でうろついてるなら、心配ね」

弥生塚さんはそう言いながら、メモ帳を取り出して何かを書き込み始める。

「それにしても、ジェーン・ドゥ、身元不明女性、ね。

ふざけてるのかしら、それとも……」

「ですよね〜、なんだか、しん祟の白狐とかみたいな偽名っぽいかも」

「無貌系宇宙人に通ずるものを感じるね」

……なんの話だろう?

「……ジェーン・ドゥっていうのは、身元不明の女性につけられる仮の名前なのですよ」

その言葉に目をやると、恋路ちゃんがいた。

いつの間にやら、校舎から出てきていたらしい。

昨日の事を思い出して、僕は気まずさを感じながらも、挨拶した。

「あ、おはよう……恋路ちゃん……」

「おはようございます、先輩……禁足地に入ってしまったのですね……

あまつさえ、あの祠を壊したんか!ってやつをやっちゃったわけですね……」

恋路ちゃんの言葉に気まずさが増す。

「あ、ご、ごめ……」

「なーんて、冗談ですよ。

まあ、朝とは言え、うかつに入ったのは褒められたものじゃないですけど」

「あ、それは私も同意見ね。

できれば、先に私達にも共有してほしかったかな。

……こういう状況なんだし、どこに危険があるかも、わからないもの」

恋路ちゃんのお説教に、弥生塚さんの追撃も入る。

確かに、短絡的だったかもしれない。

「……でも、ユウくんは、誰かいる可能性が捨てられなかったんだよ」

「けどな、山根。

もしかしたら宇宙人の声真似だったかもしれないし、空耳だったかもしれないよ。

……まあ、有坂らしいとは思うけど」

「……すいませんでした」

僕が謝罪すると、

「大丈夫よ、次からは、お願いね」

と、弥生塚さんはそう笑みを浮かべた。


「それにしても、そんなところに祠なんてあったんだね」

真亜智先輩の言葉に、恋路ちゃんが

「私も知りませんでしたよ〜」

と応える……あれ?

「恋路ちゃん、祠の事、知らなかったの?」

「はい、だから、結構びっくりなんですよ。

いったい、誰が望んで、ソコにできたんですかね?

……まあ、案外、幸兎先輩が観測したから現れたのかもしれませんけど。

……祠も、その子も」

そんなわけないと思うけど……

「……とりあえず、その祠、調べてみましょうか?

何か、由来に繋がる資料があるかもしれないし」

「ん? じゃあ、今日はその林に行くのか?

でも、祠は壊れたんだろ?」

「まあ、それでも、残骸から何かわかるかもですけど。

現状、そこまでの重要性を感じませんよぉ」

真亜智先輩と恋路ちゃんの言葉に、弥生塚さんは笑みを浮かべる。

「もちろん。

あくまでも、個人的興味。

調査も空いた時間でするわよ。

オカルト系YouTuberの血が騒ぐってやつね」

「わー、ミラのオカルトチャンネル、新作ですね!

私も手伝っていいですか!?」

みづきの興奮を横目に、僕はジェーンの事を考えていた。

身元不明の女の子……なんだか寂しいな。

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