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崖っぷちの僕ら  作者: 茜想作
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ジェーンという名の女の子

「あの、僕は有坂幸兎っていうんだけど、

君のお名前は?」

あの後、なんとか、彼女を落ち着かせた僕は彼女に名前をたずねていた。

「……ジェーン・ドゥ」

「ドゥさんか、いい名前だね」

その言葉に彼女は少しつまらなそうな顔で「ジェーンでいい」と応える。

「あ、うん、わかった……それで、ジェーンはどこから来たの?」

「……向こうだな」

と、指差したのは崩れた祠の方向だ。

林を抜けて来たって事なのかな?

「今、ここでは人が消えてるんだけど、君は今まで……」

と、不意に遠くから僕を呼ぶ声が聞こえた。

みづきの声、だった。

「あ、ごめん、友達、待たせてるんだった……

詳しくは、ここから出てにしようか?」

「……なぜ、ワタシが貴様と行動を共にする事になるんだ?」

「なぜって……」

その方がいい、んじゃないだろうか?

「街の方に、僕以外の生存者もいるんだ、僕をあわせて9人。

もしかしたら、君の知り合いとかいるかも……」

「生存者、か……こちらに知人はいないな」

「そうなんだ……ごめん」

僕の謝罪に鼻を鳴らして、ジェーンは背を向ける。

彼女の背中はすごく小さく見えた。

「……馴れ合うつもりはない。

ワタシは『魔女』だからな。

それもとびっきりの悪い悪いやつだ」

彼女なりの冗談、なんだろうか?

それとも、そういう年頃……?

ともかくジェーンはみんなのところに行くつもりは無さそうだった。

「でも、こういう時は、固まった方が……」

「……不要だと言ってる。

貴様は誰にでもこんななのか?

……引っ張った事には礼を言うさ。

だが、ワタシにはワタシの目的がある。

関わるな」

「えっと、じゃ、また会おうよ」

その言葉にジェーンは、あからさまにイラついた顔を見せた。

「貴様は……」

「ユウくん!」

と言う声と草の擦れる音がした。

振り返ると、みづきが草を掻き分けて、顔を覗かせている。

「ごめん、みづき……でも、入ってきたらあぶないよ……」

「……さすがに、それはユウくんには言われたくないかな」

それもそうだ。

彼女の言葉に申し訳なさを感じながらも、僕はジェーンを紹介する事にした。

「それより、この子、ジェーンっていうんだって。

街の外から来たみたいなんだ」

「……どの子?」

見ると、ジェーンはいなくなっていた。

足音すらなかった、というかみづきが顔を出した時点ではいたと思うんだけど……

どうやら、魔女にはニンジャと同じ能力があるらしい。

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