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杜の都のろくでなし〜人生いかにタコにスルメ〜  作者: 雪森蓮


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希望とは金曜日の向こう側

底辺作家が書く底辺生活者の話

大体実話。

Xに載せてる散文をまとめています。


木曜日、朝。


一番だるい日だ。


相変わらず

起きて最初に思うことは。


「帰りたい」


だった。

まだ起きてもいないのに。


前給は隣で、

気持ちよさそうに丸くなっている。


羨ましい。


僕も誰かの飼い猫になりたい。


切実に。


時計を見ながら、

布団の中で最後の抵抗を続ける。


「…………」


すると。


気配を感じた前給が、

むくりと起き上がり。


僕の顔をぺろぺろ舐め始めた。


「……ハイハイ、ご飯ね……」


僕はのそのそ起き上がる。


カリカリ。

水交換。

身支度。


買い置きのカップ麺をカバンへ押し込みながら。


「……あと一日……」


あと一日我慢すれば。


二日休み。


今日も優しい指導者さんでありますように。


祈りながら、

僕は家を出た。


【奏のモーニングルーティン】


・起床

・「帰りたい」(まだ起きてない)

・布団の中で現実逃避

・前給に顔を舐められる

・カリカリ献上

・死んだ目で支度

・冷凍庫と財布を確認

・「あと2日……」

・カップ麺をカバンへ

・変なTシャツで出勤

・杜の都ギルドへ向かう



木曜日、夕方。


一番だるい木曜日が終焉を迎えた。


勝った。

まだ金曜日は残ってるけど。

気分的にはもう勝利だった。


今日の担当は優しいおばちゃん。

飴をもらった!(・∇・)


いい人だ。


お昼はカップ麺だったけど。


前給も入った。

ケータイ代も支払った。

これで後は水道代がなんとかなれば……。


まぁ。


まだ黄色い紙も来てないから大丈夫!


たぶん。


今朝は炊飯器の予約も入れてきた。

帰ったらご飯が炊けている。


はず。


「……納豆まだあったかな」


あったら食べよう。


明日行けば休み。

明日行けば休み。


そして。


明後日は。

肉を買いに行く!!!!!!


僕はそう思いながら、

少し軽くなった足取りで帰路についた。



木曜日、夜。


今日は一話しか更新できなかった。


レトルトカレーにゆで卵を入れて

もそもそ食べる。


前に書いていたテキストを少し直して。


一話アップ。


「……よし」


Xを開く。


タイムライン。


賞を取った。

ブクマ1000突破。

PV10000達成。

書籍化。

コミカライズ。


相変わらず眩しかった。


僕みたいな底辺投稿者には

一生かかっても起きなさそうな世界だった。


「……いいなぁ」


羨ましい。


当然思う。


でも。

まぁいいや。

好きに書いて。

もしかしたら誰かが見てくれるかもしれない。


それより。


明日行けば休みだ。

前給(本物)も振り込まれた。

少し美味しいものでも買おうかな。

発泡酒もつけちゃおうかな。


YouTubeを開く。


前にやっていたゲーム実況が流れてきた。


「……土日、少しやるかな」


悪くない気がした。


「さて」


「明日行けば休みだし、

 今日はもう寝るか」


前給(猫)が、

布団の上から僕を見て鳴く。


まるで。


『早く来いよ』


そう言ってるみたいだった。






気が向いたら読んでみてください。

カクヨムにも同じ話をのせてます。

よろしくお願いします。


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