なお魔王はまだ見つかっていないが、家賃は毎月やって来る。
底辺作家が書く底辺生活者の話
大体実話。
Xに載せてる散文をまとめています。
水曜日、朝。
変な夢を見た。
颯太と僕が騎士の格好をして
神殿みたいな場所で
すき焼きを巡って戦っていた。
「その肉は私のものだ」
「違う。僕のだ」
寝る前に変なことを考えていたせいだと思う。
そして。
今日も今日とて
サボりたい
ああ
サボりたい
行きたくない
家で前給(猫)を撫でながら。
話の続きを考えていたい。
誰も見てないけど。
別にいいんだ……(´・ω:;.:…
でもなぁ。
行かないと。
おちんぎん貰えないしな……(´;ω;`)
僕は今日も。
もそもそと布団から這い出した。
おちんぎんを稼ぎに行く。
「……その日の飯をその日に稼ぐ冒険者になりたいなぁ……」
見上げた空は青かった。
今日は暑くなりそうだった。
◆
水曜日、朝。
出勤途中
颯太からLINEが来た。
つい、今朝見た
聖戦すき焼き攻防の夢について話した。
ついでに。
「その日の飯をその日に稼ぐ冒険者とかになりたい」
と言った。
数秒後
返信。
『お前』
『今も変わらんだろ(笑)』
『朝申請した前給で』
『その日の携帯代と』
『明日の揚げどり代を錬金してるじゃねぇか』
『実質』
『杜の都ギルド所属の日雇い冒険者だぞ(笑)』
「_| ̄|○」
違うそうじゃない。
ロマンだ。
僕が言ってるのは
もっとこう、
魔物討伐とか。
伝説の剣とか。
勇者とか。
そういうやつだ。
決して
携帯代と揚げどり代のために働く冒険者ではない。
たぶん。
◆
水曜日、夕方。
今日は別の優しいメンズが担当だった。
よかった。
今日のお昼は予定通りの揚げどり。
揚げどりとおにぎり。
我ながら良い組み合わせだと思う。
しかも溜まったポイントで買ったやつだ。
近くの公園で、
もそもそ食べた。
うまかった。
帰ったらどうしようかな。
なんか眠いんだよな。
今日は更新しないで寝ようかな。
……いや、
でも前給(猫)にはご飯あげないと。
そういや最近ゲームしてない。
それどころじゃなかったしなぁ。
たまにはログインするか……?
とりあえず帰って。
前給(猫)にご飯。
冷凍ご飯が残ってたらお茶漬け。
無かったらうどん。
あしたは前給が入る。
土曜日は買い出しだ。
またサドルアタックしないように安全運転しないとな……。
決して!
決して僕は!
『杜の都ギルド所属の日雇い冒険者』ではないぞ!!!( ゜皿゜)
水曜日、夜。
眠い。
もう一話。
もう一話だけ更新したい。
でも。
もう無理だった。
「……寝よう」
僕は布団を引っ張り、
そのまま潜り込んだ。
今日は平和な一日だった。
指導の人は優しかった。
セブンの揚げどりも、
いつものように美味しかった。
明日のお昼は、
買い置きのカップ麺でいいかな。
前給が振り込まれたら、
ケータイ代も払わないと。
土日になったら、
またあいつらが突然押しかけて来そうだな。
「…………」
静かな部屋。
前給の寝息。
少しだけ涼しい夜風。
なんだかんだ。
悪くない一日だった気がした。
そう思いながら、
僕は眠りについた。
*************
『杜の都ギルド所属の日雇い冒険者』
◆長谷川奏
Lv.29
職業:日雇い冒険者(コールセンター系)
所属:杜の都ギルド
装備:
・欲望の永久機関Tシャツ
・クロックス
・ボロいカバン
・ビニール傘
所持金:ギリギリ
スキル:
・前給申請
・半額惣菜発見
・揚げどり錬成
・PV4でも更新継続
召喚獣:
・前給(猫)
主なクエスト:
・おちんぎんを得よ
・OJTを生き延びよ
・すき焼き材料を確保せよ
・サドルアタックを回避せよ
仲間:
山家海斗(陽属性)
→肉と野菜を持ってくるが冷蔵庫を荒らす
神谷颯太(闇属性)
→変なTシャツを与え更新しろと言う
状態異常:
・寝不足
・金欠
・朝勤務
特殊能力:
・残高確認 Lv.MAX
・スーパー探索 Lv.99
・締切耐性 Lv.87
称号:
『底辺』
『派遣社員』
『前給マスター』
ギルド評価:
★★★★★
「休まず出勤する優秀な冒険者」
気が向いたら読んでみてください。
カクヨムにも同じ話をのせてます。
よろしくお願いします。




