異世界へ行っても、前給できる職場を探す気がする
底辺作家が書く底辺生活者の話
大体実話。
Xに載せてる散文をまとめています。
火曜日、朝。
辛い。
頭も。
体も。
動かない。
「…………」
でも。
起きなきゃ。
休んだら詰む。
主に金銭的に。
僕はオートモードで起き上がった。
前給(猫)へカリカリ。
水を交換。
その辺にあったシャツを掴む。
鏡を見る。
死んだ魚みたいな目をしていた。
知ってた。
今の僕を動かしているのは。
責任感でも。
使命感でも。
向上心でもない。
”前給しないと詰む”。
そして。
”継続お祝い金一万円”
休んだら対象外になる。
ただそれだけだった。
「……行くか」
全然行きたくなかった。
でも。
一万円は欲しかった。
長谷川奏は。
欲望だけで動き出した。
◆
火曜日、夕方。
やっと終わった。
今日の指導の人は優しいメンズだった。
飴もくれた。
いい人だ。
前給の金額も出ていた。
これでケータイ代は払える。
入金は明後日。
なんとかそこまで凌げば、
週末には少しまとめ買いもできる。
「……よし」
「なんとかなる……だろう……たぶん」
駅へ向かいながら考える。
ファミチキ。
いや。
セブンの揚げどり。
ナナコポイントも残っていた気がする。
でも揚げどりは明日のお昼でもいいな。
今日は適当に家の残り物でも。
そんなことを考えながら歩く。
ふと思った。
もし僕が異世界転生しても。
魔王討伐より先に
肉の特売とポイント還元を気にする気がする。
PV2桁で喜び。
前給の入金日を数え。
猫の飯代を計算する。
きっとそんな勇者だ。
◆
火曜日、夜。
そろそろ寝ないといけない。
晩御飯。
レタス。
トマト。
マヨネーズ。
海斗が持ってきた野菜を、
そろそろ消費しないと危険だった。
さらに。
冷凍ご飯。
豆腐。
ネギ。
醤油。
以上。
「…………」
「にく……」
「くいてぇ……」
肉がなかった。
圧倒的に肉がなかった。
そうだ。
今日申請した前給が入ったら。
肉を買おう。
豚でもいい。
鶏でもいい。
とにかく肉だ。
そこでふと思う。
そういえば。
冷凍してあったはずの豚こまと挽き肉。
時々消えている気がする。
「…………」
僕は考えるのをやめた。
これ以上考えると絶対眠れなくなる。
たぶん犯人は分かっている。
たぶん。
パソコンを開く。
勢いで三話更新。
「よし」
明日も
OJTの担当が優しい人だといいな。
そう思いながら。
僕は布団へ潜り込んだ。
気が向いたら読んでみてください。
カクヨムにも同じ話をのせてます。
よろしくお願いします。




