股間と人生と、孤独死しない僕の部屋
底辺作家が書く底辺生活者の話
大体実話。
Xに載せてる散文をまとめています。
日曜日、昼。
「ぎゃあああ!!!」
激痛だった。
僕は足元を押さえながら飛び起きた。
前給(猫)だった。
朝飯がまだだった。
ごめんよう……(´;ω;`)
足に残った歯形を撫でながら、
僕はもそもそと起き上がる。
時計を見ると昼だった。
「……やっちまった」
海斗が持ってきた食パンをトースターへ放り込む。
カリッ。
良い音がした。
「今日は買い物行って……」
「二話くらい更新して……」
「……モカまだあったっけ……」
そんな事を考えながら、
焼けたパンを齧る。
前給は満足そうにカリカリを食べていた。
どうやら。
我が家で一番しっかりしているのは猫らしい。
◆
日曜日、午後。
外を見る。
曇っている。
でもまぁ。
買い物くらいなら行けそうだった。
僕は隼号の鍵を取り出した。
金曜日にもらった野菜はまだある。
冷凍肉もある。
米もある。
卵もある。
今日必要なのは。
ティッシュ。
シャンプー。
前給のかつぶし。
メモを片手にスーパーへ向かう。
帰ったら書き溜めだ。
二話くらいは進めたい。
そう思いながら隼号を走らせた。
その時だった。
ガコン!!!
「((((;゜Д゜))))!?」
石だった。
道の脇の石だった。
次の瞬間。
”サドルアタック”!
股間直撃。
飛び散る買い物袋。
倒れる隼号。
世界が終わった。
隣にいた老夫婦が駆け寄る。
「だ……大丈夫ですか?」
「……あ……は……い……」
返事にならない返事をする。
何とか荷物を拾い集める。
ひょこひょこ歩く。
部屋へ帰る。
買い物袋を放り投げる。
ベッドへ倒れ込む。
「くくくくく……」
「いてぇ……」
しばらく悶絶したあと。
僕は思った。
卵・・・
買ってなくて良かった・・・
もし割れてたら。
もっと悲しかった。
◆
ベッドの上で股間を押さえながら唸っていると。
ピロン!
LINEが鳴った。
颯太だった。
【(=゜ω゜)ノぃょぅ
生きてるか】
既読スルー。
それどころではない。
【どした?】
スタンプ。
スタンプ。
スタンプ。
既読スルー。
今度は海斗から。
既読スルー。
その頃の僕は。
股間と人生について考えていた。
気付けば外は薄暗くなっていた。
ドンドンドン!!
突然のノック。
返事をする間もなく。
「奏?!」
「生きてるか?!」
海斗と颯太だった。
「……あんだよ……(´;ω;`)」
事情を説明する。
サドルアタック。
道端の石。
飛び散る買い物。
老夫婦。
・・・・沈黙。
そして。
爆笑。
「ギャハハハハハ!!」
「お前何やってんだよ!!」
酷い奴らだった。
本当に酷い奴らだった。
でも。
マックを食べながら僕は思った。
何があってもLINE無視したら。
こいつらが来る。
孤独死は・・・
しなくて済みそうだった。
◆
日曜日、夜。
そろそろ休みが終わる。
僕は痛みの引いてきた股間を気にしながら布団へ潜った。
颯太と海斗は。
散々笑って
マックを食って
帰っていった。
酷い奴らだった。
前給は二人から猫缶とかつぶしを貰い、
満足そうに足元で丸くなっている。
今週はいよいよOJT。
何もなければ着台判定だ。
合格すれば。
祝い金一万円。
一万円だ。
デカい。
かなりデカい。
外せない。
その後三ヶ月継続できれば。
少しは生活も安定する。
「……もし受かったら」
ロピアの寿司で祝おう。
僕はそう決めた。
布団を被る。
「……明日からまた五連勤かぁ……」
静かな部屋。
前給の寝息。
時計の音。
そして、
頭の中では別の声がする。
『今から起きて一話書けるんじゃね?』
「……いや」
『三話くらい』
「……いやいや」
『先生』
「うるさい」
目覚ましは六時。
長谷川奏は。
明日の自分のために寝ることにした。
多分。
気が向いたら読んでみてください。
カクヨムにも同じ話をのせてます。
よろしくお願いします




