雪森先生(僕)の不本意な休日
底辺作家が書く底辺生活者の話
大体実話。
Xに載せてる散文をまとめています。
土曜日、朝。
昨日は夜中まで、
すき焼きパーティだった。
海斗は卵を五個使った。
颯太は持ってきたビールを、
ほとんど一人で飲んだ。
僕は。
牛肉様を
胃もたれするくらい食べた。
幸せだった。
昼に予約投稿した話は、
相変わらずPV4。
でも。
誰かは読んでくれている。
週明けは着台判定。
これに受かれば継続確定。
祝い金一万円。
デカい。
かなりデカい。
今月も前給できた。
海斗が持ってきた野菜もある。
パンもある。
米もある。
冷凍庫には豚こまもある。
今日は雨も上がった。
「うん」
「まだ行けるな」
僕はパソコンを立ち上げ、
話の続きを書こうと思った。
思ったのだが。
気付けばYouTubeを見続けていた。
「…………」
隣で前給(猫)が鳴く。
にゃーん。
「前給」
「これはアイデアを出すためだからな」
説得力はなかった。
◆
土曜日、夕方。
YouTubeを見て。
少し書き溜めをして。
二本くらい更新した。
更新報告をXへ流したら、
何人かがリポストしてくれた。
少し嬉しい。
PVは……まぁ。
いつも通りだった。
気にしない。
夕方になって少しお腹が空く。
海斗が持ってきた食パンへ、
マヨネーズと卵を乗せる。
遅い昼飯。
食べたら眠くなった。
前給を抱えながら、
少しだけうとうとする。
その時。
「ちゃんと食ってるか!」
最悪だった。
海斗と颯太だ。
「……お前ら暇なのかよ」
「更新されてたからな!」
「雪森先生の陣中見舞いだよ!」
「その名前で呼ぶな!!!」
こいつらは、
わざわざ僕のペンネームを検索して、
「おっ!
作家認定されてるじゃん!」
などと冷やかしてくる。
全く。
腹の立つ奴らだった。
でも。
まぁ。
来てくれるだけ、
ありがたいのかもしれない。
「冷やかしなら帰れよ!」
僕が言うと。
「雪森先生に晩飯作ってやるよ!」
颯太は勝手にキッチンへ入っていった。
「このパスタ使うぞー」
聞こえたかと思うと。
ジュッ。
ニンニクを炒める良い匂い。
「…………」
数十分後。
颯太は美味そうなパスタを三人分持ってきた。
海斗は海斗で。
新しい猫じゃらしを取り出し、
前給(猫)と本気で遊んでいる。
「なんでうちで飯食うんだよ……」
文句は言った。
一応。
言ったのだが
パスタは美味かった。
前給(猫)も楽しそうだった。
「……ま、いっか」
今日は少し夜更かしして、
続きを書こうかな。
そう思った。
◆
土曜日、夜。
颯太のパスタを食べて。
海斗と颯太と、
しばらく馬鹿話をして。
「また来るわ!」
そう言って二人は帰っていった。
静かになった部屋。
「……さて」
僕はパソコンへ向かった。
でも。
もうダメだった。
五連勤の疲れ。
慣れない朝型生活。
なるべくモカに頼らない日々。
全部まとめて土曜日へ押し寄せてきた気がする。
「…………」
とりあえず。
何話か更新した。
今週のノルマは達成だ。
PVは相変わらず。
感想もない。
フォロワーも少ない。
でも。
まぁ。
何話か更新したしな。
「寝るか……」
顔を上げる。
前給(猫)が布団の上で、
気持ち良さそうに丸くなっていた。
まるで。
『今日はもう十分だろ』
そう言っているみたいだった。
僕はパソコンを閉じた。
気が向いたら読んでみてください。
カクヨムにも同じ話をのせてます。
よろしくお願いします。




