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杜の都のろくでなし〜人生いかにタコにスルメ〜  作者: 雪森蓮


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似たような状況で足の小指を骨折したこともあります(`・ω・´)

底辺作家が書く底辺生活者の話

大体実話。

Xに載せてる散文をまとめています。


数か月前の話

それはまだ僕が12時21時のシフトで働いていたころ。


僕はクロックスを引っ掛け、

近所のスーパーへ来ていた。


タイムセール。


豚こま。


100g78円。


「安っ……」


さらに。


冷凍食品半額。


サバ缶100円。


「今日は勝ったな」


僕は静かに確信した。


両手いっぱいのエコバッグ。


戦利品。


完璧だった。


今夜は鍋でもいい。


いや、

豚こまともやし炒めも捨てがたい。


そんなことを考えながら、

僕はアパートへ戻っていた。


そして。


事件は、

部屋の目の前で起きた。


ゴッ。


「あ」


石。


クロックス。


荷物。


疲労。


全部が噛み合った。


次の瞬間。


ドシャァ!!


「っっっっっ!!!!」


僕は盛大に転んだ。


エコバッグ。


飛ぶ。


サバ缶。


転がる。


豚こま。


守った。


「痛っ……!」


すぐに立ち上がれない。


地味に痛い。


いや、

かなり痛い。


しかも。


近所のおばちゃんと目が合った。


「だ、大丈夫ですかぁ?」


「……はい……」


全然大丈夫じゃなかった。


その夜。


足首。


パンパン。


「なんで……」


僕は湿布を貼りながら、

静かに絶望していた。


次の日。


病院。


診断。


捻挫。


「しばらく安静にしてくださいねー」


「無理です」


即答だった。


そして。


僕はビニール傘を杖代わりに、

職場へ向かった。


十二時二十一時シフト。


休めない。


派遣。


現実。


そして。


病院代。


五千円。


「…………」


僕は財布を見つめた。


昨日安く買えたはずの豚こまが、

脳内で静かに泣いていた。


「意味ないじゃん……」


翌日。


僕はビニール傘を杖代わりに、

足を引きずりながら歩いていた。


痛い。


地味に痛い。


しかも。


雨でもないのに傘をついているせいで、

見た目がかなり終わっていた。


「……っ」


駅前。


段差。


痛い。


僕は顔をしかめた。


その瞬間。


「お前なにそれ」


颯太だった。


「……捻挫」


「それは分かる」


「病院行った」


「傘?」


「杖代わり」


颯太は数秒黙った。


そして。


「終わってんな」


「うるさい」


その日の夜。


ピンポーン。


颯太だった。


コンビニ袋を持っている。


「ほい」


中。


百均の杖。


「…………」


「いやあるんだよ今、折りたたみ杖」


「なんでそんなもん知ってんだよ」


「検索した」


僕はしばらく杖を見つめた。


普通にありがたい。


でも。


「……百均なんだ」


「文句言うな」


「いや……ありがとう」


颯太は少し笑った。


「あと湿布」


「うわ」


「海斗が“奏死にかけてる”って笑ってた」


「殺す」


次の日。


職場。


奏。


百均の杖。


女子社員。


「長谷川さん大丈夫ですか!?」


「……捻挫で」


「えっその杖……」


「百均」


「あるんですね!?」


少し盛り上がった。


僕は複雑な顔をしていたと思う。


海斗。


「ギャハハハハ!! お前ジジイじゃん!!」


奏。


「うるせぇ!!!!」


でも海斗のバカ笑で僕は少し気が晴れたような気がした。

気が向いたら読んでみてください。

カクヨムにも同じ話をのせてます。

よろしくお願いします。


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