ろくでなし、花見に行く その3
底辺作家が書く底辺生活者の話
大体実話。
Xに載せてる散文をまとめています。
白石川の河川敷から、
さらに三十分ほど歩いた。
「まだ着かねぇの?」
僕は息を切らしながら言う。
「もうすぐ」
海斗は平然としていた。
「お前ほんとよく高校ん時通ってたな……」
「だから言ったろ。遠いって」
辿り着いた海斗の実家は、
古い兼業農家だった。
広い庭。
古びた納屋。
軽トラ。
積まれた農機具。
そして、
妙にでかい犬小屋。
「ただいまー」
海斗が玄関を開ける。
奥から、
小柄なおばあさんが出てきた。
「あらぁ〜、カイちゃん〜」
ニコニコしている。
「友達ばせできだのが〜」
僕と颯太は軽く頭を下げた。
「お邪魔します」
「ほれぇ、草餅つぐったがら食わい〜」
「ネゴつれできだのが〜。なんだめんこいべや~。部屋んながさ出しな〜。
かごんながではもぞこいべぇ〜」
「カイちゃん、あどでヨークさせでげ〜。兄ちゃんがだ今日帰りおせぇがらや〜」
「…………」
僕は固まった。
分からない。
全然分からない。
なんとなく。
優しいのは分かる。
だが。
何を言っているのか、
半分くらい分からない。
僕はとりあえず、
ニコニコしながら頷いた。
「は、はい……」
海斗が小声で言う。
「草餅食えって」
「それはわかった」
「あと前給かわいそうだから出していいって」
「それもなんとなくわかった」
「あと帰りヨーク寄ってけって」
「急に解像度上がるな」
颯太は笑いを堪えていた。
「お前さっきから“雰囲気”で会話してんの面白すぎる」
「無理だろこれ!!」
その頃。
前給(猫)は、
既に縁側でくつろいでいた。
気が向いたら読んでみてください。
カクヨムにも同じ話をのせてます。
よろしくお願いします




