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杜の都のろくでなし〜人生いかにタコにスルメ〜  作者: 雪森蓮


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ろくでなし、花見に行く その1

底辺作家が書く底辺生活者の話

大体実話。

Xに載せてる散文をまとめています。



四月半ばの話。


昼間はかなり暖かくなっていた。


缶コーヒーを飲みながら、

颯太がふと思い出したように言った。


「海斗、お前の実家って柴田だよな」


「んー?」


海斗はスマホを見たまま答える。


「なんだよ」


「花見」


「あー」


海斗が顔を上げた。


「一目千本桜?」


「そうそう」


「いいじゃん」


そして。


颯太は当然のように続けた。


「海斗、車出せよ」


「いいけど」


海斗はあっさり頷いた。


「止めるのうちの実家でいい?」


「助かる」


話が終わった。


完全に。


「…………」


僕は嫌な予感しかしなかった。


「は?」


二人が振り向く。


「なんで僕も行く前提なんだよ」


「え?」


海斗が不思議そうな顔をする。


「来ないの?」


「いや、だからなんで当然みたいに――」


颯太が言った。


「お前、今有休消化で休みじゃん」


「だからって僕の休日を――」


「りたこは俺んちで見とく」


「そこじゃない」


海斗は笑った。


「花見だぞ?」


「人混みじゃん」


「屋台あるぞ?」


「……」


「焼き鳥」


「…………」


「牛タンつくね」


「…………」


僕は黙った。


海斗と颯太は顔を見合わせる。


「落ちたな」


「チョロい」


「まだ行くって言ってないだろ!!」


だが。


その時点で。


僕の休日が消えたことだけは、

確定していた。

気が向いたら読んでみてください。

カクヨムにも同じ話をのせてます。

よろしくお願いします

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