給料日はテトリス
派遣社員・奏のろくでもない日常記録
底辺作家が書く底辺生活者の話
大体実話。
Xに載せてる散文をまとめています。
給料日。
本来なら、
人類が最も幸福になる日のはずだった。
だが。
僕は今、
机の前で死んだ目をしていた。
スマホ。
給与明細。
振込額。
そして。
そこから無慈悲に引かれている、
“前給”の文字。
「…………」
少ない。
いや違う。
少なく見えるだけだ。
未来の自分が、
過去の自分を助けるために払った犠牲。
つまり。
自業自得。
「終わった……」
僕は通帳アプリと睨めっこしながら、
必死に計算を始めた。
「これをここに……」
家賃。
「こっちは先に……」
通信費。
「前給……いや待て……今月あと何日だ……?」
Suica。
食費。
クレカ。
脳内で数字が高速回転する。
まるで。
落ちてくるブロックを、
必死に積み上げるパズルゲームのように。
「…………」
その時だった。
後ろから、
聞き覚えのある声が響く。
「♪俺たち貧しいまえきゅう民!♪」
「…………」
海斗だった。
「♪俺たち貧しいまえきゅう民!♪」
颯太までいる。
「お金の余裕はあるはずなーい♪」
「あるはずなーい♪」
「まえきゅうループに陥ってー♪」
「毎回毎回まえきゅうさーー♪」
「給料日!!」
「テトリス!!」
「うるせぇぇぇぇ!!!!」
僕は叫んだ。
だが。
否定できなかった。
給料日とは、
幸福ではない。
“支払いテトリス開幕日”なのだから。
※俺たち貧しいまえきゅう民→ハートマン軍曹の歌でお楽しみください。
気が向いたら読んでみてください。
カクヨムにも同じ話をのせてます。
よろしくお願いします。




