フクシュウとチョコレート1-16
この作品はフィクションです。
18時30分。真下を向いていた針が、かちり、かちり、と、少しずつ、上に動き始めた。
「お、おいっ!?」
「はーい、もうカウントダウンは始まってるよ-?早くしないと、早くしないと、早くしないとぉ………?………ひゅ~?」
「はぁーやぁーくぅきてぇぇぇっっっーーーーー」
「あ、あ、そ、あそ、あそ、」
「阿蘇?熊本?それは遠いな~。旅行券準備しなきゃだわ。」
「ち、ちがっ!ちがっ!」
「千葉?」
「ちがっ!!」
「滋賀?」
「ちっ、ちげっ!!」
「チゲ?韓国?」
「ざっ!ふ、ざっ!…くっ、っく、んなっっ!!」
「何言ってるか全くわからないんですけど~?」
「……………、ぁ、は、…………、だ、だから。」
「はいはい?」
「あ、あそこに、ある、あそこ。」
「どこよ?」
「き、金庫!」
「金庫?」
現実世界に視界を戻して、ぐるり、と見渡してみる。
「無いわよ?金庫らしきもの。」
「ゆかっ!!!ゆかっ!!!」
「それは何人目の被害者の名前?」
「!?ちっ!ち、ちげっ!!」
「韓国?」
「!!??。ばっ!!ばかっ!!ばかかっ!?」
「馬鹿ぁ?。随分と生意気な事言うじゃないの。身動き取れないくせに。…ちょっとお仕置きが必要ね。」
「っ…、………は…?」
「よいしょ。」
彼の右足から靴下を脱がす。
「おーおー、いい靴下はいてんじゃない。ブランド物?」
「お、おい………。な、何を」
「これを、こうしたら。」
ぽい、と、下の亡者の群れの中に落としてみる。
「どうなると思う?」
「ぎぁょぶらぁぁぁぁっっっ!!!」
「ぐづじだぁぁぁぁぁっっっ!!!」
「わだだだだだだだしぃぃぃ!!!」
興奮状態の亡者達。
やがて、そんな亡者達の元にたどり着いた靴下は、
「…っっっ、」
「3秒かからなかったわね。」
亡者達に細切れに引き裂かれ、あっという間に、食われた。
「さて。靴下であんな感じ。だとしたら。あなた本体が落ちたら………。」
「っ!?!?」
「………うふふふふふふふ。」
それはそれは心臓の弱い人と未成年には見せられない光景になりそうだ。
「そうなりたくなければ、しっかりやんなさい?」
「………。」
青ざめ過ぎた顔で、コクコク頷く彼。
「よろしい。」
そしてこの後、床下収納から金庫を見つけ、鍵が何処にあるのか聞き出すくだりでいくつかボケを挟み、キレた彼を亡者の群れに落とすフリをして黙らせたりしたけど、特に面白味がなかったので割愛。
冷静さは大事です、はい。




