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フクシュウとチョコレート1-15

この作品はフィクションです。

「………」


眼下の霧が、少しずつ、少しずつ、薄れていく。それに伴って、見えてくる、何か。


「………ーーーーー、」


聞こえてくる、何か。


「ーーーーーーーー、」


蠢いている、何か。




そして、



「!!??」


霧が完全に消えた時、彼の視界に映ったのは、



「ヴぁぁぁぁあああああーーー」

「ぎゃるろろろぉぉぉぉーーー」

「んどるげごぁぁぁぁぁーーー」



眼下一面の、おぞましい、亡者の群れ。


ゾンビ映画などでは、スクリーンの中でよく目にするが、これは、スクリーン越しではない。しかも、それが何十体と蠢いている。


悪夢と言うのも生ぬるい。そんな光景だった。


「はいっ!罰ゲームはぁ、名付けてっ!

『らぶらぶ亡者にフォーリンダーイブ』っ!!

いっえ~~~い!どんぱふどんぱふ~!」

「………………、」


亡者の群れに声を失った彼が、首だけ、こちらに向ける。かちかちかち、って歯車の音でも聞こえてきそうな、そんなぎこちない動き。


「もし、制限時間以内に私がお金を1000万獲得できなかった場合、あなたには、あのラブリー亡者の皆さんの中に、ひゅーんっ!、って、ダイブしてもらいまーす!」

「…………は、……………はぁっ!?」

「大丈夫大丈夫。あんだけ亡者の皆さんがひしめき合ってれば、落ちても地面に激突することはないから。」

「…そ、………ぉ、……そぉ、…っじゃ、ねぇっ!」

「ん?何が?」

「な、…なんだっ!そ、…そのっ!、くそふっざけた!罰ゲーム、はっ!!」

「え~、あなたにぴったりだと思うけど~?。だって、あそこにうじゃうじゃいる亡者さん達って、みーんなあなたのことが大好きなんだもん。」

「はぁっ!?」

「結婚したい、って、願ってたんだもん。」

「…?」

「………それをあんたが、騙したんだもん。」

「………!」

「………おわかり?あそこにいる子達はねぇ、」




「ろぉああぃきゃあああぁぁぁぁぁーーー」

「きりょょあぁだいすきぃぃぃぃぃーーー」

「ょるじあぅぅけっこんをぉぉぉぉーーー」




「………嘘、だよな?」

「嘘かどうかは、あんたが一番わかってんじゃないの?」

「…嘘だ。こんなの、嘘だ。」

「今まで何人騙してきたの?いくら金を奪ってきたの?その金でどれだけ贅沢してきたの?」

「嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。」

「何人の女の子を、裏切って、苦しめて、哀しませて。破滅させて、きたの?」

「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だっっっ!!!」

「つい最近の話だと、お見合いパーティーで知り合った30代後半の女性から800万ほど騙し取ったみたいね。」

「!!!」

「そこにいるわよ?彼女。」

「……な、そ、そん、な…」



「あぅぉぉあああああっっっ!!!わたしぃぃとぉぉぉっ!!!いっしょぉにぃぃぃっ!!!」



「ひっ!!??」

「見覚え、あるわね?まぁ、全身ぐずぐずに腐って崩れちゃってるけど、面影くらい、わかるでしょ?物凄く観察してきたんだものねぇ?騙すために。」

「…………、」

「そういうことよ。」


すっかり顔色を無くしてしまった彼。このまま意識失うんじゃないかしら。


…そうはさせないけど。ギリギリまで、味わってもらうわよ?いろいろと。


「じゃあーそういうわけでー…。そろそろ参りましょうか。」

「!!」

「見つけさせろ!私に1000万円!。ゲームスタートっ!!!」


かちっ


「!?」


私の声と同時に、時計の針が音を立てた。


高所でゾンビは嫌すぎる(>_<)

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