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黒鴉年代記 ~戦火を超えて、受け継がれる意志~  作者: @12
第二部:戦火の終焉と新たなる時代 第一章 交わる軍旗、影と戦乙女
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第108話 すれ違う兄妹、駅前の小さな喫茶店

第108話 すれ違う兄妹、駅前の小さな喫茶店


帝政歴347年11月13日、午前8時02分。

帝国領中央部、クロウ家本邸。

玄関ホールに、軍靴の音が響いた。

レイブン・S・クロウは防寒用の上着を羽織り、腰の装備を確かめると、玄関脇の鏡に映る自分の顔を見た。黒い猫耳は落ち着かずに動き、金色と黒色のオッドアイには、昨夜から続く疲労が浮かんでいる。

妹のルナが屋敷を出てから、一時間以上が経過していた。

残されていたのは、行き先の書かれていない短い置き手紙だけだった。

《少し外へ出てきます。心配しないでください。ルナ》

その文字を思い出すたび、胸の奥が締めつけられる。

心配しないでほしいと言われても、心配しないわけがなかった。

昨夜、初めて妹と本気で言い争った。

軍への志願を希望するルナに対し、レイブンはその理由を問い続けた。妹の考えを確かめるつもりだったが、いつの間にか訓練生を評価する教官のような口調になり、最後には彼女の気持ちまで傷つけてしまった。

そして今朝、妹は家を出ていった。

「……レイブン」

背後から父ヴァルターの声が聞こえた。

振り返ると、父は通信端末を片手に立っていた。

「志願兵学校へ連絡を入れた。今のところ、ルナの来校は確認されていないそうだ」

「……まだ着いていないだけかもしれない」

「ああ。だから、学校側にも到着したら知らせてもらうよう頼んである」

レイブンは頷いた。

「俺も直接行ってみる」

ヴァルターは、息子の顔を見つめた。

「一つ言っておくぞ。見つけた途端に叱るなよ」

「……分かってる」

「本当に分かっているなら、そんな顔はするな」

レイブンは思わず口を閉じた。

ヴァルターは少しだけ表情を和らげた。

「怒る気持ちは分かる。だが、あいつは逃げ出したというより、自分で何かを確かめようとしているんだろう」

「……それでも、行き先くらい教えてほしかった」

「その通りだ。そこはきちんと話す必要がある」

父は左手で息子の肩を叩いた。

「ただし、順番を間違えるな。まず無事を確かめる。それから話を聞け」

レイブンは深く息を吸った。

「……うん」

玄関の扉を開けると、冷たい朝の空気が流れ込んできた。

彼は父へ振り返った。

「行ってくる」

「ああ。気をつけてな」

午前8時19分。

帝国領中央部、中央市街地方面行き鉄道路線。

レイブンを乗せた車両は、郊外の住宅地を抜けて市街地へ向かっていた。

窓の外には、朝の通勤時間を迎えた町並みが流れていく。道路には商用車や路面電車が行き交い、駅のホームには学生や会社員が並んでいた。

第一次世界大戦が終わってから一か月余り。

戦時中に運休していた路線も少しずつ復旧し、町には日常が戻り始めている。

だが、レイブンの目には、その風景がほとんど入っていなかった。

彼は何度も通信端末を確認した。

ルナからの連絡はない。

屋敷からも、新しい情報は届いていなかった。

「……どこにいるんだよ」

小さく呟いた。

妹が危険な目に遭っているとは限らない。

むしろ、本人は何事もなく学校へ向かっている可能性の方が高い。

それでも、最悪の想像が頭から離れなかった。

戦場では、通信が途切れた仲間を何度も捜した。

敵の砲撃で分断された部隊を追い、崩れた建物の中から負傷者を探したこともある。

だが、今回は違う。

相手は敵でも、行方不明の兵士でもない。

自分の妹だった。

そして、妹が家を出た原因の一つは、間違いなく自分にあった。

レイブンは座席の背もたれへ身体を預け、目を閉じた。

昨夜のルナの声が、耳の奥で繰り返された。

兄さんなんか、大嫌い。

彼は、静かに拳を握った。

午前8時31分。

帝国領中央部、中央市街地駅。

同じ頃、中央市街地駅の上りホームには、一人の共和国軍将校が立っていた。

エリシア・L・ヴォルハラム少尉だった。

金髪を後ろでまとめ、共和国軍の制服の上に濃紺の外套を羽織っている。肩には小さな旅行鞄を掛けていた。

ヴァルトハイムの旧貨物駅で発見された異常発光現象について、帝国軍側の専門機関との調整が必要となり、彼女は共同部隊の連絡担当として中央市街地へ移動していた。

午前中に関係書類を提出し、午後にはレイブンとも合流する予定だった。

エリシアは駅の時計を確認した。

「……少し早く着いたわね」

次の列車までは、まだ時間があった。

彼女は鞄から小さな手帳を取り出そうとしたが、その時、反対側のホームに見覚えのある姿を見つけた。

黒い髪。

黒い猫耳。

そして、少し大きめの鞄を肩に掛けた少女。

エリシアは目を細めた。

「……ルナ?」

少女は時刻表を見上げながら、何かを考え込んでいる様子だった。

間違いない。

ルナ・V・クロウだった。

エリシアは少し驚いた。

こんな時間に、しかも一人で駅にいるとは思っていなかったからだ。

彼女はホームの端から声を掛けるのではなく、近くの跨線橋を渡って反対側へ向かった。

階段を下りると、ルナはまだ時刻表の前に立っていた。

「……ルナちゃん?」

少女の猫耳が、ぴくりと動いた。

振り返ったルナは、目を丸くした。

「……エリシアお姉ちゃん?」

エリシアは穏やかに微笑んだ。

「やっぱりルナちゃんだったのね」

「ど、どうしてここに?」

「お仕事で中央市街地に来たの。ルナちゃんは?」

その質問に、ルナの表情が変わった。

「……えっと」

エリシアは、彼女の様子を見てすぐに気づいた。

目元が少し腫れている。

いつもの明るい笑顔もない。

何より、何かを隠そうとしている時の、落ち着かない耳の動きがあった。

「……一人なの?」

「……うん」

「お家の人には、どこへ行くか伝えてある?」

ルナは、ゆっくりと視線を逸らした。

「……手紙は置いてきた」

エリシアは、しばらく黙っていた。

そして、柔らかな声で尋ねた。

「……何かあったの?」

ルナは唇を噛んだ。

「……別に」

しかし、その声は震えていた。

エリシアは、無理に問い詰めなかった。

代わりに、駅前の通りへ視線を向けた。

「ねえ、ルナちゃん」

「……何?」

「少しだけ、お茶に付き合ってくれない?」

ルナは顔を上げた。

「……お茶?」

「ええ。私も次の予定まで時間があるの。朝ご飯を食べていないなら、何か食べましょう」

ルナは、少し迷った。

だが、エリシアの優しい表情を見て、やがて小さく頷いた。

「……うん」

エリシアは微笑んだ。

「じゃあ、行きましょう」

午前8時49分。

中央市街地駅前、喫茶店《銀の小鳥》。

駅から徒歩数分の場所にある喫茶店は、朝の通勤客でほどよく賑わっていた。

木製の扉を開けると、焙煎した珈琲豆の香りが漂ってくる。窓際には小さな丸テーブルが並び、店内の奥には古い蓄音機が置かれていた。

エリシアとルナは、通りを見渡せる窓際の席へ座った。

店員が注文を取りに来ると、エリシアは紅茶と軽食を頼んだ。

「ルナちゃんは?」

「……ホットミルク」

「それだけ?」

ルナは少し考えた。

「……あと、トースト」

エリシアは微笑んだ。

「分かったわ」

注文を終えると、二人の間に静かな時間が流れた。

ルナは窓の外を眺めている。

エリシアは、急かさずに待った。

やがて、ルナが小さく口を開いた。

「……お姉ちゃん」

「なあに?」

「……兄さんって、軍ではどんな感じなの?」

エリシアは少し驚いた。

「レイブン?」

「……うん」

彼女は、穏やかに微笑んだ。

「真面目で、責任感が強くて、仲間のことをよく見ているわ」

ルナは、静かに聞いていた。

「でも、時々頑固なの」

「……やっぱり」

エリシアは小さく笑った。

「ええ。自分が正しいと思ったことは、なかなか譲らないところがあるわね」

ルナは、少しだけ口元を緩めた。

しかし、すぐに顔を伏せた。

「……昨日、兄さんと喧嘩したの」

エリシアの表情が変わった。

「……喧嘩?」

「……うん」

ルナは、膝の上で手を握った。

「初めて、本気で言い争った」

エリシアは、静かに頷いた。

「……そうだったのね」

ルナは、ぽつりぽつりと話し始めた。

軍に入りたいと兄へ伝えたこと。

兄のように強くなりたいと言ったこと。

志願理由を何度も尋ねられ、うまく答えられなかったこと。

そして、最後には互いに感情的になってしまったこと。

エリシアは、一度も途中で遮らなかった。

ルナの声が震え始めても、ただ静かに聞いていた。

「……兄さん、私が戦争を知らないから、簡単に軍に入りたいなんて言えるんだって」

ルナは、俯いた。

「……私だって、兄さんが戦場にいる間、ずっと怖かったのに」

エリシアは、胸の奥が少し痛むのを感じた。

レイブンが妹を大切に思っていることは知っている。

だからこそ、戦場の現実を知る彼が、妹の志願に強く反応した理由も理解できた。

しかし、ルナの気持ちも分かった。

待つ側にも、待つ側の苦しみがある。

エリシア自身、レイブンと離れていた間、何度も同じ不安を抱えてきた。

「……ルナちゃん」

「……何?」

「レイブンの言い方は、少し厳しすぎたと思うわ」

ルナは顔を上げた。

「……お姉ちゃんも、そう思う?」

「ええ」

エリシアは、静かに頷いた。

「でも、彼がどうしてそんな言い方をしたのかも、少し分かる気がする」

ルナは、黙っていた。

「レイブンは、戦場で大切な人を失う怖さを知っているから」

エリシアは続けた。

「だから、ルナちゃんに同じ思いをしてほしくないのよ」

ルナは、少しだけ眉を寄せた。

「……でも、それじゃ私の気持ちは?」

「もちろん、大切よ」

エリシアは、はっきりと答えた。

「ルナちゃんの人生は、ルナちゃん自身のものだもの」

その言葉に、ルナの耳が少しだけ立った。

「……本当?」

「ええ」

エリシアは微笑んだ。

「ただ、軍に入るなら、何をしたいのかを考えることは必要だと思う」

ルナは、少しだけ肩を落とした。

「……やっぱり、そこは兄さんと同じなんだ」

「そうね。でも、今すぐ答えを出さなきゃいけないわけじゃない」

エリシアは、テーブルに置かれたルナの鞄へ視線を向けた。

「今日は、どこへ行くつもりだったの?」

ルナは、少し迷ってから答えた。

「……志願兵学校」

エリシアは頷いた。

「見学?」

「……うん。自分の目で見てみたかった」

「それは、いい考えだと思うわ」

ルナは、驚いたように顔を上げた。

「……怒らないの?」

「怒らないわ」

エリシアは、少しだけ真剣な表情になった。

「ただし、行き先を家族に伝えずに出かけたことは、よくなかったと思う」

ルナは、顔を伏せた。

「……うん」

「心配していると思うわよ」

「……分かってる」

エリシアは、静かに続けた。

「だったら、まず無事だって知らせましょう」

ルナは、しばらく黙っていた。

そして、小さく頷いた。

「……うん」

午前9時14分。

帝国軍志願兵学校、正門。

その頃、レイブンは志願兵学校へ到着していた。

正門の前には、かつて自分が通った訓練施設が広がっている。

広い演習場。

整然と並ぶ校舎。

遠くから聞こえる訓練生たちの号令。

懐かしい光景だった。

しかし、今のレイブンに感傷へ浸る余裕はなかった。

彼は受付で身分証明書を提示し、事情を説明した。

「クロウ軍曹、確認しましたが、ルナ・V・クロウさんの来校記録はありません」

受付担当の下士官が、申し訳なさそうに答えた。

レイブンは、思わず眉を寄せた。

「……本当に?」

「はい。見学者の受付記録にも、お名前はありません」

「別の入口から入った可能性は?」

「見学者の入校は正門受付で管理しています。現時点では確認されておりません」

レイブンは、深く息を吐いた。

「……分かりました」

しかし、声には苛立ちが滲んでいた。

彼は通信端末を取り出し、再びルナへ連絡を試みた。

応答はない。

「……くそっ」

思わず、小さく悪態が漏れた。

受付の下士官が、少し驚いたように顔を上げた。

レイブンは、すぐに表情を改めた。

「……すみません」

「いえ」

彼は一歩下がり、校舎の方を見た。

妹は、ここに来ていない。

では、どこへ行ったのか。

駅で迷っているのか。

別の場所へ向かったのか。

あるいは、何か事故に巻き込まれているのか。

悪い想像ばかりが浮かんだ。

レイブンは、拳を握りしめた。

「……何で、何も言わずに出ていくんだよ」

その声には、怒りよりも不安が強く混じっていた。

午前9時22分。

志願兵学校、正門脇。

レイブンは、門の外へ出て通信端末を確認していた。

クロウ家からの連絡は、まだない。

彼は、父へ状況を報告しようとした。

その時だった。

端末が振動した。

画面に表示された名前を見て、レイブンは目を見開いた。

《エリシア・L・ヴォルハラム》

彼は、すぐに通信を接続した。

「エリシア?」

『レイブン?』

聞き慣れた声が返ってきた。

「どうしたの? 今、ちょっと……」

『ルナちゃんのことで連絡したの』

レイブンの表情が変わった。

「……ルナ?」

『ええ。今、私と一緒にいるわ』

レイブンは、思わず息を止めた。

「……本当?」

『本当よ。怪我もしていないし、元気だから安心して』

その言葉を聞いた瞬間、レイブンの肩から力が抜けた。

「……よかった」

彼は、深く息を吐いた。

「……本当に、よかった」

エリシアは、少しだけ声を和らげた。

『心配していたのね』

「……当たり前だよ」

レイブンは、額へ手を当てた。

「朝からずっと探してたんだ」

『そうだったのね』

エリシアは、少し間を置いた。

『レイブン、今どこにいるの?』

「志願兵学校。ルナがここに来てると思って」

『そう……』

エリシアは、静かに続けた。

『だったら、中央市街地駅の近くまで来られる?』

「……駅?」

『ええ。駅前の喫茶店《銀の小鳥》にいるの』

レイブンは、すぐに頷いた。

「分かった。今から向かう」

『慌てなくていいわ。ルナちゃんは私と一緒にいるから』

「……うん」

エリシアは、少しだけ真剣な声になった。

『それと、レイブン』

「何?」

『お店に来たら、最初から怒らないであげて』

レイブンは、言葉を詰まらせた。

『昨日のこと、ルナちゃんから聞いたわ』

「……そっか」

『二人とも、ちゃんと話す必要があると思う』

レイブンは、静かに目を伏せた。

「……分かってる」

エリシアは、穏やかに答えた。

『待ってるわ』

「……ありがとう、エリシア」

通信が終了した。

レイブンは、しばらく端末を見つめていた。

妹が無事だった。

その事実だけで、胸の奥に溜まっていた不安が少しずつ消えていく。

しかし、同時に昨夜の出来事が蘇った。

兄さんなんか、大嫌い。

あの言葉を、どう受け止めればいいのか。

まだ分からなかった。

レイブンは、静かに息を吐いた。

「……ちゃんと、話さないとな」

午前9時31分。

帝国軍志願兵学校前、連絡道路。

レイブンは、中央市街地へ戻るため、学校前の交通停留所へ向かった。

途中、父ヴァルターへ通信を入れた。

『レイブンか。ルナは見つかったか?』

「……うん。エリシアが見つけてくれた」

通信の向こうで、父が安堵したように息を吐いた。

『そうか。無事なんだな?』

「怪我もなく、元気だって」

『……よかった』

レイブンは続けた。

「今から駅前の喫茶店へ向かう」

『分かった。母さんにも伝えておく』

「……うん」

ヴァルターは、少しだけ間を置いた。

『レイブン』

「何?」

『昨日の続きを、また喧嘩にするなよ』

レイブンは、苦笑した。

「……分かってる」

『今度は、兄として話してこい』

レイブンは、静かに頷いた。

「……うん」

通信を終えると、彼は停留所へ向かった。

午前9時42分。

中央市街地駅前、喫茶店《銀の小鳥》。

その頃、エリシアとルナは、まだ窓際の席に座っていた。

ルナは、ホットミルクの入ったカップを両手で包んでいる。

エリシアは、静かに紅茶を飲んでいた。

「……お姉ちゃん」

「なあに?」

「……兄さん、怒ってるかな」

エリシアは、少しだけ考えた。

「……心配はしていたと思うわ」

「……うん」

「でも、今は無事だって分かって安心しているはずよ」

ルナは、カップへ視線を落とした。

「……私、ひどいこと言っちゃった」

エリシアは、静かに聞いていた。

「……大嫌いって」

ルナの声が、少しだけ震えた。

「……本当は、そんなこと思ってないのに」

エリシアは、穏やかに微笑んだ。

「……そうなのね」

ルナは、小さく頷いた。

「……兄さんのこと、大好きだもん」

エリシアは、少しだけ目を細めた。

「知ってるわ」

ルナは、驚いたように顔を上げた。

「……え?」

「ルナちゃんがレイブンを大切に思っていることも、レイブンがルナちゃんを大切に思っていることも」

エリシアは、静かに続けた。

「だからこそ、昨日は二人とも傷ついたんだと思う」

ルナは、しばらく黙っていた。

そして、小さく呟いた。

「……ちゃんと、謝れるかな」

エリシアは、穏やかに微笑んだ。

「きっと大丈夫よ」

ルナは、窓の外を見た。

朝の通りには、多くの人々が行き交っている。

その中に、兄の姿はまだなかった。

しかし、もうすぐ来る。

そう思うと、胸が少しだけ苦しくなった。

エリシアは、ルナの様子を見守りながら、静かに紅茶を飲んだ。

彼女は知っていた。

レイブンは、戦場では冷静に判断できる男だ。

だが、家族のことになると、時々驚くほど不器用になる。

そして、ルナもまた、兄によく似ていた。

自分の気持ちをうまく言葉にできず、それでも大切な人のために何かをしようとする。

エリシアは、窓の外へ視線を向けた。

「……レイブン」

小さく呟いた。

そして、心の中で願った。

今度こそ、二人がちゃんと向き合えますように。

帝政歴347年11月13日。

レイブン・S・クロウは、家を出た妹ルナを捜すため、帝国軍志願兵学校へ向かった。

しかし、学校に妹の姿はなく、不安と苛立ちを募らせていた。

一方、中央市街地駅で偶然ルナを見つけたエリシア・L・ヴォルハラムは、彼女を駅前の喫茶店へ連れ、昨夜の兄妹喧嘩について話を聞いた。

そして、エリシアから妹の無事を知らされたレイブンは、喫茶店へ向かうことになった。

初めて本気でぶつかり合った兄妹。

その間に立ったのは、二人のことをよく知る、一人の金髪の共和国軍将校だった。

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