登校初日!いざ、蜘蛛の巣へ! ~メラトト視点~ ⑲
おはようございます!
更新が遅くなってしまい。申し訳ありません。読んで頂けると嬉しいです!
ヒューロロロ~、頭の上から綺麗な音が降り注いだ。
作戦開始の合図だ。
『マモダ!』
『よしゃ、いくぞ!』
グレイド教官から伝えられた通り私とエイエは近くで徘徊しているハイドスパイダー数匹に攻撃を仕掛ける。
深追いはしない。とりあえず近くの奴らだけ!そう心の中で言い聞かせ、短槍をその首筋へ突き出す。
意外にもハイドスパイダーからの反撃はなかった。
私達がまさかここにきて暴れるとは考えていなかったのだろう。
その余裕さが私の弱い心に一瞬、影を差す。私たちは本当にここから抜け出せるのだろうか、と。
『うぉい!しゃ!ていっ!』
そんな私の不安をかき消すようにエイエの力強い声が背中から届いてきた。
そうだ。私はいま一人じゃない。同じ家で過ごしている家族とこれから一緒に学ぶ仲間達も来てくれた。
これからだ!これから私達は未来に向かって進むんだ!
ここで怯えて立ちすくむくらいなら!この道を選らんだ意味がない!
迷いは消えた。
まずは出来ることから!もうひと振り!
こちらへと威嚇しながら突進してきたもう一匹の頭へ叩きこむ。
『よしゃ!とりあえずこっちは片付いた!』マモダから明るい声が飛んできた。
『私も!』返事を返しながら近くにいた最後のハイドスパイダーを振り払って仕留める。
『2人ともすごいわ。私の出番がないわね。』私たちの後ろで盾を構えて待機しているエイエの声色に少しきまづさが混じっている。
盾を使った防御魔法を使うエイエの役割的には出番がないほうがいいのだ。上手くいっている時には出番がないのはしょうがない。
そんなエイエに順調だねと相槌をうっていると
『教官達も順調そうだぜ!っんげ!』マモダがいきなり素っ頓狂な声を出した。
どうしたのかと尋ねるまでもなくマモダの声の意味が分かった。
カサカサカサと草木を踏みしめる音がどんどん近づき大きく聞こえてくる。離れた場所にいたハイドスパイダー達もこちらの動きに気づいたのだ。
振り返ると、予想通りの光景が広がっていた。もちろん、教官とラッキーくんの方にも突進しているので全部ではないがそれでもなお黒い波が迫ってくるという表現がしっくりくる。
覚悟は決めたというのに魔物が一斉に向かってくる様子を目の当たりにすると、生理的に恐怖を感じてしまい冷や汗がでる。
『メラトト!エイエ!どうする!ここで迎え撃つとすぐに囲まれちまうぞ!』すかさず私達の前に出てくれたマモダが叫ぶ。
『グレイド教官が言ってたでしょ!移動せずに近くにきたやつだけよ!それに私も活躍しなきゃね!マモダ!トト!私の後ろへ!』エイエの言うとおりだ。ここで耐えるしかない。ファーマムが出てきてなだけまだ状況はいいのだ、私達は教官達を信じて踏ん張るしかない!
『『分かった!』』マモダも素直に後ろへ下がって来た。姉御肌でいつも矢面に立ってくれはするがそれは私達を思ってくれてるからこそ。決して下にみているわけではない。お互いを尊重し信じて行動できる、いい子だ。
『女神様、私へ守る力を。スクラムシールド。』エイエが盾を構え静かに祈ると綺麗な光に包まれる。
『いつ見てもすごいな。あと気持ちぽかぽかする気がするぜ。』
『ね。この中でお昼寝したら気持ち良さそう。』
優しさに包まれたことで先ほどまでの不安な気持ちが嘘のように溶けて消えていくのが分かった。いつ見てもすごい魔法である。
『2人とも、褒めてくれるのは嬉しいけど。あの数だと数分しかもたないわ。耐えれるギリギリまで粘ったら弾きとばすから、そこからはまた貴方たちの出番よ。お願いね。』
『おう!』『うん!』
黒い波の後ろに、教官達が見えて来ている。400m程だろうか。近いように見えて遠い。
最低限の奴らを処理しながら突っ込んで来てくれた2人だが近くになればなるほど数が多くなりその歩みは遅くなっている。だが、着実に近づいて来てくれているのは希望だ。
そんな2人の姿も、私達に押し寄せたハイドスパイダー達の影に隠れてしまいみえなくなってしまった。
だが、私達3人の顔に諦めの文字は浮かんでない。
『ここからが正念場だね。がんばろう!』
『だな。一生分のハイドスパイダー狩ってやるぜ。』やる気満々のマモダ。
『この数で一生分としたら少なくないかしら?』おどけて空気を和らげてくれるエイエ。
私はこの2人とする冒険が楽しみだ。こんな所で人生を終わらせたりしない。
そう心で唱え、手元の短槍を強く握りしめる。
勝負の時は、刻一刻と迫って来ていた。
いろんな方が見て下さっている事が励みになっています!
次はいよいよファーマムとの対峙を書くつもりなので頑張ります!
寒くなって来たので皆様、体に気を付けてご自愛ください!




