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登校初日!いざ、蜘蛛の巣へ!⑱

いつも読んで頂きありがとうございます!

寒暖差の大きい季節になってまいりましたのでお体に気を付けてお過ごしください!

※2026年10月加筆と修正を行いました。

静寂に包まれた広場に軽快な笛の音が響き渡る。

生死をかけた救出劇が始まった。


眼下のハイドスパイダー達は笛の音にわずかに反応したが、すぐ興味がなくなった様にメラトト達へと体を向けなおす。音より振動を感知することに長けているからだろう。


「いくぞ!」グレイドとラッキーが作戦通り先陣をきって走り出す。

ポン、ポン、ポンと立て続けに音が鳴り始めるが2人は振り返らずに突き進む。

飛びつく目標を失ったハイドスパイダー達は出てきた端に宙をまっている。

ころばぬよう器用に8本の足を駆使して踏ん張りあちらこちらで土ぼこりを上げている。


が、止まると言う事はいい的であると言う事だ。

前方に飛び出て来た数匹をキノアのサンドボールが叩きつぶした。緑色の体液が派手に飛ぶ。

「足は止めた!不用意に近寄るなよ!まだ生きてるやつがいてもおかしくねぇ!」と目は次の目標へと向けながらキノアが叫ぶ。


『「りょうかい!」』アイボリーと俺はそんなキノアに返事をしつつ負けじとハイドスパイダー達へ攻撃をしかける。


俺は歩調を調整しながらリズムと呼吸を整える。風はおだやか、距離もよし、狙うは首筋一択。

もし少しずれたとしても致命傷。動きを止めるには充分だ。

足元の土を踏みこみ、掴んでいた矢から手を放す。

リズムが重なった、乾いた音を出して矢が飛んでいく。

頭の中で思い描いていた軌道をなぞってハイドスパイダーの体に矢が吸い込まれる、前足が一瞬上がるがこちらに追撃をしかけてくる様子はない。この調子ならなんとかなりそうだ。


アイボリーに目をやると、キノアの近くにポジションを決めたようでマジックポケットから手ごろな石を取り出して投げつけていた。

パキッ、と石が当たった程度ではなっていはいけない音が聞こえたかと思うと力なく沈み込んでいく黒い物体が視界の端に映る。

よし、アイボリーには極力逆らわないようにしよう。と心に固く誓う。力は時に正義(ルール)だ。



「分かってはいたけどオモテに出ている奴らの数倍はいるな。」次が8本目だなと考えつつ矢をつがえた俺はつい愚痴を漏らしてしまうと「大丈夫だろ、1人頭30匹はいないぜ。」すかさずキノアから軽口が返ってきた。


先ほどの作戦会議で申告した矢の本数なら余裕だろっということだ。


「うるせぇ!あてる事自体は楽勝だけどよ、普通倒すのは剣でやるからどこまで精度がいるか未知数なんだよ!」と苦笑いしつつ心が軽くなる。そうなんとかなってるんだ


「それに、近くに出て来た奴はあらかた片付いたし教官(グレイド)もメラトト達とも合流できそうだぞ。」とキノアが小さくなった2人の背中を指差す。


「たしかに、なっ。」つがえていた矢をこちらに向かって動き始めたハイドスパイダーへ放ち動きを止め終わり辺りを見回す。近くに動く影はなく、射程外にちらほらと損ね獲物を求めて飛び掛かりそこなった奴らが歩いているのみになっていた。目で見える範囲だと10匹程度というところだ。


『だいぶ進んでこれた、あともうちょい進めば中間。あそこら辺で待機?』とまだまだ余裕という表情で器用に石でお手玉しながらこちらへ歩いてくるアイボリー。


広場に立ち入る前に感じていた不安が嘘のように順調に作戦が進んでいる。

このままファーマムが出てこずに巣から抜け出せるのではないだろうかと、そんな甘い考えも頭によぎってしまうほどだ。


緩んだ気持ちを引き締める為、首元の木彫りのロザリオに手を添える。

彫ってくれた幼馴染の顔が脳裏にちらつく、『魔物と戦っている時に油断するなんてとんでもない!まったく、まったく。』とお叱りの言葉が聞こえてくるように感じた。


「ファーマムが出てこないのが気になるが....作戦通りにいこう!」


『「おー!」』


俺らに出来る事は、退路を確保すること。そう心に言い聞かせ、前を向く。

ただ、いまは祈るしかないのだ。無事に帰れるように。

折角なのでグレイド(教官)とラッキー達がメラトト達と合流する視点も書いてみようと思います!

明日、9/23にはアップロードできるよう頑張ってみます!

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