登校初日!作戦会議は大事!⑰
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※2026年10月加筆と修正を行いました。
「よし!作戦会議といくぞ!」
グレイドの力強い声が静かに、しかしはっきりと辺りに響く。
張り詰めた空気の中、口を開いたのはキノアだった。
「救出だけな俺らでもいけるのか?」
「薬屋の息子、キノアだったな。余裕とはいかないが無事に逃げ切る算段が大きいって言い方が正しいが、勿論だ。」とグレイドが俺達の顔を見渡しつつ言葉を続ける。
「俺が現役の頃はスキルを活かして前衛をやってたからな。時間稼ぎくらいならなんとかなるだろう。逃げる時間を稼ぐくらいはな。」と穏やかな優しい笑みを浮かべた。
俺達を安心させる為だろう。伊達に教官を任されてないらしい。
すごい漢だ。
「逃げる時間を稼ぐって教官はどうすんだよ。」とラッキーが皆の疑問を代弁する。
「もちろん、最悪な場合って話だ。さて、各自使えるスキルと遠距離攻撃できる奴はその精度も併せておしえてくれ!まずは俺からいくぞ!」
「俺はのスキルはシールドとシールドバッシュ、あと勝どきだ。まぁ、勝どきってのはこっちが優勢ってときにしか使えないから実質2つだな。」
「なるほどな、俺は遠距離攻撃は使えない。スキルはつばめ返しと回転切り。だが、どれも単体向けのスキルだ。斧をもってきてたらもっと良かったんだがな、今日は短剣を持ってきてる。」とラッキーが続ける。
「俺はスキルは使えない、魔法だけだ。土魔法は、ブロックとサンドボール。サンドボールは10mくらいなら狙った場所に打てる。炎魔法は、地面に炎を振りまく程度しか出来ない。ただ、こうも草原が広がっていると威力は保証出来ないな。」と苦い顔のキノア。
『私は....火が吐ける。魔法は....いまは使えない。ただ、腕力はこの中の誰にも負けない自信がある。』とどこか言葉に迷いが感じさせつつも自信たっぷりに答えるのはアイボリーだ。
「俺は、スキルは使えない。剣も使うし弓も使う。短弓だから30mまでは余裕で当てハイドスパイダーは仕留めれるが、それ以上は運次第ってとこだな。ただ矢自体は30本くらいしか持ってきてない。」と皆につづけて俺も答える。
「遠距離攻撃が2人か。炎で牽制出来そうなのは最高だな。ラッキーはメラトト達と合流して援護しながら引くときに邪魔なハイドスパイダーをいなしつつ撤退。獲物が逃げるとなればファーマムも仕掛けてくるだろう、その時は俺が攻撃を受ける。お前たちはお互いが怪我しないようにだけ気を付けてくれ。」
全員の話を聞いてすぐに作戦を淀みなく指示できるグレイドは歴戦の強者ならではと感じる。
「よし!メラトト達に合図を送って作戦をつたえるぞ!」
鈴を取り出してメラトト達へ合図を送るグレイド。
澄んだ鐘の音が辺りに響き渡ると、綺麗な音色だというのにいまは何故か不吉に感じる。
いつのまにか俺達の周りを静寂が包み込んでいた。
鈴の音の合図に応じ、すぐにメラトトが音届を使って作戦を聞きに来た。
≪ドウスルー、ドウスルー≫
この場の雰囲気に似つかわしくない間の抜けた抑揚と声、魔法だから仕方ないのだがついつい気が抜けてしまいそうになる。
そんな空気の中、口を開いたのは教官であるグレイドだ。
歴戦の冒険者らしくその顔には一切の気の緩みはない。
「待たせたな。これから助けるぞ。攻撃を仕掛ける合図には笛の矢を使う。音が聞こえたら近くのハイドスパイダーを叩いてくれ。移動はしなくていい、俺達が合流するまではファーマムも動かないだろうが逃げようとしたら何が起きるかわからないからな。」
≪ワカッタ、ワカッタ≫
「合流は、ラッキーと俺がする。合流したら攻撃をいなしながら後退だ。キノアとアイボリーは中間地点で退路を確保してくれ。ツキトは中間地点から前に出て俺達の援護だ、あまり前に出すぎて囲まれないように気をつけろ。メラトト達は、合流したらラッキーと連携しながら後退してくれ。あちらこちらからハイドスパイダーは出てくるはずだ、ゆっくりとでいいから孤立しないように気をつけろ。」
指示を出し終えたグレイドは皆を見渡して優しい笑顔をみせる。
「巣の中から逃げ出せばなんとかなる。ここが正念場だ、頑張るぞ!」
『「おー!」』
≪ガンバル、ガンバル≫
救出劇の幕が上がった。
いつかは挿絵もいれたいと思っていますので温かく見守って頂けますと幸いです!
10月・11月は更新が当社比多めに出来ると考えているので引き続き宜しくお願いします!




