登校初日!生きるためのたたかい。
読んで頂いてる方々、いつもありがとうございます!
年明けから更新するする詐欺となってしまい申し訳ありません。
皆様のおかげでモチベーションは高いので長い目で見守って頂けると幸いです。
「キチャダメ、キチャダメ!」
いきなり静止されてびっくりしたが、考えてみれば近くに不用意に寄ろうとしたこちらが悪い。
折角、魔法を使っているのだから音届経由で聞けばよかったのだ。
まずは状況把握が先決、教官であるグレイドが一番気になるだろう。何を聞くかと目線で問いかける。
「怪我はないか?」
これまでの豪快な口調からは想像できない落ち着いた声でグレイドが話しかける。
「ケガナイ、ケガナイ」
「そうか。良かった。」と安堵した表情を浮かべるのもつかの間すぐに苦い顔に変わるグレイド。
「すまない。こんな近くの森に成長した上位種がいるなんて思わなかった。一言でも大きな果実には近づくなと言っていれば。絶対にそこから救いだすからな。」
彼女達に掛けた言葉は、ゆったりとした口調だが言葉に淀みはない。
自身にも言い聞かせている、そんな覚悟が滲み出ているようだった。
「日没まではまだ数時間ある。キノア達が合流してから救出するから今は出来る限り体力を温存しておいてくれ。」
「ワカッタ、ワカッタ」
「皆が集まり終わってから作戦を伝える、鈴を鳴らすからその時はまた音届を頼むぞ!」
「マカセテ、マカセテ」
フワッと空気に溶けるように音届が消えていくと共に先ほどまでの緊迫した雰囲気が和らいでいくのを感じる。
ひとまず、彼女達が無事だったのだ。こちらが焦っては彼女達を不安にさせるだけだ。
『討伐じゃなくて救出だけなら簡単?』とアイボリーが本気なのか冗談なのか分からない口調でグレイドに問いかける。
「確かにな。討伐が目標じゃないだけマシだ。だがな.....」表情は動かさないが苦い口ぶりのグレイド。
『だが?』
「俺は教官である前に一人の冒険者だ。出かける前に最新情報は確かめてる。商業高校って言っても要はギルドと国が運営してる養成施設みたいなもんだからな。危険な魔物の情報なんて漏れがある事はまずない。」と言葉を区切りひと呼吸して話を続けるグレイド
「だが、今回は情報がなかった。つまり....。遭遇した冒険者で街に帰れた奴はいないって可能性もある。まぁ、最近いきなり進化したって可能性もなくはないがな。」
「最近ではないみたいだぜ、教官。」
落ち葉を踏みしめる音と共に後ろから声が飛んでくる。キノアだ。
「これは~、タケノコなんてのんびり運んでるんじゃなかったな。」とラッキーも続いてやってくる。
広場の赤い木の実の謎の圧に気圧されたのだろうか、2人ともどこか覚悟を決めた表情だ。
「音届は簡単な言葉しか運べないからな。運んで貰った所悪いがタケノコは諦めないとな。それより、最近じゃないってなんで分かったんだ?」そんな2人を労いつつグレイドが尋ねる。
「道中に野営の後があってな、見た感じ1週間以上は立っていそうだった。マナー悪い奴が放置していったのかと思ったんだが。そうじゃないんだろ?」とキノアが答える。
急いでエイエ達の元に向かったからか俺達は見落としていたらしい。
「恐らくな。ギルドに行方不明情報が出ていないってことは旅途中の新人冒険者達だったのかも知れん。運が悪かったな。」
「俺らは運がまだいいと?」とラッキーが少しおどけて相槌を入れる。
「ああ。滅多にお会いできないぞ?上位種の魔物なんて」と俺もおどけて返しつつラッキーに目線で釘を指す。たまたまエイエ達が引っ掛かただけでもしかしたあの場所にいたのは俺達だったのかも知れないのだ。せめて救出が終わってから軽口を叩いて欲しいものである。
「まだな。メラトトが音届を使えた事と日が暮れるまで余裕がある時期に発見出来た。これは大きい。しっかり作戦を立てれば討伐は無理でも充分、救助は可能のはずだ。」
グレイドはそんな俺らの軽口を咎めることなく頷き、合図の鈴を取り出した。
「よし!作戦会議といくぞ!」
物語が進んで書くのは楽しいのですが、目線やセリフをどう伝えるかと試行錯誤を繰り返す。
そんな、今日このごろです。ゆっくり頑張ろうと思います。
春になったとはいえまだまだ寒いので皆様、体調に気を付けてご自愛ください。




