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ひねくれ少女は自分の生きる意味を真剣に考えたい  作者: 日向日向
第一章「篠崎奏音は空想だけで生活したい」
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第37話「アニスの夢」

直接的な単語をかなり削って、抽象度を上げてみましたが。

今日の話も閲覧注意です。

「カノン」


 エンヌ先生の呼びかけで、はっとなった。かなりの時間、〈術式エイジ〉の中に意識を投射してしまっていたようだ。


「……邪魔しないで」

「これ以上深層に潜るのはやめておきなさい」

「邪魔しないでと言っているでしょう」


 瞬間、エンヌ先生の体は硬直してしまうのを確認した。


「感情的にならない、で……魔眼が暴走しているわ」エンヌは言葉を絞り出すのに苦労している様子だ。

「私が、感情的、ですって?」


 ありえない。

 私がしているのは、ただの状況確認に過ぎない。

 アニスが最期に見た光景を、検視から得ようとした結果に過ぎない。部屋中を見回すと、整頓されていた書籍や書類が見るも無残に床に散らされていた。窓硝子も割れており、台風がこの部屋の中限定で発生したかのようだが。


「貴女が意識を彼女の遺体に向けた後に、魔力アビロイドが暴走した」

「それが暴風になった、と」


 ふむ、年甲斐もなく()()便()でもしてしまったようだ。

 ともかく、だいたいの彼女の死の経緯は理解した。


「何が起こったか……理解できたのね?」

「ええ、彼女は売られた。通常の行為ではおよそ満足のできない醜いもの達に」

「そうね。そして、最後は痛めつけられながら絶命した」


 最悪な結末と言っても過言ではないだろう。

 彼女は最後まで助けを求め続けたのだ。

 だけど、結局は何も運命は変わらずに、果てていった。


「先に言っておくわ」と、エンヌ先生が率先して、私に告げる。

「死者を蘇生させる〈術式エイジ〉はないわよ、一度消えた命を戻すことはたとえ〈術式エイジ〉であってもできない、幾ら怒り心頭でもその禁忌を侵すことは――」

「勘違いしないで」


 いらぬ心配という奴だ。


「私が彼女の死の運命を変えようなんて思わない」


 一度、エンヌ先生は驚いたといった表情を見せた。


「そう、案外立ち直りは早いのね」

「勘違いしないで、といったわよ。私は彼女の死を否定する気も、憐れむつもりもない。彼女の死は、来るべき運命だったのよ」

「?」

「彼女は運命に負けた、それだけ。負けた結果、死んだ、それ以上もそれ以下もない。それを私が否定するつもりなんて毛頭ない。死という結末しか招けなかったのは、偏に彼女の弱さよ。弱いから死んだ、それだけ」

「貴女ね……」

「たとえ蘇生の〈術式エイジ〉があったとして、それを行使することは彼女の運命を冒涜することに他ならないから、私は絶対に蘇生なんて真似しないわ」


 蘇生なんて、という言葉の節々にエンヌは不機嫌か、少し顔を顰めた。


「じゃあ、復讐はしないの?」

「愚問ね、端からそんな予定など更々ないわ」

「…………」


 ふむ、顔を歪めているではないか。知識に溺れ、他者への興味を持つことが皆無な狂人には珍しい反応ではないか。検視時に、私の視た光景と同じものを観測したか? その結果激情に駆られたか、成程、私も同様の感情に見舞われると思ったのだろう。

 だけど私はそれをとうの昔に()()()()()()


「私はただ、私に害なす行動をした人間だけを亡ぼす、そう決めていたわ。彼女の死など、せいぜい殲滅具合が変化する要素に過ぎない」

「……どういうこと?」

「エンヌ先生、今日から二日間、学院は休みよね?」

「ええ……そうだけど」

「まだわからないかしら――明後日の夜、蛮族を殲滅する、当初の予定の通りね」


 心底驚いたような表情を見せるエンヌ先生、全く、表情の起伏の多い人だ。


「そのためにはエンヌ先生、貴女の協力が不可欠よ」

「……何をしろと?」

「よもや忙しいから拒否するなんてことはいわないでよね――三日三晩教えてもらうわよ、できる限り蛮族らに私に喧嘩を売ったと後悔する間もなく叩き潰せる程、惨たらしい〈術式エイジ〉を、ね?」


怒られたら表現を変えるか、この回だけを消去することになると思います。

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