永遠の幸せを与える指輪
永遠に持ち主を幸せにする指輪とは、少しホラーです
ある男が居た。
その男は死ぬしか無いと考えていた。
自分の会社は明日にも不渡りが出そうな程切羽詰まっていた。
最後の足掻きも失敗し、自棄酒を飲んで、裏道を歩いていた。
そしてその占い師と出合った。
「そこの人、永遠の永幸せが欲しくないかい?」
その言葉に男は、自棄酒の影響もあり、占い師に詰め寄る。
「幸せになりたいに決まってるじゃないか。だがよ、オレはもうにっちもさっちもいかねえんだよ!」
その言葉に、占い師は微笑み、一つの指輪を差し出す。
「それだったらこの指輪を使いなさいな」
そして差し出したのは古ぼけた小さな指輪であった。
「その指輪を着ければ幸せに、どんどん幸せになれるよ」
自棄になっていたその指輪を着ける。
「こんなんで上手く行けば困らないよ!」
愚痴も言ったが、男は占いでも迷信でも何でも頼りたい気分だったのだ。
「一つだけ注意しときな。その指輪は人をどんどん幸せにする。そして持ち主の不幸を認めないよ」
男は首を傾げる。
「良い事じゃないか?」
そんな男の態度にも占い師注意を続ける。
「良いかい、適度の所で指輪を外すんだよ」
そして男が酔いをながらも家に帰りました。
その次の日から男は幸せになった。
断られていた融資が決まり。
商品の注文は工場の生産量が追いつかないほどになった。
全ては順風満帆だった。
そして運命の日。
「確認工程など一つ位抜いても問題ない。一個でも多くの商品を作るんだ!」
そういって、内線電話を切る。
「作れば作るほど売れるこんな幸せは初めてだ」
占い師から貰った指輪を見る。
「二度とこの指輪は外せないな」
男は家族の写真を見ながら連日の激務からの疲れから居眠りしてしまった。
男が完全に夢の住人になった時、トラックが壁を突き破り男を苦しまず即死させた。
「きいたあの会社の話し?」
「ええ、何でも不良品が出て死人が出たそうよ」
「社員も違法な労働させてて、運送のトラックの人も殆ど休み無だったそうよ」
「それじゃあ自業自得よねー」
「それにあの社長の奥さん、雲隠れしたって話よねー?」
「ええ、愛人を作っていたそうよ」
「息子さんも苛められてて、父親が死んだ日と同じ日に自殺したんだって」
「何かの運命かしら?」
主婦達がそんな噂をするなか、あの占い師が、道路に落ちている指輪を拾う。
その指輪は占い師が男に渡した幸せにする指輪であった。
「所詮、幸福と不幸の順番を変える道具では人を幸せには出来ないねー」
占い師はそのまま何処かへ消えていった。
正確に言うと、死ぬまで幸せな指輪って事ですかね。
この指輪って有効な使い方って難しいですね。




