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小話  作者: 鈴神楽
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ホラー?

ド短いホラー三篇の三本目。

「毎年毎年、飽きもせず来るもんだ」

 老婆が陰気な顔をして言う。

「そんな、子供達も楽しみにしているんですよ」

 母親の言葉に、男の子も楽しそうに言う。

「ここでとったカブトムシ、大きいから、友達に自慢できるんだよ!」

 そして、恥ずかしそうにしている女の子に、微笑む父親。

「ほら、あんな事を言っていても、おばあちゃんは、嬉しいんだから、安心して」

 女の子が不安げに、老婆を見る。

 老婆は、恥ずかしげに、顔を背けて言う。

「汚い家だが、ゆっくりしてきな」

 女の子が嬉しそうに老婆にくっつこうとするが、少女の手は、老婆の体をすり抜けた。



 夜の夕飯の席、男の子が眉を顰める。

「お母さん、このご飯、味がしないよ」

 男の子の言葉に母親が困った顔をして、小声で言う。

「おばあちゃんには、内緒よ」



 それから数日間、その親子は、老婆とすごし、そして、車に乗って帰っていく。

 老婆は、寂しげな顔をする。

「また来年も、お盆には、来るかねー」



「そういえば、何でこの時期になると、あの山のばあさん、食料を大量に買うんだ? それも何時も食べずに、腐らせてるじゃないかよ」

 何時も配達しているスーパーの親父の言葉に、その奥さんが答える。

「知らないのかい、息子家族が来てるって話だよ」

 その言葉に、スーパーの親父が顔を、引き攣らせる。

「何の冗談だよ、あのばあさんの息子家族って言えば、数年前にばあさんの所に来る途中に交通事故にあって、全員死んだはずだぞ」

 奥さんは、頷き言う。

「だから、お盆になると、来るらしいよ」

 スーパーの親父は、複雑な顔をして言う。

「ばあさんは、気付いてるのかね?」

 奥さんは、肩を竦めて言う。

「気付いていないんだったら、老い先短いんだ、楽しい夢を見ながら逝く方が良いよ」

 頷く、スーパーの親父であった。

ホラー三篇です。

一本目は、怪談物のお約束です。

実は、パターンを外そうとしたんですが、いまいち外しきれなかった気がしますね。

二本目は、完全な怪談ホラーです。

因みに、一話目の最後に話された話しが、これだったりします。

三本目は、ホラーと言うには、やさしめなお話し。

正直言うと、もう少しおばあさんをお化けぽく表現出来たらもっと面白くなる気がしましたが、いいネタが浮かばなかったんです。

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