9. 2月は逃げる 恵方巻き
2月、レジでバリバリ働いて無い。あれっきり、コレっきり、でレジに近よっても無い。
「時間が取れないので1日に1時間から、2時間しか教えられません。」
と伝えられた。それ以外は、やっぱり値下の女よ。で、今日は2月、節分の日。寿司にいる。惣菜で巻き寿司を作る女よ。やる気、元気、根気。
「レジからきました。登坂です。よろしくお願いします。」
返事無し。みんな無視。こわっ。もう、とっくに仕事してる。おかしいな?時間は合っているはずだ。出遅れたのか?バイトだからか?まあいいわ。実力でカバーよ。実は家でひと足早く、練習で巻き寿司を作った。そして、もう食べた。節分は終わった。実力を見せてやる。海苔を置いてシャリ、具を置いて巻く。簡単だ。材料の順番やグラム等、細かく決まっているが誰でも作るれる。ここで、シャリの重さを、はかって私に渡す人が、焦らすのだ。山積みだ。巻く人は工程が沢山あるのに、シャリ係は一つ。ちょっと、他のことしたらどう?ジロリ…見る。アッ、つまみ食い。ワザワザ下で隠れて食べたな、この人。見てしまった。ドキドキ。見間違いかも。
「登坂サンもちょっと食べてください。」
「えっ?良いんですか?」
共犯か?
「確認です。」
確認とは?モグモグ食べてしまった。食べろって、言葉にも弱いのだ!
「お、おいしです?」
うん?このコメント違うのか?確認って?
「具が欲しいです。」
この言葉でしょ。
「これは、業者が作ったシャリです。まれに酢が効いてない場合があるので、試食を必ずしてます。」
へー
「大丈夫です。効いてます。」
「ずっと、味見をしていて味がわからないので、変わってください。」
「良いですよ。」
いいよ。いいよ。味見。美味しい。嬉しい。楽しい。
まずった。今日は節分。大量の巻き寿司。手巻き。恵方巻き。全てに酢飯。味見。口の中が酢飯だ。私も味がわからない。昼休憩、昼ご飯も喉に入らない。なんだか、身体も酢飯になった感じがする
14時過ぎに巻き終わった。
本日の業務終了。
帰り際、本間サンに出会う。
「登坂サンすご〜い、入ったばっかりなのに、デイリーに惣菜にレジに、何でも出来るね!」
えっ⁇何でも出来る⁇嬉しい。酢飯の女から一気に何でも出来る女へ。
その言葉で、毎年立候補して、恵方巻き援助に行くことにした。
もちろん、自分が巻いた、形の悪い恵方巻きを購入して帰る。2日目の節分に家族には、「昨日は、イブだから。今日が、本番だよ。」
みんな、黙って食べる。願いごと叶いますように。
明日も、頑張ろ。




