25. まだ5月 ドキドキ
「いらっしゃいませ!」
やる気、元気、根気。
今日も美声で、働くぞー。
なんだか今日は、調子が良いのだ。信号は青だし、占いも一位だ。良いことあるぞ。
「いらっしゃいませ~」
アッ!まさかのイケメン来た。ここは、スーパーだよ?私のレジに来た。並ばなくていいからだ。テンション上がる。見たことない。洗練されてる。かっこいい。東京の香りがする。イケメン大好き。ドキドキだよ〜。見るだけタダだ。
チラッ、ちょっと見ちゃう。何だか、メジャーの大谷〇〇みたい。マスクで顔はほとんど見えないけど、背は高いし、目元はかわいい感じがしてきた。何だか筋肉ついてます的な。とにかくイケメンだ。嬉し〜今まで頑張った、ご褒美に違いない。チラッ、チラッ、見ながら、ピッ、ピッ、ピッ、スキャン。かっこいい!何か話しかけようかな?
「袋ください。」
えっ!向こうから話しかけられちゃった。ヤダ〜、うれし〜い、袋が欲しい、君が欲しい。キャー想像しちゃう。ドキドキ。
「ハイ」
「ありがとうございました。」
帰って行った。お客がいなくなって直ぐに、
隣のレジの花子サンに、
「さっき大谷〇〇みたいな人来ました。」
「エー!エー‼なんで教えてくれないの〜今度来たら教えてよ〜」
みんな、イケメン好きだ。
「ハイ、絶対に教えます。激似ですよ。見たらびっくりするぐらい。かっこいいです。」
「ははははは(笑)」
2人で笑う。
次の客はお爺さんだ。
「⁈¿@⁇?!‼1‾0_@」
ヤバい、全くわからない。凄い方言で聞き取れない。どうしよう。ドキドキする。
「もう一度お願いします」
「‼!10@⁇¿⁈°ー」
さらに、わからない。
「少々お待ちください。」
サービスカウンターへ行って通訳をお願いした。レジ袋ください。だった。本当に⁇もっと長い文章を話してたと、思ったンだけど。買って帰って行った。
夕方、また来た。まさかの大谷〇〇サン。今回も、私のレジだ。やった〜。2回目⁇ドキドキ。
花子サンに教えなきゃ…どうやって⁇お互いに仕事中だよ?教えたい。ケド、どうやって⁇こ、困った。声かけたいけど…かけれない。何か合図を決めたら良かった。
帰って行った。
夜、少し年配のおばあちゃんが来た。ハア、ハア、息を切らしながら、カートを押して。私がスキャンを始めて、直後に、後ろへ倒れた。バッタと音がして倒れてしまった。人間、驚くと、キャーもワーも出ない。からだが硬直してしまった。異変に気づいたのは、副店長だった。
「大丈夫ですか⁇と、走って来た。登坂さんも大丈夫‼」
ハイ、大丈夫です。震えて、言葉が出て来なかった。直ぐに、救急車を呼んで運ばれて行った。幸いおばあちゃんは、意識もあり命に別状はなかった。
急に人が倒れるなんて、ショックだった。
ドキドキする。
今日は、心臓に悪い1日だ。
明日も頑張るぞ!
ドキドキ




