5.時間の速さ
やはり年を取る度に時間の過ぎ去る速度は早く感じるものなのだろうか。
私はというと、確かにその様な感覚があるといえばありますが、そうではない時もあるし、微妙なところです。
昔は世界には知らないことばかりだったから、それら多くの情報を処理するのに時間が掛かっていた。けれど、今では世界はそこまで目新しいことばかりでなく、無意識で処理することのできる情報量が増えて、体感時間が昔と比べると相対的に短く感じるようになる、その様なことを何かで読んだ記憶があります。
それとは別に、時間の速さというのは、過ごした時間の密度というものに深く関係することもある様に思います。
何かに熱中して時間がとても早く過ぎ去る様に感じる日々がありますが、そういう時間は密度が濃いというか、ふっと我に返って今は何月何日だろうと確認してみると、大して時間が経っていないな、と思う時があります。
逆に、暇で暇で時間を長く感じる時があって、そういう日々を過ごしてふと今は何月何日だったか、と改めて確認してみると思いの他に時間が経っているな、と思うことがあります。
時間の早い遅いというものは、どれだけ自分の過ごした時間が記憶に残っているのか、ということにも左右されることがあると思うのです。
過ごしている「今」の時間の速度と、過ごした時を振り返った時に感じる時間の速度、その二種類がある様に思います。二種類あるとは言っても、後者は前者に内包されるように感じますし、意味ある分類ではないかもしれないです。
時間の密度みたいなものが大きい時、流れる速度は速い様に感じるけれど、振り返ると記憶に鮮明に残っていて過ごした時間の存在感は大きいものです。
その反対に、時間の密度みたいなものが小さい時、時の速度は遅いと感じるけれど、振り返ってみるとその時間の存在感は殆どない様に思います。
時間の流れる速度が速いな、そのようなことをふとした時に感じるのは、主に後者のパターンが大きく占めるような時ではないか、と私は思います。
それは駅から家まで歩く間、その道中の記憶が殆どない時の様な、または学校から駅までの道中の記憶が殆どない時に似ているように思います。ふと気がつくと家まで辿りついていた様に、気がつけばもう○月か、と嘆息するのは似ているな、と。
上でも書いたけれど、充実した時間というのは、確かに過ごしている時は早い様に感じるけれど、振り返ると存在感が大きい様に思います。
その逆に、何もしていない様な時間、記憶に残らない様な時間ばかりを過ごしている時というのは、確かに時間が過ぎるのは酷く遅いと感じるけれど、振り返ってみると時間は思っていたよりも多く流れている気がします。
それにしても、時間というのは実に不思議なものだと思います。




