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10.一生に書ける文章量

 『涼宮ハルヒの憂鬱』を書いた谷川流が、あとがきで『一生涯で書くことのできる文章量は、その人が生まれ落ちた瞬間にすでに決定されているのではないかと思うことがあります』と書いていました。


 最初に読んだときは「そんなことないだろう」と思ったけれど、今は何だか「そんなこともあるかもな」、そう思ってみてもいいかもしれない、と考えています。


 一日に書ける文章量というのは、自分の場合はどう頑張っても二万字ぐらいでした。三万時を越えたことは無い気がします。


 平均で一時間に二千字を書けるけれど、休憩が必要です。それに、書く熱意や情熱もそう燃え続けるものでもないです。


 一生涯で書ける文章の量というのは決まっていて、それでいて一日に引き出すことのできる文書量というのも定まっているのかもしれない、そう考えると何だか少し府に落ちる感じがあります。


 別にオカルトを信じるわけではないけれど。


 もしも一生涯で書ける文章の量というのが決まっているとすれば、それを余すことなく使い果たしたいとも思いますが、それはきっと無理な理想なのだとも思います。


 生涯で書ける文章の量が決まっていて、それが分かるとしたら、どのようなことに使うだろうか、と考えてみると悩むところです。


 この想像には、あまり意味がないとは思うけれど、それでも考えてみたくなります。


 そう考えて、生活の中でどれだけ文字を書くかと改めて思い起こしてみると、人生において最初の方でけっこう文字数を使う様に思います。


 五十音を覚えることに、それぞれ二十回書くことが必要だとすると千字。常用漢字はおよそ二千字あるらしいので、それを一つ覚えるのに二十回の練習が必要だとすると二万字。


 一日の授業で、原稿用紙一枚分を書くとして、一年に二百日学校に通うとすると八万字です。


 義務教育の九年を掛けると、七十二万字です。


 高校、大学なども考え、さらに試験なども考えると百万字では到底足りなさそうです。


 数字、アルファベットや記号なども勘定すると、だいぶかさは増しそうです。


 仮に生涯で書ける文章量が百万字だとすると、小説を書く余裕もなく、教育者が本を書く余裕もなさそうです。


 だから、もしも定まっているとしたら一億字以上はある様に思います。


 百万字では足りないのは明らかなように思いますし、一千万字でも少し危ない様に思います。


 もしも一生涯に書ける文章の量が決まっていて、それが少なかったとしたら、どんなことに使いたいだろう。


 私の場合は悩みに悩んで、結局は書かないというオチになる気がしてならないです。


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