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Chapter 8 やるか
役人たちを尻目に、ユーグは村長を見る。
村長もユーグを見る。
このまま従えば村が滅びると分かっている。
戦になれば死者が出ることも分かっている。
ユーグが村に留まるわけではないことも、分かっている。
村を守るのは、最後は自分たちである。
村長が周囲の村人たちへ視線を動かす。村人たちは恐れているが、それでも目をそらさない。互いに目配せを行い、まばらではあったが、確かに頷いた。
それを確認した村長は、ユーグに向き直り、ゆっくりと頷く。
「決めてくれ」という意味ではない。
ユーグが目を閉じる。
「……そうか。いいんだな?」
気づいた役人が、ちらりとユーグを見る。
「何をぶつぶつ言っている?」
ユーグは答えない。目を閉じたままだ。
役人はしばらく見ていたが、やがて鼻を鳴らし、部下へ向き直る。
「まあいい。熊肉なら、あのワインにも合うだろう」
「まだ残っています」
「そうか」
部下の答えに、役人は機嫌よく笑う。
ユーグが目を開く。
「やるか」
「ああ、やろう」
役人がほとんど反射的に答えると、ユーグがこちらへ歩き出す。
役人の笑みが止まる。
「……何を?」
次の瞬間、役人の視界が弾けた。




