占いはいかが その2
(ああ、もっと生きたかったなぁ。次はそうだな、、アイドル、ユーチューバー、とりあえず金が稼げる職業につきたいな、、、)
意識が薄れていく。
俺はいつもそうだ。殴られない日なんてない。だが、視えてしまう不幸は言わずにはいられない。必ずといって当たる不幸(占い)は伝えないと意味がない。それを伝え、信じてもらえれば、絶対に回避できるのだから。
はじまりは14歳の頃、居候先の親戚のおばさんを何気なく“視た“瞬間だった。
おばさんを“視た“瞬間、脳裏に浮かぶビジョン。
それをちょっと伝えてみた。
中二病って、やっぱりみんな通ってきた道なのかな。すごい苦笑いされたな。
でもおばさんも少し付き合ってくれて、伝えた内容に気をつけながら行動してくれた。
トイレに行ってから外出した方がいいよ、みたいな簡単なこと。
そしてそれは的中した。外出先のトイレが軒並み故障してて、周囲阿鼻叫喚だったらしい。
まあそんな感じで、何度も何度も“視えた“ら伝えるようにしてるのがダメだったのか、オオカミ少年よろしく、とうとう信じなくなった。
高校入学の頃。この頃になると、かなり自在に“視える‘’ようになってきた。
いつもの朝、いつもの日々。
流石に中二病という言葉を知らないわけもなく、“視る“のを少し減らし、言葉に出すことをしなくなってきた頃。虫の知らせというやつか、はたまたただの気分か。何気なく出かけようとしているおばさんを“視た“瞬間に浮かぶ死の映像。
ちょっと待って!今日はいつも通り出勤しちゃだめだ。死んでしまう。遠回りして行った方がいい!
そんな大袈裟な、と笑いながら、おばさんは出てってしまった。
そしておばさんは死んだ。
急なことだったが、“視えて“いたせいもあって、その知らせを聞いた俺はいたく冷静だったらしい。
おばさんの死後、おばさんは独り身だったせいか、遺産は居候の俺が受けとることになり、高校卒業まではなんとかできた。
そして俺は占い師になることを選んだ。
高卒で働く選択肢なんて、今の世の中はいくらでもある。しかし、脳裏に浮かぶビジョン。それを行うことで必ず不幸になる。それがわかっているならば、それを伝えて不幸を回避すべきだ!
そう信じ、この仕事をはじめて一ヶ月、最初は良かった。
占い師になった時の最初の一人目が金持ってる爺さんだった。
はっきりと“視える‘’死の行動。それを伝えた瞬間、満足そうな顔して10万円もくれるんだもんなぁ。
まあ次の日にたまたま見たニュースで死んだのを知って、ショックをうけたけどね。(かなり有名だった)
恐らくあの爺さんは自分が死ぬのをわかってて、占いを聞いてくれたんだろうな。
二人目、三人目とこなすうちに、とうとう記念すべき十人目の時に初めて殴られた。
まああれは俺も悪かったのだが。
ちょっと怖そうなお兄さんがきたときに、少し大袈裟に言ってしまったのだ。
今すぐに彼女と別れないと、次の日にイケメンが台無しになりますよって。
はい、殴られました。骨が折れるんじゃねえかと思うほど、思いっきり殴られました。
いやもうこちらは真実伝えただけなんすよ、と思いましたね。
しかも、次の日、ブサイクさらして、また殴りにきやがりました。(ハハッ当たっただろう!さままあみろ!)
まあ流石に不意打ちじゃなければ、勝てるから、おいかえしましたがね。
占っていく日々で二日、三日と殴られるのが続いてきて、あっこれはいつか盛大に刺されるかな、HAHAHAと思いはじめた矢先だった。
ああ死ぬのか。もっといろんな人をすくいたかったなぁ。
・・・くそっもっと救いてえ!
俺の占いは絶対だ!不幸のルートは全部暴いてやる。頼む!
俺にもう一回、人生をやり直させてくれ!!
薄れる意識の中で、強く、強く願った!
そして、意識が途絶えた。




