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占いはいかが その3

冷たい、


これが死後の世界か、、


意外に硬くて、


そして痛いんだな、、


そして、そして、



「うっ、、あれ、、、」


地面の冷たい感触を身体に感じ、意識が目を覚まし始める。

しばらくうつ伏せで寝てたかのように身体は痛むが、ゆっくりと身体を起こし、ふらつきながらも未来(ミライ)は立ち上がり、そして座り込んで頭を回転させる。


「なんだろう。しばらくの間、夢を見ていたかのような・・・いや、こうやって生きているんだ。・・・生きてる?」


頭の中で記憶が入り交じる。

あれは夢か?いや間違いなく刺された。あんな痛みは殴られると訳がちがう。皮膚が裂ける感触。身体に重くのしかかったナイフの衝撃と痛み。刺されたのは初めてだが、あの痛みは忘れられない。だかしかし、


「・・・胸に刺された傷は・・ない。身体は・・・なんか寝過ぎたような感触はあるが、正常。」


身体を動かし、自分の身体に異常はないか確認していると、ふと気付く。


「なぜ俺は仕事着なんだ」


黒いフード付きローブを羽織ったいかにもな格好。ある程度収納があり、仕事道具のタロットカードやらトランプやら、依頼人のタイプに応じた占い道具の数々が、すぐさまに取り出せるような機能美も追求している。そして、バッグにも大掛かりな占い道具が入っている。占い師「幸村 未来」の仕事着一式だ。


「刺された時は、ユニク○だったんだけどなぁ。マジで俺疲れてるのか」


格好、装備の確認、全て終わって、改めて確信する。


「やっぱりこれ、俺の普段持ち歩かない道具まで入ってんな。いったいどうしたもんだか。そしてよくよく見渡すと・・ここはどこですか、っと」


立ち上がり、周りを確認する。周りを囲むは木々と草。ここが富士の樹海です。と言われれば、そんなバカなと言うほど生い茂ってはいないが、それなりに森の中のようだ。


「下手に動くのもどうかと思うが・・この状態で何もしないのも、八方塞がり感あるし、とりあえず、適当に歩いていくしかないか?」


その時だった。

目の前の草木が揺れ動く。

その音に反応するように未来の身体が強張り、その方向を凝視する。

人間?動物?どちらにせよ、自分の今の状況に混乱している時に、不意のエンカウントはお断りだ。

自分の懐から、仕事道具のタロットカード(金属製)を取り出し、とりあえず構えておく。


「そんな怖い顔しなくても、獲って食べたりはしないよ」


気の良いおじさんの声がした。

影になっているところから現れるは兵士姿の中年男性だった。


「周辺をパトロールをしてたんだが、君は・・・旅人かい?」


「えっ・・あっ・・えっ?」


未来は突然の問いかけと、今まで見たことのない、現実離れした格好の男の問いに、戸惑ってしまう。


「おーおー、驚かせたようだな。大丈夫。俺はこう見えても意外に優しいんだ!君はどこの出身だい?隣のディスティー?それともここから遠いがフェイトゥー?格好から見るに・・我が国フォーチュンではなさそうなんだがな・・」


兵士姿の男は未来の様子を気にせず、どんどん会話進めていく。


「まーなんだ!ここで出会ったのも何かの縁!どうせ帰るところだったんだ。とりあえず一緒にフォーチュンの町までいかないか?」


「あっはい」


いきなりすぎるデートおさそい、もとい助け舟。兵士姿の男の話した内容が頭をかけめぐる困惑の中で、出た返事はなんとも頼りないものだった。

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