第3話 衣替え
(*´ω`*)要らなくなったモノは処分しなきゃ
「使えなくなったボロは処分しなきゃ」
「え?」
彼のボソリとしたその言葉に私が反応した時、枢は既に消えていた。
「え?え?」
不安が胸を覆う。
最近、枢の様子が変わった。
私を抱く時も、私に抱かれる時も、何か少し違う。
私の中に出す回数が減った。
私の胸を吸う時間が減った。
飽きられた?
と云うよりも―――
「新しい⋯女?」
本能でそう悟る。
私も女だった。
殺しが仕事。
幸せで一般的な家庭など築けず、子共等作れないと思っていた。
「いや、一般的な家庭ではないけれど」
成長が止まり初潮すら来ていなかったお腹には枢との子が宿っている。
そんな私は今、他の女の気配を感じている。
「それもおかしくない⋯」
彼の能力は未知数だ。
空間系能力はピンキリ過ぎる。
空間移動する者。
空間の隙間に隠れる者。
彼は空間を開いて攻撃を全て飲み込みそれを全て―――
「そんな事より」
この謎の空間が、一部屋だけとは、この部屋だけとは限らない。
他の部屋に新しい女を囲っている。
直感だが、ほぼ間違い無いだろう。
少し前までは私に全て出して、胸を吸いながら眠ってくれた。
仕事前に泣き言を言ったり、実際に泣いたりもした。
最近はそれも少ない。
絶対に満足しきってないのに出てってしまう。
私の胸で眠らずに出て行ってしまう。
泣き言も言わず泣きじゃくりもしない。
戻らなくなる時間が、長い。
今も、中々戻らない。
「う⋯」
⋯少し眠ってしまっていたらしい。
目が覚めると、彼が、枢がこちらを見詰めていた。
犯すでもなく、母乳を吸うでもなく、観察する様にジッとこちらを見ている。
まるで⋯
(飽きた玩具を捨てるかどうか見定めている様な―――)
「み、見捨てないで」
気付けば私は縋り付いていた。
彼に切断され短くなった手足で這いずる。
膨らんできたお腹で床を擦る。
ツインテールのままの青と赤の髪の毛も床に広がる。
「なんでもするからぁっ!」
元々成長が七歳ぐらいで止まってる上に四肢が切断されているので、彼の膝ぐらいまでしか頭が上がらない。
「おっぱいたくさん飲んでいいからっ!」
飲まれなくて垂れ流し気味の母乳が床を汚す。
頬を涙が伝う。
「しゃぶるしっ!おしっこだって飲むしっ!中にいっぱい出していいからぁっ!」
許可などせずとも勝手に私を使う彼にこの提案は無意味かも知れない。
けれど口が勝手に回る。
処分されるなら、殺されるならまだ良い。
しかしこのままの状態で仲間の元に戻されるのは嫌だ。
四肢を奪われ、能力も封じられ、見知らぬ男の子種で孕んだ元最強の能力者。
士気はガタガタになるだろう。
私に慈悲は与えられない。
人間以外にも敵の多い現状。
私の子共は優秀な能力者になる可能性が高い。
こんな体になった私は、強い能力者を産む為の道具に成り果てる。
(嫌だっ!枢以外の男なんて嫌っ!)
最初は屈辱だった。
負ければ死、拷問陵辱は覚悟の上だった。
しかしこんなのは無い。
扱いは玩具かペットだが、私は彼に必要とされていた。
彼が私を犯す時、彼が私の乳を吸う時、彼の子共がお腹に居るのだと実感する時、私は満たされていた。
敵と終わらぬ殺し合いを続ける日々と比べて、今の私は満たされていたのだ。
「枢の子共だって産んであげるからぁっ!」
成長の止まってまともに初潮も来なかった自分が上手く出産出来るかも解らない。
少し膨らんできてるお腹や張って乳の出るおっぱいも、もしかしたら彼の能力の賜物であって本当の妊娠じゃないかも知れない。
でも、それでも―――
「お願い⋯捨てないで」
そんな彼が、何も無い空間から何かを取り出す。
「へ?服」
服だ。
しかも着た事も無い様な可愛い系。
私は捕獲されてからほぼずっと裸だった。
ボロの話は⋯最初の時の戦闘で着ていた服の処分の事だった。
ずっと保管していたらしいが、一通り調べたからとの事。
枢は少し楽しそうにしながら私にふわふわの服を着せる。
四肢が無いから袖とか余るんだけど。
「結局脱がすんじゃない⋯」
私の新しい服装を見て興奮したらしい枢が私を犯し始めた。
「ずらしてるだけ」
「何が良いの?こんなの⋯」
いや、良い。
彼が興奮してくれている。
飽きられたのかと思った。
捨てられるのかと思った。
ホッとした。
久し振りに私の中に出しながら母乳を吸い、そのまま眠る枢を見詰める。
短くされた二の腕で彼の頭を撫でる。
この歪な関係がいつまで続くか解らない。
解らないが⋯
「おやすみなさい」
私は彼の頭に口付けし、共に意識を手放すのだった。
(*´ω`*)断捨離




