② 緑色の火の玉!?
「ボロボロの…錆びた剣…?」
なんだなんだ、このポワポワと緑色に光った剣は…床に突き刺さってるし。…いや、しかも違うぞ??
“光”じゃない…?まるで、たき火みたいに燃えている…!?けれど、こんなに近くにいるのにちっとも熱くない。それどころかなんだかあったかい…。なんだろう、不気味なはずなのに…目が離せない。まさか…ユウレイ……っ!?
──その時だ。
《バゴォオオオンン!!!》
「げっ………!!!?」
明るくなった。
そう、隠れてたお墓があいつにぶっ壊されちゃった!!!??
あーあ…たたられても知らないぞ。…って…!!それどころじゃないっ!!!そんな神様みたいなのがいたら来てほしいくらいだっっ!!!
「何に可…光って位ると思った裸…此処に痛のか…!!!!」
やばい…やばいやばいやばいヤバいヤバイ!!!!
どうすれば…どうすれば…!!!こここ…殺される…!!!!やっぱりココに逃げ込んだのは計算違いだったかも!!!!
体中もだんだん痛くなってきた、めまいもだ…あいつの耳に障る声も合わさって頭痛もしてくる…
「ふじゃああああああああ!!!!」
「ひぃっ……!!!」
殺されるーーーー!!!
《カァアアンンンン!!!》
「…ふじゅ…?」
「え……? 生きてる…? ──あり?」
あれ…?なんで?
なんで…この剣…手に持ってるんだ…?
「ほ宇…今のを弾い他か…、打画…マグレ打ッッッ!!! ふじゅるるろろぉおおお!!」
「はぁ…また来る…!!!!やばっ…腰が…抜けて…」
絶え間なくオオカミ野郎がまた爪を尖らせてくる。こんな細いカラダなんか食べても美味しくないって!!くっそー…諦めてくんないかなあ…!!今度こそ、殺される…ほんとにホントにだ。
《ガギィイイイインン!!》
「はぇ……????」
まただ…でも…!!今度は…ちゃんと見えたぞ…!!
自分だ……!!
自分が…無意識にあいつの攻撃を、この剣で…!!弾いたんだ…!!!マグレじゃない…!!まさか…この剣…ホントのホントに呪いの剣…?
で、でも…今の自分にとってはラッキーアイテムだ…!!自分の右手が…剣が!!勝手に動いて守ってくれてる!!!ちょっとだけ気味が悪いけど…なんでか、わっかんないけど…!!!今はコレに頼るしかない!!!
《カァンカンカンカン!!!!!!》
「なん打…コイツの個の動き和…まるで、熟練の剣士が憑依してい溜…!?」
よく分かんないけど…いける…いけるぞ!!この怪物をこのまま疲れさせて…隙を見て…逃げるしかない!!この勝手に守ってくれる謎の剣も…絶対に離すもんか…!!
《ブォンッッ》
「し…尻尾ぉお!?!? くっ…!!」
《カァンッッッ……》
し…しまったーーーーー…!!!
あいつの不気味な尻尾が一瞬で目の前に!!今の衝撃で剣が吹っ飛んでしまった!!!?言ってるそばから…!!自分のバカバカ!!!!
やっばぁい…どうしよう…絶体絶命ってやつだぞ…
「コレは…没収だァ…♡」
あの万能の剣が…あいつの手に盗られてしまった…
もう逃げ場がない…壁だけ残されて破壊されたこの逃げ込んだ墓石…自分の背じゃ飛び越えることは無理だ…あいつに背中も見せるし…そんな時間は一秒も足りない。
タダでさえ…タダでさえ…怪力のあいつに…あんな剣使われたら…
「刺身にしてやるぁああああああああ!!!!」
「……ひぃ……っっ…!!!!」
《ズバッッッ》
………。
………………………。
あれ……? 痛く…ない……??
「な…なんだ亜…!?!? その髪の毛は……!?!?」
「……へ……?」
《ぎゅうううううう………》
た…大変なことが起きているぞ…
やっぱり…おふだがあったから察しはついてたんだけど…
自分の…茅蒔の…髪の毛が…ニョロニョロ伸びて…あいつの攻撃を掴んで防いでる…!? 呪いの人形みたいにすんごく伸びてる…。
めっ…目の前の光景が…理解できない…
…まてよ…? あいつがパクった剣…“消えてる”ぞ…??
どこいった…?あの剣にひっついてた“緑色の炎”はどこいった…!?!?
「ココだよ」
「はっ………!?!?」
ふと、頭の中に響く声が…どこだどこだとキョロキョロするけど見当たらない…。その時、頭に違和感を感じた。なんだかひなたぼっこしたみたいな、ぬるい温かさが自分の頭に感じる…
って…まさかまさかだよね…?ちらっ…
「もっ……燃えとるーーーー!?!?」
大変だ大変だ!!!!
自分の…髪の毛がいま燃え盛っています!!!!!!緑色に燃えていますーー!!!
もしかして、あの剣の火が燃え移ったのか!?!?
って、待て待て!!それもだけど!声!!!あいつじゃない…別の声が聞こえたぞ…誰だ…!?誰なんだよ!?この緊急事態に…??!?
そんな感じで、パニックになりながらジタバタしてるとまた聞こえてきたんだ。あの声が。
「動くな動くな…エネルギーの無駄だから」
まただ…また誰かが喋ってきた…それによく聞くと、自分と同じくらいの幼い感じの声だ。
それにしても、この謎の登場人物…もしかして、助けてくれてる…???動くなって言われても無理なもんだって!!頭が発火してるんだからね!!!でも髪の毛が燃えてるような焦げ臭いニオイも何もしない…。
…本当に何が起きてんだ…??
「君は……誰なの……?どこにいるの…??」
とりあえず…コミュニケーションをとろう。この怪物をやっつけてくれるかもしれない…この謎の声の主にどーにかしてもらうしかない!!
「だ〜か〜ら〜…ココだってば。キミの頭の上」
「はぇっ………?」
頭の上…まさか…まさか…この“緑色の炎”ーーーー…!?炎が喋ってる!?!?
いま頭を燃やしちゃってくれてる…こいつ!?!?
「貴様……オレの同類か……?」
「同類……“有象無象”のキミと、このボクが…?」
あいつが頭の上で燃えてる炎に、確かにそう言った。あいつとおんなじ同類…種族かな?それにしても、この頭の上の炎はまるで人間みたいに生きている…。そんでそんで、この火の玉みたいなやつはあの怪物に軽口を叩いてる…。
“うぞーむぞー”……?なんのこっちゃ…??
「こんなのにボクのお昼寝を邪魔されたとは…」
「お昼寝って…君はいったい何者…なの?やっぱり…ユーレイ?」
火の玉はボウボウと、おれの髪の毛に燃え広がりながら淡々と答え始めた。異常な光景すぎる…。
「ボクは『世界休め』…周りはそう呼んでた」
せかいやすめ…『世界休め』か。
人間の名前じゃないな。まさか、ホントに神さま的な…?この火の玉の姿だってそうだ。明らかにそうだ。とりあえず…!ここはこの世界休めとやらに助けを求めるしかないよね?
「自分の名前は茅蒔っていうの!世界休めさん!助けてくれない…?」
「え、ヤダ。だってキミ、ボクのこと叩き起こしただろ」
一つ返事で返されちゃった!!
って待てよ…“起こした”…!?起こしたってなんだ…?まさか、お墓を壊したから……?ってちょいちょい!自分は壊してないんだけど!?あの怪物に吹き飛ばされたから…ってまあ物理的にぶつかったのは自分だけど〜〜…!!
「ふじゃああ…なにを仲良く区っちゃべっ手いる…?そこの頭の尾前も打…ふじゅるるるるおおお!!!!」
や、やばいっ…!!あいつを刺激しちゃった…!?どうするどうする……あの剣はあいつが持ってるし…
「キミがキミ自身で自分を守りなよ。──そうしてあげたから」
「え…してあげた? どーいう…こと??」
「ぷじゅおおおおおおおおおお!!!!!」
くそっ…!!あいつ…どんだけしつこいんだ!!
もう…知らないぞ!!もう抵抗する体力なんてないぞ!!
《ガシッッッッ》
「なっ…又…防ぎやがったの可…!!」
───!!
まただ、また自分の髪の毛が勝手に…そうだ…冷静に考えたら、あの剣もだけど…この自分の髪の毛も…自分…この茅蒔を過保護に守ろうとしてくれてる…。なんだ、何が起こってるんだ…この火の玉の言った通りに…
自分が…自分を守っている…!?!?
「“ソレ”はボクのステレオ能力…『我が身可愛さ』だよん。 コレ、貸してあげるからこの場はどーにかしてみなよ」
「はぇ…!?ステレオ!? さいこっ!? 貸すっっ??!」




