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③ 『我が身可愛さ』…?


「サイコ…ガードぉ…?」

「そう…その能力──『我が身可愛さ(サイコガード)』は自衛念力によって、キミがキミ自身を自動的に守るように設定してある」

「よ…よく理解が追いつかないけど…助けてはくれるんだね…!!よ…よしっ!!」


 このサイコガードなる謎の守りの力…超能力…だよな…?そうだよね?正直、半信半疑だったけど…あのバケモノやこの喋る火の玉が居るくらいだ。ますますこの謎のジャングルが謎に包まれてしまった…けれど、今はこの超能力に頼るしかないよな。

 それに“貸した”って言ってた…超能力って、貸せるものなんだ…??

 ま、まあいいや!!使えるものは使わせてもらうよ!!死にたくないからね!!!


 《カァンカンカンカン!!!》


「す、すっげぇ〜!!剣士みたいだ…!!でも…衝撃で腕の痛みが…」


 その時だ、そんな自分の思いのたけが通じたのかは分かんないけど、またまた奇妙なことが起きたんだ。


 《ぱしっっ》


 今度は、先ほどから自分を守ってくれてたあの髪の毛が、右手から剣をひったくって代わりに持ってくれたんだ…。凄い光景だよ…念力とかなんとか言ってたけど、こういうことか…!勝手に、自動的に守ってくれるチカラ…!!

 すごいぞ!なんだか興奮してきちゃった!!!


「く…(ク )()ッッッ…奇利(きり)が無いッッッ…!!!」

「す…すっげ…」


 自分の目には全く見えない…それどころか激しい音や衝撃で目を何回もつむってしまってるのに、この髪の毛は健気に自分を守ってくれる…。

 さっきはニョロニョロうごめいてて、キモいとか思っちゃったけど…なんだか頼れるし、愛着も湧いてきたぞ…!!頑張れ!髪の毛さん!!


 《ガギン…キィインン!!!》


 すごい攻防だ…かといって、この剣…いや、“能力”の方だね。この能力は攻撃行為はしない…守ることだけに特化してるみたい…。だからか、守ることに関してはスペシャリストだ…!

 体力を使ってない自分に対して、あの怪物の方は肩で息をしだした。そうとう、イライラしてるんだろうなあ〜…こんなちっこい子どもに、何回も自慢の攻撃を跳ね返されてるんだから。


「そろそろ、幕引きにするか。キミ、右手をリラックスさせて尚且つ、力を込めてみて?」


 しびれを切らしたのか、()からの指示が来ましたよ……って、難しい注文だなあ…!脱力しながら力を入れろってこと…??

 まあ、言われた通りにするか…


「こ、こう……?」


 ──その時だ。

 このジャングルになんて言えばいいのか、難しいんだけど…“やすらぎ”…?みたいなパワーというか…オーラみたいなのが満ちあふれた…気がしたんだ。自分の右手から発生してるのだろうか…?これはさっきの守りの力とはまた違うのかな…?


「ふ…ふじょ……!?!?なん()…このチカラは……!?」

「『世界休め』の名も知らないルーキーじゃ無理もないね。そのまま、永遠に寝ときな…?」


 火の玉、世界休めさんはそう告げると、あの怪物はなんだか動きが鈍ったみたいに、オロオロしだした。

 何が起きてるんだ…?てっきり、力を込めろって言うからさ、必殺技みたいなものが出てくると思ったんだけど…なんというかこれ、相手をリラックスさせてる…???あんなに暴れまわってたのに、あんなに怖かったのに、今じゃ子犬みたいに大人しくなってしまった。


「や…野滅露(やめろ)……そ、存在が消え…()………!!!」

「そうしてんだよ」

「ふ…ぷじょおおおおおお!!!!!」


 ──!?

 あいつのカラダが、分解されるみたいに…空気中に溶けていくように…消えかかってきた…!?

 まるで…まるで、ユーレイが成仏した時みたいな…どんどんと透明になっていくんだ。まあ、そんなの映画とかでしか見たことないんだけど…。

 とにかく!もう上半身しか残ってないけど…!?

 そして最後に残った大きな口でひとこと。


「グゾッ……緑の…ガキ……」


 捨て台詞を吐いて大きな大きな、オオカミのような姿をした怪物は消えてしまった…。

 “なにもしてない”のに、だ。


「死んじゃったの…?」


 あいつは完璧に消えた。

 おそるおそる聞いてみた。頭の上の火の玉に。


「“死”じゃない、“浄化”だよ。休みをあげたんだ、この苦しい世界からね」

「浄化…なるほど、わっかんないけど…そういうことにしとこ…」


 死でなく、浄化。

 この火の玉はそう語った。けれど、あまりにもあっけなくあの怪物がいなくなったもんだから、おれは次はこの火の玉が怖くなってきた…。

 あの守る力とは別の謎の力だ…。もしかして、自分も…


「消すの…?自分…のことも…」

「消さない」


 またまた一つ返事。

 なぜ?、と問い出そうとしたら先にこの火の玉から話し出した。


「キミは…ボクを起こしたからね。仕事が残ってる」

「めっちゃ根に持ってるなあ…仕事かぁ…仕事って、まさか魂を集めろ…とか?」

「なにか勘違いをしているようだけど、ボクはそーいう存在じゃない。“集める”という点においては奇跡的に合ってるけど」


 な、なら…どーいう存在…??

 てっきり死神かなんかだと思ってたんだけど…火の玉だしなぁ〜…

 にしても『集める』ことは合ってんのか。うーん、宝探しとか…かな?

 いや、絶対違うな。うん。

 あ、そういえばこの苦しい世界とかなんとか、そーいうセリフ言ってたな。いい機会だし、この世界のことを聞いておくか…


「そういえば!この世界ってさ!なんなの?!さっきみたいな怪物もいるし!君みたいな火の玉もいるしさ! …目が覚めたらココにいてさ…自分自身のことも全くわかんないしさ…」

「なるほど、流霊(りゅうれい)だったか。ま、面倒くさいけど教えてあげるよ。ココは『ジパング』といってね…。 まあカンタンな話…死後の世界だ」


「なるほどなるほど、死後の世界かぁ〜……って…」


 はぁああああああーーーーーー!?!?


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