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おだんご太平記  作者: 東のマ王


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9話

勘十郎「はぁはぁ、信長にいちゃん、はい。どうぞ」


 大急ぎで茶室を出しておだんごを作って来るとさっきの所で待っていた信長にいちゃんにおだんごの乗った皿を差し出してあげました。


信長「んっ? それはだんごか?」

勘十郎「うん、いま作って来たの」


 僕が差し出した皿を見ながら信長にいちゃんがそう話したよ。


信長「作ったって……いや、それにしてもずいぶん小さなだんごだな」


 信長にいちゃんはそのおだんごを見ながらそう話しました。

 今まで食べていたおだんごは一つが卓球の球くらいの大きさをしていたから僕の作ったこのスーパーで売っているようなおだんごはかなり小さく見えても仕方ないのかな。


勘十郎「小さいけど美味しいの」

信長「まあなにも食えないよりは少しはマシか」

勘十郎「うん、食べて食べて」

信長「そうか。なんだか見た事のない物が上にかかっているが……くんくん、確かに美味そうな匂いがするな。では貰うか。ぱくり……なっ! ぱくぱくぱく……」


 信長にいちゃんはそう話すと僕の出したみたらし団子を一口食べると驚いたような顔をして、皿の上に残っていた二つの串の方も手で掴み3本同時に夢中になってパクパクと食べ始めました。

 凄い! いっぺんに食べちゃうなんて、信長にいちゃんワイルドだぜー。


信長「あぁあ、美味かった。なんだコレは、こんなだんごは初めて食ったぞ」


 お皿の上に乗っていた3本の串をあって言う間に全て食べ終え信長にいちゃんがそう話したよ。


勘十郎「どう? お腹いっぱいになった?」

信長「少しはマシになったが、こんな小さなだんごじゃ流石に腹いっぱいとまではいかないな」

勘十郎「そうなんだ。それならもっと作って来るね」

信長「おい、勘十郎。あまり無茶な事はするなよ」


 もっと信長にいちゃんにおだんごを食べさせてあげないと。

 急げーーーー。

 僕は信長にいちゃんの心配そうな声を背中で聞きならがら茶室を出したさっきの部屋へと走って行きました。


勘十郎「はぁはぁ、お待たせしました。はいどうぞ」


 僕は大急ぎでおだんごを作って来ると再び縁側で待っていた信長にいちゃんに差し出してあげました。


信長「今度はふた皿って……そんなに盗んで来て大丈夫なのか?」


 僕が差し出した皿を見て信長にいちゃんは少し驚いた顔をしてそう話したよ。


勘十郎「僕が作って来たのだから盗んだ訳じゃないよ」

信長「作ったって、またソレか……まあ叱られるのはたぶん俺だから構わないか」

勘十郎「僕が作った物だから信長にいちゃんが叱られる事はないよ?」


 そんなありえない事を心配するなんて信長にいちゃんは心配性なのかな?


信長「まあこうして持って来てしまったのだから食べさせて貰うがな」

勘十郎「うん、食べて食べて」


 信長にいちゃんに喜んで貰えるかな?


信長「と言うか、今度のはさっきのとは上にかけてある物が違うのだな」

勘十郎「うん、同じのだと飽きちゃうかも知れないから別の物にしてみたの」

信長「そうか、この茶色いヤツはもしかしてあんこか?」

勘十郎「そう、美味しいよ」


 ふた皿持って来た片方の皿を見ながら信長にいちゃんがそう話したよ。


信長「まああんこが美味いのは間違いないが、なら貰うか。パクリ……なっ! コレは!! ぱくぱくぱく……」


 信長にいちゃんは一口あんこの団子を食べると一瞬驚いた顔をして、また残っていた2本の串も掴むとパクパクと食べ始めました。

 信長にいちゃんワイルドだぜー。


信長「美味い、なんだコレは……ぱくぱく……あぁあ、美味かったぁああ」


 またまたあっという間におだんごを食べ終えて信長にいちゃんがそう話したよ。

 信長にいちゃん本当にお腹が減っていたんだね。


勘十郎「もう一皿あるからコチラもどうぞ」


 今の食べ方を見るとまだお腹いっぱいになってないのかも知れないので僕は残っていたもう一つの皿の方も差し出してあげました。


信長「んっ? なんだソレは?」


 僕が差し出したお皿を見て信長にいちゃんがそう尋ねてきたよ。


勘十郎「コレは胡麻ごまのおだんごなの」

信長「胡麻ごまって……そんなモノが美味いのか?」


 これまたこの時代では斬新的な組み合わせの黒い胡麻ごまが上にかかったおだんごを目にして信長にいちゃんは首を傾げながらそう話しました。


勘十郎「コレも美味しいよ」


 僕的には1番好きなのがみたらし団子で2番目がこの胡麻ごまのお団子で3番目があんこの団子って順だから美味しいのは間違いないよね。

 僕はまだこの胡麻のおだんごは食べてないのだけどね。


信長「まあ食えない訳ではないか。一応ソレも貰っておくか。……ぱくり……な、なんだコレは! スゴく甘いぞ!」


 信長にいちゃんは一口食べると驚いた顔をしてそう話したよ。


勘十郎「ねっ? 美味しいでしょう?」

信長「確かに美味いがなんで胡麻ごまがこんなに甘いのだ?」

勘十郎「砂糖を使っているから甘くなっているの」

信長「砂糖って、そんな贅沢な物をだんごに使っているのか」


 信長にいちゃんが胡麻ごまのソースがかかったおだんごをマジマジと見ながらそう話したよ。

 値段は知らないけどそもそも見た事がないから買おうとしたら高いのかな?


勘十郎「うん。さっきのあんこの団子と最初のみたらし団子にもお砂糖が使ってあるの」

信長「マジかぁあ、それであんなに甘い味がしたのか」

勘十郎「そなの」

信長「むっ、もしかしてオヤジとお袋はコレを俺に食べさせるのがもったいなくて俺をメシ抜きにしたのか?」

勘十郎「えっ、そんな事はないと思うけど……」


 父上と母上には僕がおだんごを作れる事は教えてないし作ってあげてないからソレはないよね。

 

信長「勘十郎は食べたのか?」

勘十郎「僕は最初のみたらし団子とあんこのお団子は昼間作った時に一つづつ食べていたの」

信長「そうなのか」

勘十郎「うん、そのあと胡麻ごまのお団子を作ろうとしたら倒れちゃって胡麻ごまのはまだ食べてないんだけどね」


 見た感じたぶんコレもスーパーで売っている1パック3本入りで98円のお団子みたいな気がするけど、明日作って食べてみようかな。


信長「そうなのか。ってかコレって俺が叩いたせいで勘十郎が倒れた訳じゃなくてだんごを作るか運ぶ手伝いをさせられてその時になにかにつまづいて転んだとかそんな事で倒れたんじゃないか?」


 魔法を使い過ぎて倒れたのだと思うけど僕が魔法を使える事は秘密だから信長にいちゃんには言えないの。

 お寺に連れて行かれるのはイヤだしね。

 

勘十郎「よく分からないけど、おだんご食べて」

信長「むっ、そうだな。そう言う事なら遠慮なく貰うとするか。ぱくぱく……」


 信長にいちゃんはそう話すとまた3本同時に掴んでパクパクと食べ始めました。

 信長にいちゃんワイルドだぜー。


信長「ふぅ〜〜、食った食った」


 信長にいちゃんがお団子を食べ終えて満足そうにそう話したよ。


勘十郎「どう? お腹いっぱいになった?」

信長「んー、満腹とまではいかないがかなりマシになったな」

勘十郎「そう、もう一皿持って来ようか?」

信長「いや流石にこれ以上はマズイ気がするし、我慢できなくなったらキュウリとかナスとか適当に探して食うから大丈夫だ」


 信長にいちゃんがそう話したよ。

 キュウリにお塩をかけて食べるのってシンプルだけど美味しいんだよね。


勘十郎「なんだか僕もキュウリが食べたくなっちゃった」

信長「そうか。なら一緒に探しに行くか」

勘十郎「うん!」


 やったー。信長にいちゃんと一緒なら暗い部屋の中でも怖くないよね。


信長「キュウリとかが置いてありそうな場所はコッチか、勘十郎行くぞ」

勘十郎「うん」

信長「あと、勘十郎ありがとうな」

勘十郎「えっ、なにが……わわわ」


 信長にいちゃんが僕の頭を手でポンポンしてくれました。

 うふふ、頭を撫でられるのって気持ちよくて好きーー。


信長「よし、それでは行くぞ」

勘十郎「はーい」


 僕と信長にいちゃんはそのまま一緒に歩いて行きました。

 なんだか夜の冒険をしているみたいでちょっとワクワクしちゃうよね。

 暗くて少し怖いけどでも信長にいちゃんと一緒なら平気なの怖くないかも。

 月明かりに照らされた縁側を僕と信長にいちゃんは並んで進んで行きました。

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