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おだんご太平記  作者: 東のマ王


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8話

勘十郎「……うーん、あれ? なんで僕は寝ているのかな?」


 ふと目を覚ますと布団にくるまって寝ていました。

 オカシイな。お昼寝をしていたのならこんなにシッカリお布団の中で寝ている筈はないし、夜のご飯を食べた記憶もないからなんで僕は寝ていたのだろう?

 意味が分かりません。


ちよ「若様気がつかれましたか?」


 そんな僕の脇からチヨの声が聞こえて来ました。


勘十郎「ええと、僕はなんで寝ているの?」


 こう言う時はチヨに聞くのが1番だよね。

 と言う訳で僕はそう尋ねました。


ちよ「よかったぁあ。いくら声をかけても目を覚まして貰えなかったので、本当にどうなる事かと心配していたのです……よかったぁああ」


 チヨがホッとしたような顔をしてそう話しました。

 あれ? なんだか心配をかけていたのかな?

 チョット涙ぐんでいるみたいだし。

 ええと……あっ、そうか。僕はおだんごを作ろうとして、そのまま倒れてしまったのか。

 ようやく寝ている理由が分かったよ。


勘十郎「心配させてゴメンなさい」

ちよ「それは構わないのですが、どこか体の具合が悪いとか気分がすぐれないとか、おかしなところはありますか?」

勘十郎「大丈夫、もうなんともないよ」


 まだ頭が少しボォーーとしているけどコレは寝起き直ぐで頭がボンヤリしているだけかも知れないし、それ以外は特にオカシナところはなさそうだから大丈夫みたいだね。

 

ちよ「そうですか。うーん、お熱もなさそうですし、大丈夫かしら」


 チヨが僕のおでこにおでこをくっ付けてそう話しました。

 そんなに顔を近付けられたら僕照れちゃうぜ。

  

ちよ「ふぅ〜〜、急に若様が倒れてしまったので驚いてしまいました」

勘十郎「はい、心配させてゴメンなさい」


 僕が大丈夫らしいと分かったのかチヨが体を離してそう話したので僕はそう答えました。

 ほんとにごめんねー。


ちよ「若様がご無事ならそれで良いのですが。あっ、そうだ。奥方さまも心配されていたのでお知らせしないと、若様直ぐに戻って来ますからこのまま休んでいてくださいね」

勘十郎「はーい」


 チヨはそう話すとパタパタと僕の部屋から出て行きました。


勘十郎「とは言えなんで僕は倒れてしまったのだろう?」

勘十郎「うーん、急に魔法を使ったからソレで疲れてしまったのかな?」


 今まで魔法を使った事なんて一度もないしソレ以外の理由も思い当たらずそう言う事かと考えて僕はもう少しこのまま寝ている事にしました。

 あーー、お布団の中でゴロゴロするのって温かくて気持ちいい。

 寝ていて良いと言うのならいくらでも寝ていられそうな気がするよね。

 と言う訳でおやすみなさい。

 僕は再びスヤスヤと眠り始めました。


 ◇◇


勘十郎「うぅう、トイレに行くのってチョット怖いよね」


 早い時間に寝てしまったせいか夜遅くトイレに行きたくなった僕はその帰り道辺りを見回しながらそう呟きました。

 いやだって、この時代ってスイッチ1つで灯りが点いたり懐中電灯がある訳じゃないから月明かりの縁側を歩いて部屋から行ったり来たりするしかなくて暗くて怖いのよ。

 オマケにトイレの中なんて真っ暗なんだもの怖くてたまりません。

 僕は5歳児だから仕方ないよね。


勘十郎「あれ? 誰かコッチに来るような……いやぁああ! オバケぇええ」


 正面の方から誰かがコッチの方にフラフラ歩いて来るのが見えて僕はプルプル震えながらそう叫んでしまいました。


信長「なんだ勘十郎か」


 正面から歩いて来た誰かがそう話したよ。


勘十郎「あっ、信長にいちゃんでしたか。よかったぁああ」


 オバケじゃなくてホッと一安心です。


信長「だから俺は吉法師だと言っているだろう」

勘十郎「あっ、そうでした。ごめんね。吉法師にいちゃん」


 ついつい信長にいちゃんになっちゃうよね。


勘十郎「吉法師にいちゃんもオシッコ?」 

 

 信長にいちゃんもトイレに行くのだったらもう少し待っていれば良かったー。

 そうすれば一人であんな怖い思いをしなくて済んだものね。


信長「いや、俺は腹が減って目が覚めてしまったんだ」


 信長にいちゃんがお腹の辺りを手でさすりながらそう話しました。


勘十郎「吉法師にいちゃんはお腹が減ったの?」

信長「ああ、オマエを強く叩き過ぎたからオマエが倒れたんだってオヤジとお袋にこっぴどく叱られてな。それでメシを抜きにされてしまったんだ」

勘十郎「そうだったんだ」


 僕は今夜はお部屋でチヨが運んで来てくれたご飯を食べていたからそんな事になっていたなんて、ちっとも知らなかったよー。


信長「全く俺が子供の時は身体中に青アザが出来るまでオヤジにボコボコにされていたって言うのに、オヤジもお袋も勘十郎には甘いよな」

勘十郎「なんかゴメンなさい」


 ってかコレって僕が倒れたのは信長にいちゃんのせいになっちゃったのか。

 信長にいちゃんゴメンねー。


信長「まあ叱られるくらいは慣れっこだから構わないが、腹が減るのはたまらん。なにか食える物が残っていれば良いのだが……」


 うん、お腹が減ると悲しくなっちゃうよね。

 あっ、そうだ!


勘十郎「信長にいちゃんはお腹が減っているの?」

信長「ああ、いや俺の名前は吉法師だがな」

勘十郎「そうなんだ。それじゃあ僕が作って来るからココでチョット待っていてね」

信長「なに? 作って来るってどう言う事だ?」

勘十郎「直ぐに戻って来るから待っていてね」

信長「おい、勘十郎どこに行くんだ?」


 僕はそう話すとその場から走り始めました。

 急げーー。

 信長にいちゃんにおだんごを食べさせてあげるんだ。

 急げーー。

 僕はそのまま誰も使っていない部屋の中へと入って行きました。

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