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おだんご太平記  作者: 東のマ王


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7話

勘十郎「こんな所かな。はい、どうぞ」


 楽しくてついかき混ぜ過ぎてしまったけど良い感じに抹茶が混ざったみたい。

 僕はさっきと同じくチヨの前にその茶碗を置いてあげました。


ちよ「さっきのとは随分違いますね。それではいただきます。こくり……あら、コレは」


 チヨは差し出されたお茶を一口飲んで少し驚いた顔をしてそう呟きました。


勘十郎「どう? さっきのよりはマシになったと思うけど」

ちよ「そうですね。チャント味がして少しニガイけどほんのり甘味もあって、コレがお茶なのですか」


 チヨが少し感心した様にそう話しました。


勘十郎「えっ、甘いの?」

ちよ「はい。ニガイのはニガイのですが、甘味もあって美味しく思えます」

勘十郎「そうなの? チヨのを飲ませて貰って良い?」

ちよ「えっ、はい、どうぞ」


 甘いと言うのがよく分からなくて僕はチヨのを飲ませて貰う事にしました。


勘十郎「それじゃあいただきます。こくり……あっ、ホントだ。確かに甘い感じがするよ」


 チヨのを飲むと確かに甘味も感じられて僕のモノより美味しく思えました。


ちよ「はい」

勘十郎「それにこっちの方が抹茶って感じがするし、そうかコレが正しいお茶の入れ方なのか」


 しゃかしゃかかき混ぜるのが楽しくてついかき混ぜ過ぎてしまったけど、この泡が多いチヨの方が断然抹茶らしくて美味しく作れたみたい。


ちよ「そうなのですか?」

勘十郎「うん、僕も一度飲んだ事があるだけだから量とか作り方が良く分からなかったけど、チヨのコレの方が抹茶らしい気がするの」


 昔、修学旅行で京都に行った時にドコかのお寺で抹茶を飲んだ事があったけど、その時に飲んだお茶に近い気がします。

 後にも先にも抹茶を飲んだのはその一度だけで忘れていたけどコレが抹茶の正しい入れ方なのかな。

 ただしゃかしゃかするだけじゃないのね。

 

ちよ「そうだったのですか」

勘十郎「僕の方もダメって訳ではないのだけど、抹茶と言うのならチヨの方が近いと言うか正しいみたい」


 僕のはお茶っ葉で急須きゅうすでお茶を入れたのに近い感じでチヨのはチャント抹茶でお茶をたてた感じ。

 高校の時に茶道部みたいなモノがあったけどアレってタダお茶を飲んでお茶菓子を食べて楽しくお喋りするだけの部活なのかと思っていたけど、お茶を美味しく入れるのは意外と難しからソレであんな部活があったのかといま思いました。


ちよ「そうなのですか」

勘十郎「うん。あー、でもこうしてお茶を飲んでいるとお茶うけと言うかお菓子が食べたくなっちゃうね」


 チラッとお菓子の事を考えた所為せいかお茶だけでは少し物足りないと言うか何かを摘んで食べたくなっちゃった。


ちよ「そう言われるとチヨも少しお腹がすいたような気がします」

勘十郎「だよね。お菓子とかドコかにないかな?」


 こんなに立派な茶室があるのだからお茶菓子もどこかにないかと僕はその机の周りを探してみました。


ちよ「なにかオヤツを貰ってきましょうか?」


 お茶は兎も角お菓子までその部屋にあるとは思えずチヨがそう僕に話したよ。


勘十郎「うーん、あっ、あった。そうかココでお茶菓子を作るのか」

ちよ「えっ? 若様がお菓子を作るのですか?」


 僕の話を聞いてチヨが驚いてそう尋ねてきました。


勘十郎「うん、このお茶碗が入っていた上の引き出しでお菓子が作れるの」

ちよ「えっ、そんな小さな所で何かを作れるのですか?」

勘十郎「うん。ええと、こうして……ドォーーン! はい、できました」


 あっという間に作業が終わりお菓子を作る事ができました。


ちよ「えっ? できたって……」

勘十郎「と言う訳で、はい、召し上がれ」


 僕は作り終えたソレをチヨの前に置いてあげました。


ちよ「えっ、コレはお団子ですか?」


 僕が置いたお皿の上に乗っている物を目にしてチヨが少し驚いた様にそう話しました。


勘十郎「うん、そだよ」

ちよ「この串団子はその小箱の中に入っていたのですか?」

勘十郎「うぅん、いま僕が作ったの」

ちよ「作ったって……」


 チヨは信じられないと言った顔をしているけど、この上の引き出しは創造魔法みたいな感じで霊力を流し込むとお茶うけのおだんごやお菓子が作れる仕組みになっているの。

 やったー! コレでいつでもおだんごが食べれるよ!


勘十郎「と言う訳でどうぞ」

ちよ「どうぞと言われても、こんなお団子は初めて見ましたが、このお団子にかかっている茶色い物はなんですか?」

勘十郎「それはみたらし団子なの」

ちよ「みたらし団子ってなんですか?」

勘十郎「お醤油と砂糖とみりんを煮詰めて最後に片栗粉でトロミを付けたタレをかけた物なの」


 みりんは入れても入れなくてドチラでも良いらしいけど、作り方自体は大体そんな感じです。


ちよ「えっ、若様が作ったのですか?」

勘十郎「そうだよ。って僕そう言ったよね?」

ちよ「そうですけど、作り置きとかしていたのかしら?」


 まあ一瞬でできたからそんな風に思われても仕方ないのかな。

 本当にいま作った物なんだけどね。


勘十郎「と言う訳で、どうぞ」

ちよ「ええと、それではいただいます。……ぱくり」


 チヨはそう話すとおだんごを一口食べました。


勘十郎「どう? どう? 美味しい?」

ちよ「なっ! これは、凄く美味しいです! ぱくぱく……」


 チヨはそう話すと夢中になっておだんごを食べ始めました。

 うん、そんなに喜んで貰えたら作った甲斐かいがあるよね。

 でも、チヨを見ていたら僕も食べたくなってきちゃった。


勘十郎「チヨ1つ貰って良い?」

ちよ「ぱくぱく……あっ、はい、どうぞ」


 チヨの了解を貰ったので僕も1つ貰う事にしました。

 3本あるから1つ貰うくらいは良いよね。


勘十郎「と言う訳で、いただきます。ぱくり……んー、美味しい♪」


 久しぶりに食べたみたらし団子はとても美味しいモノでした。

 食べた感じはスーパーとかで売っている1パック3本入りで98円とかで売っているアレとほとんど同じ味だけど、コレで十分と言うか十分美味しいよね。ぱくぱく……。


ちよ「あぁあ、こんなに美味しいお団子は初めて食べました」


 一本食べ終えチヨがそう話しました。


勘十郎「ねっ、美味しいでしょう?」

ちよ「はい、凄く美味しかったです」

勘十郎「そう、と言うかあと一本残っているからチヨが食べて良いんだよ?」

ちよ「えっ、チヨが食べて良いのですか?」

勘十郎「うん、コレはチヨに出した物だからチヨが食べて良いの」

ちよ「あぁあ、そんな、若様ありがとう……ぱくぱく、あぁ美味しい」


 遠慮をしていたのか僕がそう話すとチヨが嬉しそうに残っていたおだんごを食べ始めました。

 うん、この時代にも串団子はあるけど基本的にお醤油とかお味噌を塗って火であぶった物とかただ串に刺したおだんごを火であぶっただけ、そのくらいの物しか今まで食べた事はなかったからチヨがこんなに夢中になって食べるのも分かる気がするよね。

 んー、この甘くてお醤油の風味が効いたこの味は癖になっちゃうよね。ぱくぱく……。


勘十郎「ふぅ〜〜、美味しかった」

勘十郎「と言う訳で僕の分も作ります。ドオーーン!」


 小箱の底に手を当てて霊力を流し込むだけだから簡単に作れてしまいます。


勘十郎「と言う訳で、できあがり」


 僕はお皿に乗った僕の分のおだんごをその中から取り出しました。


ちよ「あら? 若様のはコレとは違うのですね」


 僕が取り出した皿を見てチヨがそう話しました。


勘十郎「うん、コレはあんこのお団子なの」

ちよ「ええー! お団子にあんこを乗せてしまったのですか!」


 これまたこの時代では考えられない斬新な組み合わせの作り方をしたおだんごを見て驚いたのかチヨがそう話しました。


勘十郎「コレも美味しいよ?」

ちよ「美味しいのは美味しいのかも知れませんが……」

勘十郎「チヨも1つ食べてみる?」

ちよ「えっ、チヨが貰って良いのですか?」

勘十郎「うん、さっきチヨのを1つ貰ったからお返しなの」


 何事も貰いっぱなしは良くないよね。

 と言う訳でチヨにも1つ分けてあげる事にしました。


ちよ「それではいただきます、あぁあ! なにこれー! 凄く甘くて美味しいわ!」


 チヨが一口食べて驚いた様にそう話しました。


勘十郎「そう? それじゃあ僕も、ぱくり……ん〜、美味しい♪」


 味自体はコチラも3本入り98円のあんこのお団子と同じだけど、このあんこのお団子も凄く美味しいね。


ちよ「あぁあ、こんなあんこは初めて食べました。なんでこんなに甘いのかしら……ぱくぱく……」


 チヨはあんこのお団子を気に入ったのか上に乗っているあんこを夢中になって食べているみたい。

 あんこ自体は食べる事はあるけど僕の出したコレの方が断然甘くて美味しいよね。

 でもチャントおだんごの方も食べてね?


勘十郎「僕のコレには砂糖が使ってあるからソレで甘いの」

ちよ「そうなのですか、砂糖って凄いのですね。ぱくぱく……」


 そう言えば砂糖も見た事がないかも。

 この時代はまだ砂糖が一般的な物じゃなくてほぼ外国から輸入した物しかないらしいからソレは仕方ないのだけど。

 ただ小豆を煮て作ったあんこよりも砂糖を入れて作った方が断然甘くて美味しくなるよね。

 

ちよ「あぁあ、あっと言う間に食べてしまいました」


 あんこのお団子を1串食べ終えチヨがそう話しました。

 ってか、残っている1つをチラチラ見ているのだけど……。

 仕方ない。


勘十郎「ソレもチヨが食べて良いよ」

ちよ「えっ、食べて良いのですか?」

勘十郎「うん、僕はまだ食べ終わってないしまた作れば良いだけだからソレはチヨが食べて良いよ」


 えへん。僕は優しい男の子なのです。


ちよ「若様ありがとう。あぁあ、凄く甘くて美味しいです。ぱくぱく……」


 チヨはそう話すと残っていたあんこのお団子を嬉しそうに食べ始めました。

 んー、いつの時代でも女の子は甘い物が好きなのかな。


勘十郎「ふぅ〜〜、ごちそうさま」

勘十郎「それじゃあもう一皿作っちゃおう」

勘十郎「それでは、ドォーーン! ……あ、あれ?」


 なんだろう急に頭がクラクラして、あっ、ダメ……。

 僕は起きている事ができなくなってその場で倒れてしまいました。


ちよ「えっ? 若様どうしたのですか?」


 急に倒れ込んだ僕を見てチヨが驚いたみたい……。

 あぁあ、ダメ、目を開けているのも辛くて無理そう……。


ちよ「若様! しっかりしてください! だ、誰か来てぇえええ!」


 チヨの慌てた声を聞きながら僕の意識は遠のきそのまま深い眠りに落ちて行きました。

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