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おだんご太平記  作者: 東のマ王
2章 立派な武士になれるように頑張っていたら仲間が増えたよ。

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2ー21話

村人A「きゃああああ!」

村人B「うわぁあああ!」


 いきなり現れて襲って来て山賊たちから逃げ惑いながら村の者たちがそう叫んでいた。


山賊の頭「よしお前ら! 村中の金と見栄えの良い女をかっさらえ、抵抗する奴は遠慮なく叩き殺せ!」


山賊たち「「おう!」」


 馬に乗って村人たちを蹴散らしながら山賊の頭が手下の者たちに向けてそう叫んだ。


山賊A「頭、この村にはろくに戦えるヤツはいねぇみてえですね」


山賊の頭「そうだな。ただこうして暴れてやるだけで金と女がたんまり手に入るんだ。こんなに楽な事はないな。あはははは」


 村人たちを蹴散らしながら山賊たちはそう話した。


勝家「貴様ら! やめんか! ココは織田弾正様の領地であるぞ! 無法な真似は許さんぞ!」


 あたりの騒音を掻き消すほどの大声で勝家がそう叫びました。

 うわ、スゴい声、耳がキーンとしちゃったよ。

 あまりの大きな声に驚いて僕は思わずそう心の中で呟きました。


山賊の頭「おっ、随分と体がデカいヤツが居ると思ったら侍か?」


勝家「織田家家臣、柴田勝家である! これ以上村を荒らす事は儂が許さん! 大人く縄につけ!」


山賊の頭「はん、そんな名前のヤツなど俺は知らねぇな。誰か知っているヤツはいるか?」


山賊A「知らねぇですね」


山賊の頭「ふぅーん。なら下っ端か、そんなヤツが来た所でどうにもなるまいにバカなのか?」


勝家「ふん、儂も人から鬼と呼ばれた男、この程度の賊の数などモノの数ではないわ。全てこの手で叩き斬ってやる」


山賊の頭「おー、それは怖いね」


勝家「このまま引けば命は助けてやらんでもないが、いかがいたす」


 勝家さんは多くの山賊の前に立ち全く臆する様子もなくそう話したよ。

 勝家さん、カッコイイ!


山賊の頭「命を助けてやるって、オメテが連れているのはガキと女だけじゃねぇか。そんなのでビビるヤツなんて居るはずねぇだろ。バカなのか?」


勝家「貴様らの相手など儂一人で十分だ。歯向かうようなら容赦せんぞ」


 勝家さんが刀を抜いてそう話しました。

 やだ、スゴくカッコイイかも。


山賊の頭「鼻息だけは荒いヤツだな。まあ良いそんなに言うのなら相手をしてやるか」


勝家「おう、どこからでも掛かって来るが良い」


 勝家さんは山賊たちを迎え撃つ姿勢を取りました。

 大丈夫かな? 少し心配だけど勝家さんは強いから大丈夫だよね?

 勝家さんの後ろで僕はそう呟きました。


山賊の頭「そうかよ。それじゃあ」バァーー!


 その時その場でそんな大きな炸裂音が響きました。


勝家「ぐっ……鉄砲だと……」


 えっ、ええー! なんでそんな物があるの!? そんなのズルイと思います!

 その山賊の頭はその手に火縄みたいな物を構えて勝家さんを撃ったらしく勝家さんが顔を歪めて左肩の辺りを手で抑えています。


山賊の頭「テメエみてえな面倒くさそうなヤツをマトモに相手にする訳がねぇだろ? 楽して勝つソレが俺のモットーだ」


勝家「ぐぬぬ……飛び道具とは卑怯な……」


 なんでこの山賊がモットーとか英語が使えるのか分からないけど、確かにズルいよね。

 コレは少しヤバいのではないでしょうか。


山賊の頭「とは言え、一発で死ななかった事だけは褒めてやる。まあもう一発撃ち込めば死ぬだろうがな」バァーーン!


 その山賊は後ろにいた仲間から別の火縄銃を受け取るとまたしても勝家さんに向けて弾を放ちました。


勝家「ぐぅううう……無念……」バタン。


 勝家さんは銃弾を受けてその場で倒れてしまいました。

 えっ、コレは大丈夫なの!?


ちよ「か、勝にぃいいいい!」


 チヨが慌てて勝家さんの側に駆け寄って行きました。


山賊の頭「ふん、死んだか。しかし二発も弾を撃つ事になるとは思わなかったが、随分とタフと言うかマトモに戦っていたら少しヤバかったかもしれねぇな」


 鉄砲を撃った山賊がそんな事を話しています。


山賊の頭「まあ良い。残りはガキ一匹と女が二人か……なかなか見た目の良い女だな、売れば高く売れるだろう。おい、誰かアイツらを捕まえろ」


山賊A「へい、頭。あのガキの方はどうします?」


山賊の頭「そうだな。良い服を着ているし良い家のガキかも知れん、その家から金を巻き上げる事も出来るだろしソッチもなるべく殺さずに捕まえろ」


山賊A「へい、頭」


 ぬぬぬ、勝家さんも心配だけどコレは少しマズイかも知れません。


山賊の頭「女子供の相手なら三人もいれば十分か。それじゃあお前とお前とお前でやれ、あとのヤツは村の中の金を集めるぞ」


山賊A「へい、頭」


山賊の頭「それじゃあ、お前ら行くぞ」


山賊たち「おう!」


 徒歩の山賊を三人残して山賊の頭っぽい人が手下を引き連れて村の方へと向かって行きました。

 ぐぬぬ、好き勝手にされて山賊たちが村の方に行くのを見ている事しか出来ないなんて悔し過ぎます。


山賊B「ガキと女の相手なんて、面倒くさえ事を頼まれたな」


山賊C「まあ頭からそう言われたら仕方ねえだろ」


山賊D「だが物は考えようだ。女の方はなかなか見た目がいいしチョット楽しませて貰う事にしようぜ」


山賊B「おっ、それもそうか。ソイツはラッキーだな」


 ぬぬぬ、この山賊たちはなんで英語が話せるのでしょうか?

 いやそんな事は今は関係ないですね。

 なんとしても村の人たちを助けないと。


勘十郎「桜! あの人たちをやっつけて!」


 その山賊たちは鉄砲を持っている訳じゃないし桜なら楽勝だよね。


桜「……………」


 しかし桜はその場から動きません。

 どうしたのだろう?


勘十郎「桜! あの人たちは悪い人なの! お願い! やっつけて!」


桜「……………」


 しかし桜は動きません。

 えっ、僕の言う事を聞いてくれるんじゃなかったの?


ちよ「サクラさんダメよ。若様の身の安全が一番なのだから若様から離れちゃダメよ」


桜「…………こくこく」


 えっ、チヨと桜がそんな事を話しています。

 そんなこのくらいの相手なら簡単に倒せる筈なのに、そんな事を言っていたら村の人を助けてあげる事ができないよ。


山賊B「おうおう、あのガキ、女を戦わせようとしているぜ?」


山賊C「まあガキだし、自分が言えばなんでも思い通りになるとでも思っているんじゃねぇか?」


山賊D「まあ良いとこのガキみてぇだし、家の中じゃそれで通用していたのかもしれねぇが、世間の厳しさってヤツを知らずに育ったんじゃねぇか。あはははは」


 くっ、確かにこの山賊の人たちの言う通り桜一人に押し付けて戦わせるのは違う気がします。

 それに桜は優しいから誰かと戦ったり争うのは嫌いなのかも知れないし、無理に戦わせのは違うのかもしれないね。


勘十郎「お前たちの相手は僕だ。僕が相手をしてやる!」


 僕は刀を抜いてそう叫びました。


ちよ「ちょ、若様、なにを言っているのですか! 危ない事はやめてください!」


山賊B「へぇー、あのガキ若様とか言われてんぞ。やっぱり良いとこのガキなんじゃねぇか?」


山賊C「おう、そんな物を引き抜いてどうする? 自分で自分を切っちまうじゃねぇか?」


山賊D「コレはちっとばかし世間の厳しさってヤツを教えてやった方が良いかもしれねぇな。はははははは」


 くっ、その山賊たちが僕を侮ってそんな事を話しています。

 確かに僕は子供だけどやる時はやるんだよ。

 なんと言っても僕は侍の父上の息子なんだから弱い者を守らなくちゃダメだよね。


勘十郎「村の人たちにひどい事をするのは絶対に許さないぞ」


山賊B「おっ、許さねぇって、どうするんだ?」


勘十郎「僕が相手をしてやる。うおおおおおおおお!」


 僕は刀を構えてその山賊たちに向かって行きました。

 コイツらを倒して村の人たちを助けに行かないと。

 僕は勇気を振り絞り走って行きました。


ちよ「ちょ、若様! なにをしているのですか! ソッチに行っちゃダメーー!」


山賊B「おっ、このガキやる気みてぇだぞ?」


山賊C「おーおー、元気のいい事で」


山賊D「面倒くせぇから殺しちまおうぜ」


 行くぞ! 僕だって今までたくさん剣の稽古をして来たんだ。

 こんな悪い人たちに負ける気はしないよね!

 僕は気合を入れてその山賊たちに向かって行きました。


山賊B「どうするよコレ?」


山賊C「どうするって、ボコって簀巻きにしておけばいいんじゃねぇか?」


山賊D「殺せば後ろの女も大人しくなるだろ、サクッとやっちまおうぜ」


 向かって来る僕を見ながら山賊たちにがそんな事を話しています。

 舐めないでよね! 僕だって一生懸命稽古をしていたんだから例え体の大きな大人だとしても負けないし容赦しないんだからね!


勘十郎「うおおおおおお!」


 僕はそう叫びながらその山賊たちに向かって行きました。


山賊D「ちっ、面倒くせぇな。サッサと終わりにしようぜ」


 山賊の一人が刀を僕の方に向けました。

 うおおおおおお! やってやるぜ! おおおおお!


山賊D「じゃあな、良いとこの坊ちゃん、自分のバカさ加減と俺たちに歯向かった事をあの世で後悔するんだな」


 来るか、行くぞ!

 うおおおおおおおおお!


ちよ「若様ーー!」

桜「………………」


山賊D「おらよ、死んどけ……ぐぼぉおおおお!」


 僕の剣がその男の間合いに入る寸前、その男がそんな事を叫びながら後ろに吹っ飛んで行きました。


桜「………………ふん」


 えっ? 桜が僕の前に立っています。

 いつの間に僕の前に来たのだろう?

 と言うか、コレは僕の前に立っていたあの男を桜が蹴り飛ばしてくれたのかな?


山賊B「な、なんだ? あの女いつアソコに来やがったんだ?」


山賊C「ってか、アイツやられてんぞ」


山賊B「女にやられるって油断し過ぎだろう。バカなんじゃねぇか」


 仲間の一人がやられた事に山賊の残りの二人は驚きながらそう話しました。

 桜も一緒に戦ってくれるのかな?


勘十郎「桜ー、残りの二人も倒してー!」


桜「こくこく……ふん」


山賊B「なんだ? ぐぼぉおおおお!」


山賊C「このアマ、ふざけん……ぐぼぉおおお!」


 桜は僕の言葉に頷くと残りの二人も蹴り飛ばして倒してくれました。

 スゴい、あっという間に倒しちゃったよ!

 桜の体がブレたと思ったら次の瞬間にはもう山賊たちが宙に浮かんで吹っ飛んでいたのだからコレは驚くしかないよね。


ちよ「サクラさん、スゴい……」


 その様子を後ろで見ていたチヨも驚いたらしくそう言葉を漏らした。

 いや、そんな事はどうでもいいですね。


勘十郎「村の人を助けに行くよー」


桜「? …………こくこく」


 山賊はこの三人だけじゃないし村に向かった山賊たちを倒すために僕は村の方へと走って行き行きました。


ちよ「チョット若様、ダメです! 今のうちにココから離れましょう!」


 後ろでそんなチヨの言葉が聞こえたけど僕は構わず村の方へと走って行きました。

 勝家さん、チョット待っていてね。アイツらを追い払ったら必ず助けに戻って来るからソレまで少し我慢していてね。

 地面に倒れて苦しそうにしている勝家さんの姿をチラリと見てそう心の中で思いながら僕は全力で村の方へと走って行くのでした。

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