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おだんご太平記  作者: 東のマ王
2章 立派な武士になれるように頑張っていたら仲間が増えたよ。

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2ー6話

ちよ「若様、あんなに簡単に安請け合いしてしまって大丈夫なのですか?」


 父上たち三人が僕の部屋から出て行くとチヨが心配そうな顔をしてそう話して来ました。


勘十郎「大丈夫、僕頑張る」

ちよ「頑張ると言っても毎日ですよ? ちょっとお殿さまも厳しいのじゃないでしょうか?」

勘十郎「大丈夫、信長にいちゃんも見回りを頑張っているのだから僕もそのくらいはしないとだよね」

ちよ「ソレとコレとは話が違う気がしますが……」

勘十郎「それに僕たちはお腹が減ったらいつでもおだんごとかお蕎麦を食べる事ができるけど、他の人たちはそう言う訳にはいかないでしょう? だからみんなにも食べさせてあげたいの」

ちよ「うぅん、若様が優しいのは分かるのですが、大丈夫なのかしら……」


 うん、鍛冶をしてご飯を作ってお勉強もしなくちゃならないからやる事がたくさんあって大変だけど、僕頑張るよー。

 今の僕にできる事はそのくらいだからできる事はやらないとダメだよね。

 だって僕は立派な武士になるんだものみんなの役に立つ男の子になれように精進あるのみです。

 僕は気合を入れてそう決意をするのでした。


 ◇◇


信秀「ちよ、アレはなんだ?」


 その夜、勘十郎が寝た後に屋敷の奥の間にやって来た私にお殿様がそう尋ねて来ました。


ちよ「なんだと言われてもお蕎麦としか答えられないのですが」


 呼び出しを受けた理由はヤハリそれかと思いながら私はそうお殿さまに答えました。


信秀「それは分かっているが、なんで勘十郎はあんな物が作れたのだ?」

ちよ「それは先日の戦の時に若様は凄く頑張ってお団子を作っていらっしゃったので、アレで若様が呼び出せる茶室がパワーアップしてあのような事が出来るようになったらしいです」

信秀「ぱわー、なんとかとはなんだ?」

ちよ「あっ、進化とか強化とかそう言う意味の言葉らしいのですが、茶室を呼び出す術が初級から中級に上達してああ言う物も作る事が出来るようになったらしいです」


 若様って最近なんだかよく分からない言葉を使う事が増えているんですよね。あれは天狗の国の言葉なのかしら?

 それは兎も角として、なんで初級とか中級とかハッキリ若様が分かるのか私には分からないけど若様から聞いた話だとそう言う事らしです。


信秀「ふむ、最初からああ言う事が出来た訳ではないのか」

ちよ「はい、その他にも作れるお団子の種類が増えたり、お風呂の方も初めは今みたいに下から泡が出る泡風呂とか脇からお湯が噴き出すジェットバスみたいな物もなかったのですがソレが増えたりと色々変化があったので色々見て回っていたらキッチンの所でお蕎麦とか食事を作れる事に気付いた。と言った感じです」

信秀「なるほど……しかしそんな話は聞いてなかったぞ」


 ペラペラ喋ったら若様がお団子を食べさせてくれなくなっちゃうかもしれないじゃないですか。

 それに喋り過ぎてもし若様がお寺に修行に出されてしまったらズットあのお団子が食べられなくなってしまうのですよ?

 それはかなり嫌と言うか、もちろん若様がこのお屋敷からいなくなってしまうと寂しいと言う事もあるけど、若様を裏切るのもチョット気が咎めると言うか……。

 ええと、どう答えようかしら。


ちよ「若様から内緒にするように言われたと言う事もありますが、あまりペラペラ喋るのも良くないかと考えてお伝えしていませんでした」

信秀「それは儂らにもか?」

ちよ「はい、サクラさんみたいな護衛の者を遣すくらいですから無闇に喋ると天狗に怒られてしまうのではないかと思ってお話ししていませんでした」

信秀「むっ、それは……」


 天狗と言われるとお殿様も強くは叱れないみたいね。


信秀「いや分からん訳ではないが、それでは勘十郎に付けた侍女の役目を果たしていない事になるのではないか?」

ちよ「申し訳ございません」

土田御前「お前さま、あまりチヨを責めてはいせませんよ」


 それまで私たちのやりとりをお殿様の隣で黙って聞いていた奥方さまが口を開いてそう話してくれました。


信秀「お土、しかしだな」

土田御前「チヨの話したようにサクラさんの方も天狗に報告しているのかも知れませんし、あまり余計な事はしない方が良いと思いますよ」

信秀「余計な事で済ませられる話でもあるまい」

土田御前「そんな事はどうでも良いのです。チヨに任せているのはそんなつまらない事ではないのです」

信秀「つまらないって……」


 えっ、私ってそれ以外になにか大事な仕事を任されていたかしら?


土田御前「チヨには勘十郎ちゃんが無理をしないように目を光らせて見ていて貰うと言う大事な役目があるのです、その程度の話はどうでも良いのです」

信秀「どうでもいいって……」

土田御前「お前さまには心配させないように詳しく話していませんでしが、この間の戦の時に勘十郎ちゃんがたくさんお団子を作って貴方に届けてくれましたよね?」

信秀「うむ、あれは大いに助かったな」

土田御前「あの時、勘十郎ちゃんは何度も気を失ってフラフラになりながらそのお団子を作っていたそうです」

信秀「そうなのか?」

土田御前「はい、何の代償もなしにお団子を作れる訳ではなくて勘十郎ちゃんの持っている霊力を使ってそのお団子を作り出しているのですから、当然たくさん作れば疲れたり更に作れば疲弊して倒れてしまってもオカシクありませんよね」

信秀「むっ、それは……」

土田御前「そんな事が何度も続けば勘十郎ちゃんの体がもちませんし、勘十郎ちゃんの寿命を縮めてしまう事になるかもしれません。チヨにはそうならないように勘十郎ちゃんが無理をしそうになったら止めて貰うと言う大事な役目があるのです」

信秀「いや術を使えば疲れると言うのは分からん訳ではないが、しかし宴会の時に勘十郎は結構団子を作っていたが、それほど疲れたようには見えなかったぞ?」

土田御前「それは戦の時みたいに急いで慌てて作る必要はありませんから無理のない範囲で勘十郎ちゃんは作っていたみたいですが、それでも最後の方は結構疲れていたみたいですよ」

信秀「むっ、そうなのか」

土田御前「そうなのです。それをなんですかあんな約束をさせてしまうなんて、もしそれで勘十郎ちゃんが体を壊して倒れてしまったらどうするのですか!」


 あっ、そう言う事だったのですか。

 確かにソレは若様の側にいる私以外には出来ないですし、それは大事な役目ですね。

 奥方さまが少し怒った様子でお殿様にそう話しました。


信秀「むっ、それは勘十郎に飯を作れと言った話か? タダで話を飲んだらしつけにならんだろう」

土田御前「しつけで殺すような事になったら本末転倒です。使用人たちの分まで全部自分で作るとか言い出さなくてホッとしていたと言うのに、あんな約束をさせてしまうなんてお前さまは勘十郎ちゃんをなんだと思っているのですか」

信秀「なんだ、とはなんだ?」

土田御前「勘十郎ちゃんはお腹が減ったらお団子で食べ物でも何でも出す便利な道具かなにかだとでも思っているのですか!」

信秀「なっ、そんな事は思っておらんぞ」


 まさかソコまで言われるとはお殿様も思っていらっしゃらなかったらしくしどろもどろの様子でそう答えました。

 私も奥方さまがこんなに怒るなんてビックリしています。


土田御前「勘十郎ちゃんはお腹が減ったら自分でお団子でも今日食べさせてくれたお蕎麦でもいつでも好きな時に作って食べる事が出来るのです、でもソレでよしとせずに私たちにもチャント食べさせてくれて、その上家臣たちの事まで考えてあんな事を話してくれたのですよ」

信秀「それは……」

土田御前「その上、術が使える事を私たちに知られる事を嫌がりながらもお風呂に入れてくれたり、私たち家族の事を考えてアレコレ色々してくれていると言うのに、なんて事をさせようとしているのですか!」

信秀「いやいや待て待て、そもそも勘十郎が家族の分は自分で作ると言った筈だから儂が無理にさせた訳ではなくて、それならしてみろと話しただけだろう」


 確かに若様は家族と私とサクラさんの分は自分で作ると話していたからソコは間違いではないんですよね。


土田御前「勘十郎ちゃんは優しい子ですから自分は多少は無理をしてもそう話すに決まっているではないですか。それを止めるのが親の役目なのではないですか!」

信秀「いやいや、お土落ち着け……おお、そうだ。チヨ、勘十郎は大丈夫なのか? 自分でそう言ったのだから大丈夫だよな?」


 このままでは少し部が悪いとお殿様は思ったらしく私に話の矛先を向けて来ました。

 どう答えようかしら?


ちよ「ええと……はい、あのお蕎麦なら10杯くらいは若様は作れると思います」

信秀「おお、10杯かそれだけ作れるのなら問題ないな」

土田御前「チヨ、その話は本当ですか?」

ちよ「はい。あのお蕎麦は一杯作るのにお団子を三皿作るのと同じ量の霊力を使うらしいので、そのくらいなら大丈夫だと思います」


 お皿に三串乗ったお団子を作るのに霊力を1消費して、お蕎麦を一杯作るのに霊力を3使うらしいからそんな事かと考えて私はそう答えました。


土田御前「そうなのですか……あら? でもそれだと数が合わないと言うか、勘十郎ちゃんてお団子を二十皿くらいしか作れなかったのではなかったかしら?」

ちよ「それが若様が持っている霊力の量もこの間の戦の時にお団子を無理して作ったおかげで増えたらしくて、今では作ろうと思えばお団子なら40皿、お蕎麦なら13杯くらい作れるくらいの霊力があるそうです」

土田御前「そうなの」


 そのくらい作れるのなら大丈夫なのかと奥方さまは少し安心したらしくそう呟きました。

 こんなに短期間でそんなにお団子が作れるようななったなんて改めて聞くと驚いてしまいますよね。


ちよ「あっ、でも若様は他の事にも霊力を使っているので13杯必ず作れる訳ではなくて、お殿さまと奥方さまと吉法師さまと勘十郎若様の四人に私とサクラさんの分を入れて6杯それにお殿さまと吉法師様とサクラさんが一杯づつおかわりをするくらいなら大丈夫だと思いす」

土田御前「そうなの、いえその他の事ってなにかしら?」

ちよ「若様は食事を作る以外にも風の術の練習もしています」

土田御前「あっ、そうなのね」

ちよ「はい、とは言えソチラは凄く疲れるらしくて一日に数回程度しか使えたり練習する事ができないらしくてあまり上達してないみたいですが、その他にもしている事もありますし、そのくらいなら大丈夫だと思います」


 若様って最近色々し過ぎて大丈夫なのかと少し心配になってしまうわよね。

 でも、今しているくらいなら倒れると言うほどではないし大丈夫なのかしら?


土田御前「その他ってなにかしら?」

ちよ「それは口止めされているので私の口から話す事は出来ないのですが。それもみんなのためと言うかお殿さまたちの事を思って頑張っている事ですから変な事をしている訳ではないですよ」

土田御前「そう、勘十郎ちゃんはなにをしているのかしら?」

ちよ「心配なさらなくてもそのうち分かると言うか若様が見せてくれると思いますよ」

土田御前「そう、そう言う事ならソレを待つ事にしましょう」


 気にはなるみたいだけど奥方さまは一応それで納得してくれたみたいです。

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