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おだんご太平記  作者: 東のマ王


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4話

 そよそよ〜〜。


ちよ「えっ、コレは……」


 おお、こうして見るとチヨの髪の毛がそよそよ動いているよ。

 さっきは分からなかったけどいちおう風は出せているみたい。

 そよかぜ程度だけどね!


勘十郎「はぁはぁ、どう凄い?」


 術が切れたのでチヨにチャント見ていたか尋ねました。


ちよ「はぁ、もう一度見せて貰えますか?」

勘十郎「えっ、チャント見ていなかったの? 仕方ないな。それならもう一度、風玉、ええい!」


 そよそよ〜〜。


 仕方がないのでもう一度見せてあげる事にしました。

 うん、今度もちゃんとチヨの髪が風でなびいているし風を出せているみたい。

 そよかぜ程度だけどね!


ちよ「コレは……若様の手から風が出ているのかしら」


 そよかぜ程度の風が顔に当たって偶々そのタイミングでどこかから風が入って来たと思っていたのかチヨは僕がその風を出しているらしいと分かったらしくそう話したよ。


勘十郎「はぁはぁ……どう、チャント見ていた?」

ちよ「若様もう一度見せて貰えますか?」

勘十郎「ええーー! また見てなかったの、ソレは酷くない」


 こんなに頑張って術を出しているのに見てないってソレは酷いよね。


ちよ「見てなかった訳ではないのですか、ほんの少し風が吹いただけなのでハッキリ今のが法術なのか分からなかったので、見せて欲しいのですが」


勘十郎「もう無理、この術は凄く疲れるから、そんなに続けてできないの」

ちよ「そうなのですか?」

勘十郎「そうなの」

ちよ「そうですか、ソレなら仕方ないのかな。ええと若様は誰にこんな術を教わったのですか?」


 チヨが話を変えてそんな事を尋ねてきました。


勘十郎「えっ? 誰って、初めから使えたよ」

ちよ「誰にも教わらずに術を使える様になるとは思えないのですが、言えないような人なのですか?」


 チヨが心配そうにそう尋ねてました。

 うーん、子供がイキナリこんな術を使えたら不自然なのかな?

 ええと、どう答えよう。


勘十郎「ええと……天狗に教えて貰ったの」


 時代的に考えてその辺りが無難な所かと考えて僕はそう答える事にしました。


ちよ「天狗ですか?」

勘十郎「そう天狗に教わったの」


 コレならその人に聞きに行かれる心配はないし。

 僕かしこい。利口りこうな5歳児だね。

 元は大学生だけどね!


ちよ「そうなのですか、若様はいつ天狗に会ったのですか?」

勘十郎「えっ? 子供の頃かな」

ちよ「子供って、若様は今も子供ですよね?」

勘十郎「えっ、そうだけど……もっと小さい頃なの」

ちよ「それは1年前とかそんな事ですか?」


 むむ、なんかグイグイ来るな。

 そんな細かい事はどうでも良いのに……。

 さて、どう答えよう。


勘十郎「……よく覚えてないの」

ちよ「覚えてないのですか?」

勘十郎「うん、本当はもっと大人になってから思い出す筈だったらしいだけど、頭を叩かれた拍子で天狗にかけられた術が解けて今思い出しちゃったみたい」


 うん、コレなら覚えてなくても不自然じゃないよね。

 大学生の頭ならこのくらいの話をスラスラ作る事は造作もない事だし。

 まあ以前と比べて難しい事とかはよく分からなくなっちゃったり、感情の起伏が激しくて自分で自分をコントロールできなくなっているから、普通の5歳児に戻ってしまったみたいだけどね!


ちよ「そうなのですか……なぜ天狗は若様にそんな術をかけたのかしら?」

勘十郎「さあ? 子供が術を使ったら危ないとか、そんな事じゃないの」

ちよ「危ないのですか?」

勘十郎「うん、僕は危なくないけど他の人を術で吹き飛ばしたりしたらソレは危ないよね」


 子供に拳銃を持たせるみたいな事になっちゃうから危ないのは間違いないよね。


ちよ「そうですか。若様は人を吹き飛ばせるのですか?」

勘十郎「えっ? 僕はさっきのが全力と言うか、ソコまではできないの」

ちよ「そうですか。……コレはお殿様にお知らせするしかないのかしら」


 チヨは少し考える仕草をしてそんな事を呟きました。


勘十郎「えっ? 父上に知らせるってなにを?」

ちよ「若様が術を使えるのなら話しておかないとイケませんよね」

勘十郎「そうなのかな」


 確かに子供のできる事とか可能性を親に話すのは普通の事なのかな。


ちよ「はい、修行すればもっと凄い術を使える様になるかも知れませんし、コレはなんとしてもお知らせしておくべきですね」

勘十郎「えっ、修行って……?」

ちよ「偉いお坊様の所に行って修行を積めば本当に人を吹き飛ばせるような凄い術を使えるようになるかも知れません。ぜひそうするべきだとチヨは思いますよ」

勘十郎「えっ、それはこの家から出て行くって事かな?」

ちよ「お寺で修行をするのですから当然そうなりますよね」

勘十郎「えっ! それは嫌かも」


 そんな事をさせられたらおちおち昼寝をしている事も出来なくなっちゃうよー。

 そんなのは嫌です。


ちよ「そんな事を言ってもこの家には術を使える人はいませんしチャントした場所に行って修行をするしか腕を磨く事はできませんよ」

勘十郎「いやぁああ、僕はそんな所に行きたくないよ」

ちよ「嫌と言っても若様は凄い術師になれるかも知れないのでそれは仕方がないのではないですか」

勘十郎「いやぁああ、そんな事をさせられるくらいなら僕は術なんて知らないって答えるもん」

ちよ「えっ、それはどう言う事ですか?」

勘十郎「お寺に修行に出されるくらいなら、僕は誰に聞かれても術なんて知らないしそんなの使えないって答えるの」

ちよ「えっ、そんな事を言ったらチヨが嘘をついたみたいになっちゃうじゃないですか」

勘十郎「そんなの知らないもん。僕は絶対にどこにも行かないもん。わぁああああ」

ちよ「えっ、若様どこに行くのですか」


 このままココにいたら本当にどこかに連れて行かれてしまうかもしれないので僕は逃げる事にしました。

 うん、逃げるが勝ちって言う言葉もあるし、絶対に逃げのびてやるぜ!


ちよ「若様! ちょっと待ってください!」


 うわ、チヨが追いかけて来た。

 ヤバいヤバい、逃げないと捕まっちゃう。

 逃げろーーーー。

 僕はチヨに捕まらないように必死で走って逃げました。

言葉をいくつか直しました。

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