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おだんご太平記  作者: 東のマ王


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23話

勘十郎「それではこの小箱で、ドォーーン! はい、できあがり」


 小箱の上の引き出しを引き出しておだんごを作りました。


勘十郎「はい、母上どうぞ」


 僕はできあがったおだんごを母上の前に置いてあげました。

 こうして目の前で作って出すのは初めてなので少しドキドキします。

 母上に喜んで貰えるかな?


土田御前「まあこれはこの前食べさせて貰った、みたらし団子だったかしら」

勘十郎「うん、とっても美味しいよ」

土田御前「そう、この前食べさせて貰った物はどれも美味しかったけど私はこのお団子が一番美味しかったわ」

勘十郎「僕もみたらし団子が一番好きー」

土田御前「あら、勘十郎ちゃんもこのお団子が一番好きなの、優しい甘さでとっても美味しいわよね」

勘十郎「うん!」


 どうやら母上もみたらし団子が一番好きみたい、親子だから好みも似ているのかな。


土田御前「それでは食べさせて貰うわね。いただきます。ぱくり……うん、とっても美味しいわ」


 母上がみたらし団子を一玉食べてニコニコしながらそう話しました。

 うん、喜んで貰えると僕も嬉しくなっちゃうよね。


桜「………じぃーー」


 うわ、なんか桜が母上をメッチャ見ているよ。

 なんて言うか子猫が親猫とか他の猫がなにかをしているのをじぃーーっと脇目もふらずに見ているのと同じような感じでメッチャ見ているよね。


土田御前「サクラさんもコレが食べてみたいのかしら? それならおひとついかが」

桜「…………じぃーー。ひょい。ぱくり……!! ぱくぱくぱく」


 うわ、母上がお団子が乗った皿を桜の方に差し出してあげたら桜がガツガツおだんごを食べ始めたよ。

 ってか、一本だけじゃなくて2本目まで食べ始めちゃった。

 ちょっとそれはお行儀が悪くない?


土田御前「あらあら、サクラさんはお腹が減っていたのかしら。ふふふ」

桜「ぱくぱくぱく……」


 うわ、メッチ食べている。

 まあそう言う事なら仕方ないか、ええと母上はまだ一本しか食べれてないからもう一度母上の分を作りましょう。


勘十郎「それでは、ドォーーン! はい、できました」

勘十郎「それじゃあ、母上どうぞ」

桜「ひょい……ぱくぱくぱく……」


 えっ? お皿を置こうとしたら桜が手を伸ばしておだんごを3本鷲掴みにしてぱくぱく食べ始めちゃったよ。


勘十郎「桜、食べちゃダメー。コレは母上に出してあげた物なのだから他の人が食べちゃダメなの!」

桜「?? ……ぱくぱくぱく」


 むむむっ、なんだか首を傾げただけでむしゃむしゃ食べ続けているのだけど、これはうまく伝わらなかったのかな。

 ええと、どうしよう。


土田御前「ふふふ、勘十郎ちゃんのお団子は美味しいし、サクラさんの好きな味だったのかもしれないわね」

桜「ぱくぱくぱく……ごくん」


 うーん、食べちゃったのなら仕方ない、もう一度作りましょう。


勘十郎「それでは、ドォーーン! はい、できました」

勘十郎「桜、このおだんごは母上に作ってあげた物だから桜が食べたらダメだからね?」

桜「………?」

勘十郎「桜の分もチャント作ってあげるから自分の前に出された物を食べるの、わかった?」

桜「……こくこく」


 うぅん、いちおう頷いてくれたら今度は伝わったのかな?


勘十郎「それでは母上どうぞ」

土田御前「ありがとう。何度も作らせてごめんなさいね」

勘十郎「それはいいの。ゆっくり食べてね」

土田御前「ええ、それじゃあいただきます。ぱくり……ふふふ、勘十郎ちゃんのお団子は美味しいわね」


 母上は特に気にした様子もなくニコニコ笑いながら食べているからそっちは大丈夫かな。

 って、また桜がメッチャ母上を見ているよ。

 母上のをまた食べられてしまう前に桜の分も作る事にしましょう。


勘十郎「それでは、ドォーーン! はい、できました」

勘十郎「それじゃあ、桜、どうぞ」

桜「…………」


 あれ? なんだか桜が目の前に置かれたおだんごをチラチラ見ているだけで手を伸ばさないよ?

 どうしたのだろう?


勘十郎「ええと、こうして自分の前に出されて、どうぞって言われたら食べていいんだよ?」

桜「こくこく……ぱくり。!!……〜〜♪」


 あっ、そう言ってあげたら桜が嬉しそうにぱくぱく食べ始めたよ。

 ダメって言ったのは一応わかってくれていたのか。

 なんだかちょっと犬のしつけをしているみたいな感じがするけど、桜って目が覚めたばかりで赤ちゃんみたいな状態だったりするのだろうか?

 ちょっとお行儀の悪い食べ方だけど喜んで食べているみたいだし、お行儀とかの話はおいおい後でするって事でいいかな。


勘十郎「さて、それじゃあチヨの分を作りましょう。ドォーーン! はい、できました。チヨどうぞ」

ちよ「若様ありがとうございます」


 できあがったおだんごをチヨの前に置いてあげました。


土田御前「あら、チヨのはあんこのお団子なのね」

ちよ「はい、チヨはこのあんこのお団子が一番好きなのです」

土田御前「そうなの、それで勘十郎ちゃんはチヨのはあんこのお団子にしてあげたのね」

勘十郎「うん」


 作る手間は同じだし一番好きなのを食べてもらうのが一番いいよね。


ちよ「ぱくり……あぁあ、若様のあんこのお団子はとっても美味しくてほっぺたが落ちてしまいそうです。ぱくぱく……」

土田御前「そう、それは良かったわね」

桜「………じぃーー」


 チヨの場合はいつもの事だけどこんなに喜んでもらえると僕も嬉しくなっちゃうよね。

 ってか、また桜がジッとチヨの顔とあんこのお団子を行ったり来たりして見ているのだけど、コレは……。


桜「…………じぃーー。ひょい、ぱくり……!! ぱくぱくぱく」

ちよ「えっ? ダメですー! コレはチヨのお団子なのだから食べないでくださいー」

桜「ひょい。むしゃむしゃむしゃ……」

ちよ「そんな、返してくださいぃい! それはチヨのなの。チヨのお団子返してぇえええ」


 わわわ、チヨのお皿に残っていたお団子を桜が全部取って食べちゃった。

 まったく、食いしん坊のアンドロイドってどうなの?


土田御前「あらあら、これはにぎやかでなんだか楽しいわね。ふふふ」


 はぅ、母上は笑っているけどこれはお行儀だとかマナーだとか色々教えてあげないとダメみたいだね。

 むしゃむしゃとおだんごを食べている桜を見ながら僕はそう思うのでした。

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