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おだんご太平記  作者: 東のマ王


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15話

勘十郎「この先はどうなっているのかな。わくわく」


 僕はこの先にどんなモノがあるのか期待に胸を膨らませながらその廊下の中を進んでいきました。


ちよ「若様、戻りましょう。チヨは怖いです」

勘十郎「チヨは怖がりだね」


 チヨが怖がるなんて少し意外と言うか今までそんな姿は見た事がなかったかも。


ちよ「それはそうですよ。こんな訳の分からない所に入るのは凄く怖いですし、もしこの先が黄泉よみの国とかに繋がっていたらと思うと怖くてたまりません」

勘十郎「黄泉よみの国って……」


 流石さすがにそう言われると僕も少し怖くなって足を止めてしまいました。


ちよ「若様戻りましょう」

勘十郎「んー、それはチョット怖いけど、でもそれならチャント確認しておかないとだよね」

ちよ「確認って……」

勘十郎「もしそうなら安心して茶室でお茶を飲めなくなっちゃうし、確認しておいた方がいいよね?」

ちよ「それはそうですけど……」


 お茶を飲んでいる時にもしあの床の間の壁から黄泉よみの国の怪物とかが出て来たら、おちおちおだんごを食べてのんびりしていられるような気持ちにはなれません。

 ちゃんと調べておかないとだよね。


勘十郎「でも大丈夫だと思うよ。僕の法術で出した茶室と繋がっているのだからそんな変な事にはならないと思うよ」

ちよ「でも天狗に教わった術ならこの先に天狗の住む里があったり鬼がいて食べられてしまうかもしまうかも知れませんよ。やっぱり戻りましょう」

勘十郎「大丈夫、大丈夫。それならチョット見てみたい気もするし、あっこの先に灯りが見えるからもう直ぐ着くよ」


 そもそも僕は天狗に会った事なんてないからこの先に天狗がいたら逆にビックリしちゃうよね。

 と言う訳でガンガン進みましょう。


ちよ「あぁあ、そんな、若様本当に行くのですか」

勘十郎「うん、チヨ手を離したら僕泣いちゃうからね?」

ちよ「そんな、怖いのなら無理して行かなくても良いのに……」


 1人で行くのはチョットだけ怖いのでチヨの手を引いてそのままその廊下を進んで行きました。


勘十郎「あっ、着いた。……えっ? コレは?」

ちよ「あぁあ、そんな……あら? コレは?」


 なんて事でしょう。廊下を抜けたら普通の部屋がありました。


勘十郎「なんか普通の部屋だね」

ちよ「……そうですね。足の長い机が置いてあったり変わった椅子もあるけど、普通の部屋なのかしら?」


 窓とかはないけどそこはフローリングの床になっている洋風の部屋でした。


勘十郎「あの足の長い机はテーブルで変わった椅子じゃなくてソレはソファーなの」

ちよ「若様はアレがなにか分かるのですか?」

勘十郎「普通の家具だものそのくらい分かるよ」

ちよ「普通って、チヨはこんな物は初めて見たのですが……」

勘十郎「うわぁあ、3人がけのソファーだ。わっ、大きくてフカフカして気持ちいい。あはは」


 久しぶりに見たソファーはとても柔らかそうに見えたので僕は思わずソファーの上に飛び込むとパタパタとその上で手と足を動かしてその感触を堪能たんのうしながらそう話しました。

 うふふ、柔らかくて気持ちいい。


ちよ「若様、そんな事をして大丈夫ですか?」

勘十郎「んっ? ソファーだものこのくらいじゃ壊れたりしないし大丈夫だよ」

ちよ「そうじゃなくて、もしココが天狗の家だとしたら天狗に怒られてしまうのじゃないですか?」


 ココは天狗のなにかの術で天狗の住む家と繋がった天狗の家の中とでも思ったのかチヨがそう話しました。


勘十郎「んーー、ココには天狗は居ないし、ココはたぶん僕の隠れ家と言うか隠し部屋みたいなモノだと思うから心配しなくて大丈夫だよ」


 僕の推理によればココはそんな場所だと思います。


ちよ「隠れ家ですか?」

勘十郎「そう。もし変な人が襲って来たらコッチの部屋に隠れちゃえば平気でしょう」

ちよ「隠れると言っても直ぐにバレてこの部屋に来られてしまうのではないですか?」

勘十郎「んーー、チャント見た訳じゃないけどたぶんあの床の間の壁に鍵とかが付いていてあの扉を外から開けられないようにできるんじゃないかな?」

ちよ「そうなのかしら……」


 最初は床の間の奥の壁が壊れたのかと思ったけど、その壁が外れた訳じゃなくて扉を開けたみたいにチャント横の柱にその壁がくっ付いていたから、たぶんそうなんじゃないかな。


勘十郎「ええと、この部屋にはテーブルとソファーの他に自動販売機があるんだね」


 僕は壁の所に置かれたソレを見ながらそう話しました。


ちよ「じどうはんばいきってなんすか?」

勘十郎「あの赤い大きな箱みたいな物の事なの」

ちよ「あれは変な形をしているけどタンスなのではないのですか?」

勘十郎「タンスだったら引き出しが付いている筈でしょう。アレはタンスじゃなくて自動販売機なの」

ちよ「ええと、それはどんな物なのですか?」

勘十郎「お金を入れると飲み物が買える装置かな」

ちよ「お金がいるのですか?」

勘十郎「うん、自動販売機だからお金がないと飲み物とかを買う事ができないの。あれ? でもこの自動販売機にはお金を入れるところがないよ?」


 ソファーの上からその自動販売機の前に移動してその自動販売機をよく見てみるとコインの投入口みたいな物が見当たりません。

 どうなっているの?


勘十郎「なんでないのだろう? コレだとジュースを買う事ができないよね」

ちよ「若様が思っている物とは違うのではないですか?」

勘十郎「そうなのかなぁ、見た目的には自動販売機にしか見えないのだけど……あれ? そう言えばボタンに付いている表示もなんかオカシイよ」

勘十郎「もしかしてコレは……えい!」


 ガコン。


 僕が自動販売機にディスプレイされている飲み物の下にあるボタンを押すと下の方でそんな音が響きました。


勘十郎「おお、チャント出た。そうかコレはお金じゃなくて霊力をお金の代わりに使ってジュースを買う自動販売機なんだね」


 いま音がした下の受け取り口に手を入れてみるとチャント飲み物が入ったプラスチックの容器がありました。

 なるほどー。コレはそう言う物なのね。


ちよ「若様が取り出したソレは何ですか?」

勘十郎「コレは中に飲み物が入っている水筒みたいな物なの」

ちよ「中になにかの液体が入っているのは分かりますが、なんでソレが飲み物だと分かるのですか?」

勘十郎「えっ? ココアって書いてあるからコレはココアだよ」

ちよ「ここあ、とはなんですか?」

勘十郎「あっ、コレはチヨが好きな味だと思うからチヨにあげるね。はい」

ちよ「えっ? 温かい……な、なんで温かいのですか!?」


 受け取ったソレは熱いと思うくらいの温度をしていたからチヨは驚いたらしくそう話しました。


勘十郎「ソレはホットだから温かいの」

ちよ「チヨには訳が分かないのですが……」

勘十郎「コレはおだんごを出すあの箱を大きくしたような物なの。仕組みは分からなくてもソレが美味しいのは間違いないから安心して飲んで良いよ」

ちよ「なんだか茶色い色をしていてとても美味しい物にはチヨには見えないのですが……」


 うーん、初めて見たらココアって泥水みたいに見えちゃうのかな?

 

勘十郎「そう? それじゃあちょっとソレを貸して」

ちよ「えっ? はい」

勘十郎「それじゃあ蓋を開けます」


 きゅぷん……ぐりぐりぐり……。


勘十郎「と言う訳で、いただきます。ごくごく……ふぅ〜〜、やっぱりコレはココアだね」


 久しぶりに飲んだココアは美味しい物でした。

 おだんごに続いて甘い物をゲットだぜ。

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