14話
ちよ「ふぅ〜、今日からは安心してこの茶室でお茶がいただけるようになりましたね」
翌日、茶室の中でチヨが僕がいれてあげたお茶を飲みながらそう話しました。
勘十郎「そだね」
昨日は大変な思いをしたけど今日からは茶室を出していても法術がバレないかビクビクしないで済むし本当によかったね。
ちよ「でもこの茶室をずっと出していて若様は大丈夫なのですか?」
勘十郎「大丈夫、茶室を出している間は霊力が5減ったままだけど特に問題ないの」
時間制限で茶室が自然に消えると言う事もなさそうだし茶室を出しっぱなしにしていても僕が困る事はないかな。
ちよ「そうですか」
勘十郎「うん。あっ、でも僕が寝ている時にこの茶室がどうなっているのかそれは分からないの」
寝ていると見て確認する事はできないしソコがチョット不安なところではあるよね。
ちよ「そうですか。それなら若様が寝た後にチヨが見に来てみましょうか?」
勘十郎「うん、お願いできる?」
チヨが見に来てくれれば寝ている時にこの茶室がどうなっているか分かるよね。
たぶんこのままココにあるとは思うけど、もし消えたり出たりしていたらそれはそれで誰かを驚かせたりオカシナ話になっちゃうから確認しておいてもらった方がいいよね。
ちよ「分かりました、それじゃあ今夜にでも見に来てみますね」
勘十郎「うん、お願い」
ふ〜、ソレで問題なければ心配事はほぼなくなるのかな。
僕一人じゃそんな事まで確認できないしチヨがいてくれて良かったぁあ。
ちよ「それにしても改めてこうして見るとこの部屋には随分変わった物がおいてありますね」
勘十郎「そうかな?」
ちよ「はい、あの天井の隅の辺りに風が出てくる箱とかも付いていますし、アレはなんなのかしら?」
右側の壁の上の辺りを見ながらチヨがそう話したよ。
勘十郎「あれはエアコンなの」
ちよ「えあこん、ってなんですか?」
勘十郎「エアコンと言うのは暑い夏になると涼しい風が出て、寒い冬になると暖かい風が出てきてこの茶室の中の温度を快適な温度にたもってくれる物なの」
ちよ「そうなのですか、天狗は変わった宝具を持っているのですね」
勘十郎「そだね」
そのエアコンは今も風が出ているけど茶釜とかと違って風が出ていても僕の霊力が減る事はないみたい。
茶室を出している間僕の霊力は5減ったままだけど、その中にエアコンの使用料とかも一緒に含まれているのかな?
ちよ「それにこの床の間にかけてある掛け軸も変わっていますよね。コレは一体なんの絵なのかしら?」
チヨが花が一輪置かれた床の間にかけられた掛け軸を見ながらそう話したよ。
勘十郎「それは……なんでガン◯ムなんだろうね?」
その掛け軸にはアニメの機動戦◯ガ◯ダムの絵が描いてありました。
ガン◯ムと言ってもその絵はウイン◯ガン◯ムの絵だから翼とかが付いていてエモくてカッコイイのはカッコイイのだけど。
ホントなんでガ◯ダムなのだろうね?
墨と筆で水墨画みたいな感じで描かれたその絵はこの和室の部屋に合わないようでいて意外と合っていて良い感じに見えるけど。
僕にもチョット訳が分かりません。
ちよ「ガン◯ムってなんですか?」
よほどその絵が気になったのかチヨがその掛け軸がかけてある床の間に歩いて行くとその絵を近くで見ながらそう僕に尋ねました。
勘十郎「んーー、西洋の天使みたいな感じかな」
ちよ「てんし、ですか……?」
勘十郎「あーー、神様とかそんな感じのモノかな」
ちよ「神様ですか。そう言えば背中に羽が生えていて少し変わった形の鎧兜を着けた武神とかそんな感じの神様なのかしら?」
流石にガン◯ムの説明をするのは無理そうなのでそう言う事にしておきましょう。
勘十郎「そだね」
ちよ「この神様は誰なのかしら……えっ? きゃあああ」
バタン。
チヨがその絵の方に手を伸ばすとそのままバランスを崩してしまったのか倒れてしまいました。
勘十郎「えっ? チヨ大丈夫?」
ちよ「いたた。あっ、若様ごめんなさい。床の間の壁が外れて、壁を壊してしまいました」
勘十郎「そうなの?」
シッカリ作ってあるように見えるけど秀吉さんの黄金の茶室は持ち運びできるように分解する事ができたらしいからそれで壁が外れてしまったのかな?
僕のこの茶室がソレと同じとは限らないのだけどね。
ちよ「はい、コレは直せるのかしら? ……あら? コレは?」
床の間の奥の壁があった場所に目を向けてチヨが不思議そうにそう言葉を漏らしました。
勘十郎「チヨどうかしたの?」
ちよ「ええと、若様なんだかこの奥に廊下みたいなのが続いているのですが、どう言う事ですか?」
勘十郎「えっ、廊下って……わっ、本当に廊下があるよ」
チヨがそんな事を話すので僕も見に行ってみると、確かにソコには廊下が続いているように見えました。
えっ? 床の間の後ろに廊下ってどう言う事?
僕の部屋が見える筈なのになんでそんなのが見えているかな?
これまた意味が分かりません。
ちよ「この廊下はドコから出て来たのかしら?」
勘十郎「だよね?」
壁が外れただけならこの茶室が置かれている元の僕の部屋の畳とか壁が見える筈なのに、そんな物は全く見えないし廊下が真っ直ぐに続いているだけって。
本当にどう言う事ー?
勘十郎「……うん、コレは確かめてみるしかないね」
ちよ「えっ? 確かめるってどうするのですか?」
勘十郎「それはこの廊下の先がどうなっているか見に行くの」
ちよ「ええーー、まさかこの中に入るのですか?」
勘十郎「うん、それじゃあチヨ行こう」
ちよ「行こうって、わわわ、若様そんなに手を引っ張らないでください」
僕はそう話すとチヨの手を掴んでその廊下に入って行きました。
さあ冒険の始まりだー。




