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第九十二話 理

 慎一は草むらでKREUZを一服した後、戦況が移り変ってから基地内に侵入しようとした。

 が、草むらの様子を監視していた十星の一人が目の前に現れた。

 全身黒タイツを着ているかのようで、顔以外が真っ黒の不気味な見た目だった。髪とまつ毛だけが金髪で、人型ではあるものの、化け物のような見た目ではあった。


挿絵(By みてみん)


冥王星(プルート)。久しぶりじゃねぇか。」

〖私も嬉しいよ。〗


 冥王星(プルート)はそう言ったが、本心ではないのは確実だった。挑発するような言い方だが、当然、慎一は感情的にはならず、少しだけサングラスを下ろした。


「見ねぇ間に……弱くなったんじゃねぇのか。」

〖魔力を感じられないのは力の差があるからだな。〗


 慎一が煙草を一本取り出すと、冥王星(プルート)はすかさず突進した。が、慎一は冥王星(プルート)が辿り着くよりも先に、煙草にライターで火をつけた。


「『銃化(ピストル)』」


 慎一は火のついた煙草を冥王星(プルート)に向けた。瞬間、冥王星(プルート)は必死に避けたが、避けきれず左腕を持ってかれた。

 『銃化(ピストル)』。棒状、筒状の物であれば何であっても銃の様に扱うことが可能になる。『ばん』と唱えることで、弾丸の代わりに魔力を放つ。消費魔力は大きいが、その分威力は爆発的である。


「煙草で撃つ時に火をつけるのは俺のポリシーだ。俺の動きを止める前に逃げるべきだったな。」


 サングラスで隠れているはずの慎一の目に見下されているようだった。その眼光は、異世界警察の正義など感じさせないほどだった。


()()()()()め……〗

「十星も黒魔術使ってんじゃねぇか。」


 MBU。正式名称は『Midnight Blood Unit』だが、それは表向きの名称。実際の名前は『Misdeed Blood Unit』。悪行の血の組織。

 世界各地で起こった凶悪犯罪者を悠が集めて作られた組織。暗殺部隊ではあるが、表舞台に立つことも多い。しかし、犯罪歴については公表されていない。

 MBU隊長の犯罪歴について知っているのは十星と悠、そして本人のみである。慎一の犯した罪は


〖頭部消失連続殺人事件……〗


 冥王星(プルート)がそう口にすると、慎一は火をつけた煙草の煙を吐いた。先程まで睨んできていた、サングラスの奥の眼光が消えてしまったようで、返って不気味だった。

 トモカサ町を中心にして起こった連続殺人事件。頭部の失われた遺体が次々と発見された。複数犯と思われ、容疑者と思われる人物が十数人逮捕されたが、結果ある1人の男が交番に自首しに来た。そう、その男こそが坂本慎一。他の容疑者は無実となり、全員釈放された。


 単独犯で、約136人もの死者を出した。被害者に共通していたのは、異世界警察に反対するUUY(ウーウィ)教の過激派集団であったということ。町内の異世界警察に対する迷惑行為が相次ぎ、死者を出してしまう事まであった。


〖そして朝霧悠に拾われた……〗

「拾われた?お前も人のことは言えねえだろ。」


 慎一はそう言うと、煙草を地面に吐き捨てた。冥王星(プルート)も傷口を押さえて立ち上がった。

 すると、追い詰められた状況にも関わらず笑みを浮かべた。


〖今まで……何も気が付かなかったか?〗


 慎一は眉をひそめた。罠でも仕掛けられているのかと警戒したが、辺りには何も無かった。


〖私の能力は2つ。1つは貴様も知る、『絶対零度』。触れたものや相手の動きを止めることが出来る。そして、もう1つ。〗


 冥王星(プルート)が空に残った片腕である右腕をかざすと、空全体が揺れて、裂け目が生まれた。そして、その裂け目から顔を覗かせたのは、常軌を逸した存在だった。

 『神』。十星の能力は神に借りているものである。そして、時には契約をし、規約を作る。時にはこうして姿を現すことさえもある。


〖『規制変更(ルールチェンジ)』。理の異常を自由に変えられる。〗


 有り得ない。そんな事が可能であるのか。

 以前、山本五郎左衛門が理の異常を変更していたが、あれはほんの少し。ビーストが変更できる『理』は少し上書きできる程度である。

 だが、冥王星(プルート)は自由に変更できてしまう。何故今まで気が付かなかったのだ。この世界、『理』の異常が()()


〖消した『理』の異常を戻せ。〗


 冥王星(プルート)が神にそう言うと、裂け目は収まり、瞬間、世界全体に振動が走った。

 体が重い。何が起こったんだ。その時、慎一は報告であった本来の『理』の異常を思い出した。


 『身体能力の低下』───


「クソッタレが……!!」

〖さて、仕切り直しだ。〗


第九十二話 終

十星のいる世界の『理』の異常が身体能力の低下っていうの忘れてたので、無理やりそれっぽくしました笑(第七十二話参照)ごめんなさい

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