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第九十三話 火星

風邪の時に脳死で書いたので、文脈とかぐちゃぐちゃかもしれません

 アストラとライアは天王星(ウラヌス)こと魔王の部屋に向かった。部屋の扉の前まで来たが、何重にもかけられた鍵によって中に入ることは至難の業であった。だが、アストラはライアを連れて『侵入』で入り込んだ。

 部屋の中は大したものもなく、誰もいなかった。しかし、ライアは鋭い洞察力で地下に繋がる扉を発見した。


⟬この魔力……いるな。⟭


 その扉は簡単に開いて、まるで「かかってこい」と挑発してきているようだった。地下に下りる階段を歩くと、そこに居たのはやはり魔王であった。


「オウマクン。久しぶりじゃないか。調子はどうだい?」

「そっちこそ。今から死ぬんだからさ。どんな気分だい?」

⟬最高だぜ。⟭


 ライアは間に入ると、笑みを浮かべてそう言った。ライアが左手に鉛の塊を持っているのを見て、魔王は警戒した。


『錬金』


 そう唱えると同時に、ライアの右手の手のひらからは弾丸が発砲され、部屋の中を暴れた。魔王は右腕を掠められ、顔を歪ませると言った。


「発砲のエネルギーは生まれないはずだろ……!」

⟬魔法なんだ、なんでもありだぜ!!⟭


 ライアは残っている鉛も全て撃ったが、致命傷に至る前に弾切れ、いや、鉛切れを起こした。

 魔王はその隙に攻撃しようとしたが、ライアはピストルを抜き出すと、魔王のコメカミに向けた。


「っ……!」


 十星に仲間入りしたことで、瞬発力が上がった魔王は頭を下げて、脳天に弾丸がぶつかる寸前で回避した。


⟬誰も魔法以外使わねぇなんて言ってねぇぞ。⟭

「全く……面倒なヤツらだ。」


 アストラが心の中に『侵入』しようと、隙を(うかが)っているのに気がついた魔王は、右腕を天井にかざした。が、ここは地下だ。『天王星(スカイ)』の能力は使用不可能なはず。


 だが、油断とは常に大敵である。


「『天王星(スカイ)』」


 魔王は笑みを浮かべると、そう唱えた。有り得ない、その先入観にアストラは殺されかけた。

 寸前まで動けなかったアストラの頭上には、いつの間にか雨雲が浮かんでいて、その暗雲に雷が走った時、ようやく危機に気が付きアストラは転がるように回避した。


 次の瞬間、雨雲から青白い雷が落ちて部屋の中で爆発したようだった。


「天を操る能力だ。雲くらい作れる。」

「以前の自信が無かったキミとは大違いだね。」


 アストラは挑発のつもりでそう言ったが、魔王は逆に笑みを浮かべて余裕そうな様子だった。


「そうだ、冥王星(プルート)になり僕は強くなった!!その力、見たいか?!」


 アストラとライアの返答すら聞かずに、魔王は少し下がった。嫌な予感がして、アストラは魔王の足元を見ると、そこには魔法陣があった。


「ライア、逃げろ!!」

〖創星の時より廻りし天の理よ

 堕ちる運命(さだめ)の天王星、今ここに顕現せよ〗


 魔王がそう唱えると同時に、雷が落ちたかのような衝撃が部屋の中に広がった。

 壁にヒビが入り、天井もボロボロと崩れ始めた。砂埃が舞い、その中から現れたのは名前の通り、“魔王”だった。

 乾いた血のような赤黒い角に、猛獣のような鋭い牙。そして、舌には不気味な紋章が刻まれていた。


超新星解放(オメガブースト)


 堕落した魔王の目の奥には、暗い光が宿っていた。同時に、世界全体に大きな振動が走り、何故かアストラとライアの身体には力が入らなくなった。

 魔王はその様子に気がつくと、不敵な笑みを浮かべて言った。


冥王星(プルート)か。いい働きぶりだな。〗


 状況を理解できなかったが、パーカーのボタンから慎一の声が聞こえてきたことで、真実は明らかになった。


冥王星(プルート)の能力で理の異常が戻ったらしい。俺にもよく分からねぇが……身体能力の低下だ!注意しろ!』


 そんなことを言われても、注意など出来ない。そう考えていた隙に、魔王は瞬間移動のような速度で動き、アストラを蹴り飛ばしていた。


⟬アストラ!!⟭


────────────────────────


 数分前。悠が十星のこの基地を半壊状態にした直後。

 蒼は、自身が狙っていた火星(マーズ)の姿を発見していた。

 視界に姿を収めた瞬間、蒼は一目散に走り、刀を振りかぶった。が、火星(マーズ)は魔力を感じ取ったのか、頭を傾けて、軽く回避した。


「何、愛野蒼。そんなに俺と戦いたいの。」

「異世界警察です。相手を仕留める義務がある。」


 蒼が意思を曲げずにそう言うと、火星(マーズ)は自身の首を触って悩んでいるようだった。


「あのさぁ。肩書きだとか、義務だとか下らない。人を助けたいってそりゃただの自己満だよ。全く核心を突けてないんだけど。そんなチンケな正義感を聞きたいんじゃないの。」


 そう言うと、戦闘態勢に入ったのか、火星(マーズ)は右手の手のひらから、パプリカやトマトのように真っ赤な炎を放出して、手のひらの上に浮かべた。


「お前の正義感の奥の奥を聞いてんの。」


 すると、火星(マーズ)は手のひらから放出した炎の玉を蒼に向かって飛ばした。蒼は全く躱す素振りも見せず、炎の玉が自身の髪を掠っても動じなかった。

 蒼は鬼丸を両手で握り直すと、火星(マーズ)に正面から向かった。


「なら僕の自己満で結構ですよ。」

「……ハッ。いいね、悪くない。」


 蒼の全く引かない態度が逆に気に入ったのか、火星(マーズ)は笑みを浮かべた。また開戦の鐘の音がここでも鳴り響いた。


第九十三話 終

マーズのキャラが個人的にハッキリしない感じがします。もうちょいハッキリさせましょうかね

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