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第七十四話 深い眠り

キャラが何かを食べているシーンって書いてて楽しいんですよね〜

 売っていたバーガーをかっぱらった悠は、近くの恐竜の遺体に座って食べていた。


「味は悪くないが……食感がダメだな。あと少し甘味が強いな。」


 そんな事を呟いている間に、遠くから「おーーい」という声が聞こえてきた。街とは反対の荒地の方からだった。


「……女。着いてきたのか。」


 そう、先程の別荘らしき場所にいた女だった。だが、何故だか小型の恐竜を操って乗っていた。少し興味が湧いて悠が聞くと、自慢げに話し始めた。


「『ヴァンサウルス』。『ヴァン』って言うの。草食で人懐っこいからこうやって操縦も出来る。」

「操縦性は良いのか。」

「いいわよ。ね、『ヴァン』。」


 女がヴァンの顔を覗き込んでそう言うと、ヴァンは応答するように“ギャァウッ”と唸った。


「そういえば貴様の名前よりも先に恐竜の名前を聞いたな。貴様の名は?」

「アタシはバーナ。てか、アンタこそ。」

「朝霧悠だ。」


 そう言うと、悠は叢雲を持って歩き始めた。バーナはヴァンから降りると、頭を撫でながら街を歩いていった。

 すると、街の中心から蒼が手を振りながら走ってきた。


「ホテルが見つかりました。でも、費用が結構かかって……」

「いくらだ。」


 悠は手の中でジャラジャラと硬貨を鳴らした。バーガーと共に金銭も少し、民のポケットから盗んでいたが少なかった。


「えと……1人が1泊28ゴールドだそうです。」

「おいおい、28ゴールドなんて絶対ぼったくりじゃねぇか。」


 バーナはそう言うと、ヴァンに「なぁ?」と問いかけた。『理』が一つ変われば価値観も何もかも変わる。この世界の金の価値は分からないが、どうやらバーナによれば28ゴールドは高いらしい。

 バーナは蒼に、宿泊施設の位置を聞くと、扉をこじ開けて入っていった。


「ん……?バーナちゃんじゃないか!久しぶりだね、研究は終わったのかい?」


 陽気そうな見た目で、小太りかつ、ガタイのいい男だった。

 その店員の言う“研究”がなんの事なのかは分からないが、どうやらバーナは研究をしに、例の別荘に行っていたらしい。というか、バーナはこの店員と顔見知りらしい。


「いや、まだ終わってないんだけど。この二人が街に行ったからついて行ってあげたの。」

「え、バーナちゃんこの二人と知り合いなのかい?」


 そう聞くと、店員の男は少しバツが悪そうな顔をした。バーナは見過ごさず、カウンターに手を置いて問い詰めた。


「28ゴールドは無いでしょ。相場は7ゴールドくらいよ?付いた贅肉と一緒に、余計な煩悩まで付いたみたいね。」

「そ……そうしないと俺もやっていけないんだよ!()()()()も高くなる一方だしさ!」

「取り立て?」


 悠はその言葉に反応した。なんの事だろうか。すると、店員は同情を買いたいのか、縋るように悠に話し始めた。


「この街は『DNe'』って言う組織が支配してるんだよ。しかも、数年前からだ。いきなり街の国王を殺して、武力で全てを支配した。逆らえば殺される……それで人口は4分の1も減ったんだよ。最近じゃ人民1人に月50ゴールドも取り立てるようになったんだよ!」


 50ゴールドの価値が分からないのでどうとも言えなかったが、とにかく武力行使で支配する組織がいることは分かった。


「分かった分かった。3人だから21ゴールドくらいで良いんだけど……特別に30ゴールド上げるよ。」

「ほ……本当かい!バーナちゃん、ありがとう!」

「全く……アンタ今年で40超えるんだからしっかりしなさいよ!」


 そう言うと、バーナは部屋の鍵を奪い取るように貰って、部屋に向かっていった。


「悪いな。私たちの費用まで。」

「別にアタシは金ある方だからさ。別荘で恐竜の研究してんの。だから、元々国からも高い金額が支払われてたし、今も減ったとはいえ他よりは高い金額払われてるからね。」


 そう言うと、バーナはポケットから封筒を出して、少し触ると満足したようでもう一度しまった。


「何をしたんですか?」

「ん、あぁ。アタシの魔法、『透過』っての。触れたものの中身を見なくても分かる。今のは一応、所持金を確認しただけ。」


 話している最中に到着したようで、バーナは止まり、部屋の番号が鍵とあっていることを確認した。


「結構この魔法が研究に役立ってさ。恐竜の体の中とかも触れただけで分かっちゃうの。複雑な作りとかだと疲れるけど。」

「広い部屋だな。」


 悠はバーナの魔法など興味がないのか、無視して部屋の中に入って行った。部屋の中は豪華で、フカフカのベッドを見れば睡魔が込み上げてくるようだった。


「そういえば、夕食は……」

「ちょっとしたら運ばれてくる。」


 一、二時間後に夕食は運ばれてきて、食べ終わったあとはお風呂を入って眠った。ホテルに泊まるのには、何やら嫌な思い出があるが、今の悠にとっては大した不安ではない。


「そういえばヴァン君は……」

「アタシの顔見知りのペット保護施設に預けたよ。朝取りに行く予定だ。」


 ヴァンの安全も確認し、安堵した蒼は、布団に入ると直ぐに眠りについてしまった。ぐっすりと、深い深い眠りに。


第七十四話 終

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