11話
俺は凪沙さんから連絡を受けて一度合流した後、紫苑の目撃があったと言う港の使われなくなった倉庫に向かう。
港の使われなくなった倉庫はドラマなどではよく事件現場とかになるかど、本当に事件現場になると笑えない。
「あの、もっと速度を上げることは出来ないんですか。」
「悪いけど、この道路では原動機付自転車は時速30キロ以上だせないんだ。」
巫女服を完全装備した凪沙を後ろの席に乗せて、俺は誰も見ていないのを確認して思い切りアクセルを踏む。
急いで現場に着くが、港には使われて無い倉庫が無数あって、そこから紫苑を探し出すのは骨が折れる。
「白坂さん、あそこです。」
多川さんが1つの倉庫の指差す。
その倉庫には15匹ぐらいの野良猫が周りを取り囲んでいる。
そして、見たことのあるサビ猫が屋根の上から降りてくる。
「やっと来たか、遅いぞ人間。」
「村ちゃん、紫苑ちゃんは大丈夫ですか。」
「分からん、どの扉も厳重に閉ざされて入れなくなっておる。」
「そうか、だったら別の扉から入る。」
、
、、
、、、
「ぅうん? 私は何時から寝たんだ。」
私は起き上がろうとするが、手と足が縄に絞められていて動けない?
たしか、私は玄関の前でひたすら黒夢を待っていて、ドアが開くと同時に黒夢に飛びついたが、ドアの前に居たのは知らない男で、私は男に捕まられて布で口を塞がれて意識を失った。
周りを見ると、窓はなく戸が一つだけしかない部屋で、私は柔らかい布団の上に座らせられているようだ。
「黒夢 黒夢どこ! ドコに居るのだ!」
「やっと、起きたかと思ったら他の男の名前を叫んで、いけない子だな。」
私は、もしかしたら捨てられたじゃないかと思い。
必死に黒夢を名前を叫ぶが、一つしかない戸から来たのは見知らぬ男。
「誰じゃ!」
「何度か会ったど覚えてないの。」
「黒夢は何所だ。」
「黒夢黒夢、うるさいなぁ。」
「黒夢に会わせるのだ。」
「そんなヤツより、俺と一緒におやつでも食べようか。」
見知らぬ男は、ビニール袋いっぱいに詰まったお菓子を取り出す。
私は黒夢から知らない人からお菓子を貰ったらいけない、と言われたことを思い出す。
「嫌だ。」
「じゃ、何かほしいい物があれば出来る範囲で持ってくるけど、何かある。」
「黒夢が良い!。」
「......、今日から君はこの部屋で生きていくから自分の家だと思ってにくつろいでな。」
「まて、どう言う事だ。」
「その内、分かるさ。 あと食事や排泄などの世話は俺が全てやってあげるから、何かあれば哲也と呼んでくれ。」
男はそう言い残し部屋を出る。
私は、男がドアを開けるのを見て、部屋を出ようとドアに向かって縛られた手足を動かし走るが手足を縛る縄は部屋の奥の壁に打ち付けてあり、ドアに近付くことが出来ない。
息が苦しくなるまで縄を解こうと動くが、動けば動くほど縄が食い込み。体が痺れてくる。
「黒夢、助けて......」
私は、鎖に縛られた時を思い出す。
神には寿命がなく、何も食べなくても、なにもしなくても、人間と違って死ぬことはないが、とても寂しかった。
でも、今は黒夢に会えないことがとても辛い。
「馬鹿な、この倉庫には誰も入れないようにしていたのに。」
「通気口から無理やり入ったから、真っ黒の服がサビで赤黒になったんだぞ。どう責任を取ってくれるんだ黒木。」
「チッ、主人公みたいな登場の仕方しやがってウザ」
ドシャ
部屋の外から何か倒れる音と知っている声が聞こえるが、その声は今まで聞いたことの無いほど怒りに満ちていた。
「黒夢! 私はここにいるぞ。」
「紫苑 無事か、何もされてないか?」
ドアが開き、愛しの黒夢が私を強く抱きしめてくれた。
、
、、
、、、
「......ぅ。」
俺、黒木哲也は気が付くと全身を縄で縛られている。
そして、何故か夏休みに入ってからの記憶が全く無い。




