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第16話 義妹の花嫁文庫

王都ではついに、リディアの花嫁文庫披露会が開かれた。


 大理石の間に並ぶ本棚は、見た瞬間にわかった。母の本棚そのものだ。装丁の傷、棚板の癖、私が何度も磨いた金具の色。全部、私の記憶と同じだった。


「素敵でしょう、姉さま。あなたにはもったいない蔵書だったもの」


 リディアは真珠のドレスで笑った。私は彼女を見返す。


「本は飾りじゃないわ」


「でも、誰が持つかで価値は変わるでしょう?」


「ええ。返す相手を間違えなければね」


 私がそう言うと、会場の入口からアルノーが現れた。北辺の証人たち、書庫係、装丁庫職人、修道女たちも一緒だ。


「その本棚は、エリナ・フォルクナーの相続財産であり、北辺から不正に持ち出された資料も含む」


 辺境伯の低い声が広間へ落ちた。義妹の笑みが、初めて揺らいだ。


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