長い一夜の再来。
お立ち寄りくださった皆様、ありがとうございます!!
ブックマークをくださった皆様、何度も読み返してくださっている皆様、
本っっっ当―――に、ありがとうございます!!!
―――王宮と冒険者ギルドについては、とりあえず収束し、再び宴会へと戻っていた。
「それでそれで!御子様!迷宮でのお話聞かせてくださいよ☆」
「ああ、是非、お願いします」
サトゥールとシィーウェルが、紙とペンを持ちながら、迷宮での出来事を聞いてきた。
「気づいたら、少し広いスタート地点のような所に居て、赤い糸に引っ張られて少し歩くと、三叉路に突き当たって……」
「地図とか構造は―――」
サトゥールとシィーウェルが、書き起こしていく。
「一番最初に、筆記試験を受けさせられた」
「筆記試験?」
「筆記試験!?(笑)」
「ああ、問題が―――」
【問1:物理的エスコート編(記述式)】
お見合い会場の扉(幅1メートル)に、相手の肩幅がギリギリ収まらないことが判明しました。相手は無理やり通ろうとして壁に亀裂を入れてしまいました。この時、あなたが掛けるべき「魔法の言葉」は何ですか?
(解答欄: )
【問2:危機管理編(正誤判定)】
相手が会話中に興奮し、床を蹄(のような音)で激しく打ち鳴らし、マグニチュード3程度の揺れが発生した。この際、「地震かな?」と天井を見上げる行為はマナー違反である。
( )正 ( )誤
【問3:適応力に関する選択問題】
お見合い相手が、緊張のあまりテーブルクロスを「ムシャムシャ」と食べ始めた場合、あなたはどう対処しますか?
「ぶはっ!!!(笑)」
「ぶはっww」
「……また面妖な問題でしたね、いろいろな意味で」
筆記試験内容に爆笑するサトゥールと呆れるシィーウェル。
【問4:異常な「咀嚼回数」への対応】
「一口のサラダを食べるのに、パートナーが120回以上の咀嚼を行い、時折『んごおぉ……』という低周波の満足げな声を漏らしました。会話を途切れさせず、かつ彼女のペースを尊重するための立ち振る舞いを述べなさい。」
(解答欄: )
【問5:身体的特徴への配慮(穴埋め)】
相手の頭部に「通常、人間には備わっていない突起物(約50cm・鋭利)」が確認された場合、( )に入れるべき最もスマートな台詞を書きなさい。
「その( ① )は、今日の( ② )にとてもよく映えますね。非常に( ③ )です」
【問6:反芻はんすう中の沈黙への対応】
「最高級レストランでの会話中、パートナーが一度飲み込んだはずのメインディッシュを口の中に戻し、遠い目で再び咀嚼(反芻)し始めました。 30分は続くであろうこの沈黙を、どのように『高尚なひととき』に変えますか?」
(解答欄: )
「やはり、御子様もあの頭の悪い問題を受けさせられていたのですね!」
「そんな問題だったのですね……」
何とも言えない顔のリリー。俺用の新たな取り皿に、フルーツを綺麗に盛り付けながら試験の話に反応するレオ。
「ん?レオも受けたのか?」
「はい、御子様を追って"特別枠"とやらで――」
「え、お二人はどんな解答したんすか!?」
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「ぶはっ(笑)」
「差が凄いwそして凄く二人らしいww」
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「その後、実技試験」
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「ぶはっ(笑)」
「もう、災害とか救助レベルww」
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「次が海、牧場、温泉――」
「「温泉!?」」
「デートプランww」
「ぶはっ(笑)御子様、やるぅ~♫」
「「「 !! 」」」
周りがザワっとした。
「海……?」
「御子様が……?」
「温泉……?」
「デート……?」
そして、俺の両隣が更に過剰に反応した。
「……御子様、説明をお願いします」
「御子様!どんなプレイを―――!」
「そういうんじゃないから。生死を掛けた――」
・
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・
「最終試験は旅館で添い寝試験とか言っ――」
「「添い寝!?」」
「宿泊デートプランww」
「ぶはっ(笑)流石御子様、パネ~!」
「「「 !! 」」」
周りがザワっとした。
「添い寝……?」
「御子様が……?」
「旅館……?」
「一夜……?」
そして、俺の両隣の空気も変わった。
「……御子様、詳細を……事細かにお願いします」
「御子様!長い夜の間、どんな技を―――!」
「語弊を生む言い方やめろ。こっちは生死を掛けた――」
「待ちなさい、今、聞き捨てならないワードが聞こえてきたのだが……?」
神官長まで参戦。
「ラストステージはお見合いだったっぽい」
「「お見合い!?」」
「御子様、全問正解叩きだしたからねww」
「ぶはっ(笑)流石御子様、スゲ~!」
周りがザワっとした。そして俺の両隣の目からハイライトが消えた……。
「迷宮は花婿選別会場でしたからね……」
「「は?」」
「やはり家畜も迷宮も解体しておくべきでしたね……」
「……つまり御子様は、その選別を全て合格突破したと?」
迷宮といえば……神官長に迷宮で亡くなった方達の浄化を頼んでおこう。
「あ、そういえば僕、迷宮でハッキングした時の記録と詳細な画像データのコピー取っておいたよ~!あとで変換移行してみんなで鑑賞会できるようにしておくね~!」
「!!」
「ミュロ……!」
「レオニダス様、怖っw 初めて僕を名前で呼んだと思ったら、目がガチww」
「……先程から、会話の返答内容が、ただの幼子ではないと思っていましたが……」
「聖女様、ミュロは神童とかなんすか?だから聖女様付き従者にしたんすか?」
・
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こうして、夜もだいぶいい時間になり、疲れもたまっていたせいか、流石に眠くなってきた。
「御子様!お疲れですか!?」
「御子様!もうお休みになられますか?」
「御子様、もう寝る?」
俺の眠気に気付いたレオとリリーとミュロが、心配して声を掛けてくれる。そのやり取りに気付いた神官長。
「では、今日は解散にしようか」
宴会をおひらきにしてくれた―――のだが……
「ああ、そうだ御子様」
「?」
「御子様の部屋だが―――」
神官長がそう言った瞬間だった。
「「「 !! 」」」
何故か全員が反応した。
……面倒な予感しかしない。
「私と御一緒のお部屋ですね!」
「そんなわけないでしょう犬畜生!ハウス!!御子様の部屋は―――」
「お待ちください!」
「御子様の部屋についてですが!」
「御子様の就寝環境について―――」
「御子様の警護配置について―――」
わあああああああああ
「…………」
今度は何だ。席割の次は部屋割か……。もう勘弁してほしい。
迷宮で長い一夜を越えさせられて、神殿に帰って来てもなお、長い一夜を越えさせられることになるのであった。
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