慰労会で、歓迎と新たな騒動 ~疲れる慰労会~
お立ち寄りくださった皆様、ありがとうございます!!
ブックマークをくださった皆様、何度も読み返してくださっている皆様、
本っっっ当―――に、ありがとうございます!!!
「では、御子様・レオニダス・リリーの無事の帰還と、新たな仲間、ミュロ君の歓迎を祝して……」
かんぱーーーーーーーーい!!!
わああああああああああ
……乾杯するまでが長かった。本っっっ当ーーーに長かった。
なかなか決まらなかった。……座席が。
席割で揉めに揉め、荒れに荒れ、やっっっと決まった。
……当然レオは、俺の隣に収まったわけなんだが……(想定内)。
そしてリリーも、「犬畜生から御子様を護る!」と反対隣りを死守(想定内)。
両隣でいつものわーわー(想定内)。
……しかし、ここからだ。
当初の俺の予想は、リリーの横にミュロ。だと思った。
しかし、ミュロは……、
―――俺の膝の上。
なぜ。
「ごめんね御子様~wレオニダス様のセクハラ奇行防止策なんだって~ww」
おかしそうにケラケラ笑うミュロ。
「別にレオニダス様もそこまで変な事しないと思うし、御子様の嫌がる事なら、尚更しないと思うんだけどね~ww」
と言いつつ、どかない。俺の膝の上に大人しく収まっている。
「食べずらかったら僕が『あーん』してあげるね?w」
「!」
「!」
……両隣が過剰に反応した。
「……言葉には気を付けてくれ。両隣を刺激するような発言はしないように」
「はーいw」
絶対わざとだろ。ミュロめ。くりくり頭撫でまわしの刑に処そうか。
―――そして、
「…………」
「「「 ………… 」」」
怖い怖い怖い。神官達の視線が怖い。
「御子様のお近くに……」
「っ聖女様……!」
「……レオニダス様……」
「何あのショタっ子超可愛い!」
もう、みんな目がガチなのである。
「……神官長」
「……うん、……情熱って、凄いよね……」
「……そんなカテゴリーではない」
「……愛って……偉大だよね」
「そういう話はしていない」
そこへ、
「あれ、みんな何してんすか~?座んないんすか~?」
乾杯用の飲み物を持って来たチャラ神官、サトゥール。
……戦いの火ぶたは、このチャラ神官のチャラ発言から始まった。
「みんな座んないなら、ここ座~わろっと!御子様、いっぱいお話聞かせてください☆」
「「「 !!! 」」」
―――ザワッ!!
チャラ神官が座ったのは、ちょうど俺の席の真後ろ。しかも、距離が近い。
「じゃあ、私はその横に座るわあ!!」
「じゃあ自分はその反対隣り!!」
「サトゥール!そこをどけ!!」
「お、俺は聖女様の―――!」
「ミュロ君!私の膝の上にきて~~~!!」
「ちょっと!こっちは様子見してたのに、勝手に決め始めてんじゃないわよ!」
「レオニダス様ーーー!お酌の許可を!そのために近くに座る許可も!!」
「抜け駆けよ~~~!!!」
わあああああああああ
「…………」
「…………」
たぶん、今の神官長と俺は、同じ表情をしているだろう。
「…………」
「やばっww」
少し心配そうに神官達を見ている優しいリリーと、楽しそうに笑っているミュロ。
「………まったく、騒がしい連中ですね」
どの口が言ったのか……。いつもリリーとわーわー騒いでいるその口か。
戦いの火ぶたをきった張本人は、
「怖あああ(笑)じゃあ俺、御子様の正面でいいや、って既にシィーウェルさんが陣取ってたんだった(笑)」
「この宴会で御子様が迷宮での出来事をお話になるのなら、もうついでに内容を報告書に落としこんでまとめてしまおうと思ったので」
……さっきっから、いそいそと準備していたのはそのための物だったのか。
ストイックな仕事人間なのかと思っていたら、最近の仕事量のせいでそうなっているらしい。申し訳ない。出来る限り協力しよう。
「しょうがないから、俺も手伝いますよ!だから御子様、いっぱいお話
聞かせてくださいね☆」
と、ウィンクしながら、シィーウェルの隣(俺の斜め前)に座る。
その反対隣りは既に紙やらペンやらでスペースが埋まってるので、実質、正面はもう空いていない。
うわあああああああああああああああ
一層、後ろの席の席取り合戦が白熱する。
……もう、やらなくていいんじゃないか?宴会なんて(死んだ魚の目)
不思議と腹もそんなに空いてないし。
……そう、こちらの世界に来てから、不思議とそんなに腹が空いてない。
なぜなのか……。慣れない環境と死線でのストレスか?
そんな事を考えていたが、テーブルの料理を見て、あることに気付く。
「レオとリリーは小食なのか?」
「いえ、私たちは神の血が半分混ざっているので、食事をそんなに必要としません」「代わりに高エネルギーが取れるこちらを飲みます」
レオが、テーブルに置かれていた、ピンク色の液体が入ったグラスを差し出した。
少し桃の香りに似ている。
「…………普通の人間と体の構造が違うのか?」
「はい」
へえ!興味深いな。この世界に来てから知らない事ばかりだ。
図書館とかあったら、是非行ってみたい。その前に読み書きからか?
「あ、それじゃあ、ミュロの食事はどうなるんだ?」
「僕の体も、基本はその飲み物になるかな」
「そうか」
うおおおおおあああああああああ
「!」
……まだやってた。
「…………神官長」
「…………うむ」
パンパン
神官長が手を叩く。
「粛に。静粛に」
―――しーーーん―――
流石神官長。普段あんなでも、ちゃんと尊敬と威厳はあるらしい。
「このままでは埒が明かないので、私が考えた、平等な席割案を強行する」
「「「 !! 」」」
神官長が考えた、『平等な席割案』。それは……。
―――結婚式披露宴座標。
……デジャブかな。
主役の御子様ご一行を正面に、
その他を対面に……。しかし、全員椅子ごとこちらを向いている。
……なにこれ怖い。
これじゃ、記者会見座席だ。
……本当に怖い。いろんな意味で怖い。
見かねたシィーウェルが、『座席は元通りに、ただし、御子様ご一行席付近は、誰一人座らない。その代わり、一定時間だけ、平等に話す時間を設ける。』というルールを提案してくれた。
そのお陰で、ようやく乾杯にありつけた。
ミュロが俺の膝に乗ったままだが……。
「……ミュロ、降りなくていいのか?」
「いいよ!御子様の膝の上、心地いいからw」
「!」
「!」
……両隣が過剰に反応した。
「………ミュロ」
「御子様何か食べる?僕がお皿に取り分けてあげようか?」
「!私が―――」
「いいえ!私が!」
「普段役立たずの聖女様は、お酌周りでもして、みんなの役に立ってきたらどうです?まあ、それも蟻の眉間くらいのほんのチビっとのささやかにもならない程度の役ですが!」
「なんですってこの犬畜生!大体あなたも―――」
わーわー
……このわーわー、もういっそ宴会芸にでもしたらどうだろうか。
そんなことを考えていたら、
「やあ!御子様が帰って来たと聞いたのだが、君の事かい?」
?
声のした方を向くと、入り口から声高々と、ポーズを決めている神官が居た。
……面倒な気配しかしない。
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