因果の精算②
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『第三試験、〔愛のティー・タイム♡〕二人ノ愛ノ、ヒト時ヲ、オ過ゴシクダサイ♡』
「……ハッ!……!?」
気がつくと、テーブルに座って「何か」のギミックと向かい合っていた。
「……!」
これは…!例のティータイム!?
「…御子は確かナプキンで防いでいた」
なら――
いつでもナプキンを取れるように手を密かにスタンバイ。
「……フゴオーッ……フゴオーッ……」
「………」
「……フゴオーッ……フゴオーッ……」
「………」
……? 爆風鼻息…こないな…?
「ブフオオオォォォーーー!!!」
鼻からの爆風直後、暴風のような鼻息がテーブルを襲う。
テーブルクロスが波打ち、砂糖壺のスプーンがカタカタ震える。
爆風排出口直下の「彼女」のカップ内のお茶は、花火の様に打ちあがり、
水滴となって空中に散った。もちろん、暴風でこちらにも飛んでくる。
「!」
ビシャァッ バシャッ
エイローシスの顔面に直撃する。
「! 熱っつ!汚っ!ナプキン!水差し!」
しかし、手を伸ばした先は自分のカップで――
ガシャンッ
「熱っつ!!」
思わず手を払ってしまた。――ら、
カップが巨躯のギミックの顔面に飛んでいき、
ゴッ
顔面に直撃した。
「……あっ」
「……ブフォォォォォーーー!!!」
ガシャンッ ガシャ ガシャ ガシャンッ
激怒した巨躯のギミックが、テーブルを持ち上げ、
バゴーーーンッ
「ぎゃあああぁぁぁ」
机ごとエイローシスを叩き飛ばした。
ドゴーンッ
頭を打ちつけられ、壁に叩きつけられたエイローシス。
「……うぅ……こんなの……無理ゲー……」
『防ゲタ、ハズ、デス♡』
「……クソゲー……ガクッ」
エイローシスの視界は、またも暗転した―――。
――――『海ルートニ、入リマス♡』
ザザーーーン……――――
「……ハッ!……!?」
気が付くと、海の浜辺に居た。
広がる青い空、青い海。波の音までリアルに響いている。
少し離れた所には海の家らしきものまであり、人影の様なものまで見える。
そして、2.5mの巨躯のギミックが、フリル付きのパレオを巻いてスタンバイしていた。
『愛ノ追イカケッコ〔浜辺で彼女を捕まえて♡〕開始シマス♡』
……あぁ、御子がやっていた、あのベタな展開の、恋人同士が、「待てよこいつ〜♡」「うふふ捕まえてみて〜♡」と戯れるイベントか。
「………僕は、バリバリのインドア派なんだけ――」
『デハ、スタート、デス♡』
ダッ!!
「はんやあああーーーい!!ええー!?予想以上に速あああ…!!」
砂浜を信じられない速度で駆け出した巨躯のギミック。
途中で彼女は振り返り、 “うふふ、捕まえてみて〜♡” と言わんばかりに手を振る。
「……言ってないのに伝わるのがイラっとする。……まあ、確かほっといても沈んでたよね」
ズダダダダダダダダ
「……………」
ズダダダダダダダダ
「……………」
……あれえ~~~??
―――ついに巨躯のギミックは見えなくなってしまった。
「……え?……何かしなくちゃいけなかった?……確かに御子も走って追いかけて行ったけど……あ、もしかして、何か意図的に走ってた……とか……?」
『愛ノ追イカケッコ〔浜辺で彼女を捕まえて♡〕、失敗デス♡ 』
「……えっ!!?」
巨躯のギミックが物凄い勢いで戻って来た。
ズダダダダダダダダ
「!!」
「…………フゴオオオオオ!!!」
ガッ ドスゥッ
「!…がはっ……ゴホオッ…!!」
『なんで追い駆けて来なかったのよおー!』と言うような感じで顔面に愛の拳を叩きこまれ、腹パンで海の家のビーチパラソルまで飛ばされる。
ガシャーン
「……ぐはっ……」
こんなの……命がいくつあっても足りない……。
「…おうおう、お前のせいで、俺達の服が汚れちまったじゃねーか。どうしてくれるんだ、ええ?」
「…お、良い女連れてるじゃねーか。彼女を置いてくなら見逃してやってもいい」
「……どうぞどう―」
「……ブフォ〜?」
「…ヒッ」
巨躯のギミックが『(あ"あーん?彼女を差し出すだあ~?)』とばかりにすごんでくる。もうどっちがチンピラか分からないな、なんて考えていたら――
『〔乙女を護って♡〕イベント、開始、デス♡』
「!……うぅ~………と、とにかく、話し合おう!」
「……あ"あ~ん?」
「…ヒッ」
御子!御子様は確か……
「……ギミックにしては関節部分が柔らかいな。良くできてる。接合部分とかどういう造りになっているのか見てみたい。解体して見てみるか?……サシの入り方が雑そうだな(キリっとした顔マネ込み)」
「なんだとテメー!失礼なこと言いやがって!!テメーなんて額に矢なんか生やして、ご機嫌な頭してんじゃねーか!」
「ヤ~!矢のことは触れないで~!」
「やっちまえやっちまえー!」
「ええ~~~!!!??」
暴力反対~~~!!と、一目散に逃げ出すエイローシス。
『〔乙女を護って♡〕イベント、失敗デス♡』
「……フゴオオオオオ!!!」
『彼女を置いて逃げやがってーーー!!!』とばかりに激昂した巨躯のギミックが、
近くにあったスイカを、エイローシスに向って、物凄い勢いで投げつける。
ゴシャッ
「ぎゃっ」
脳天直撃を受けて転ぶエイローシス。
「ははは!コイツでスイカ割でもしようぜ!」
「おお!いーな!じゃあこのスイカ、あいつの頭に殴り被せようぜ~!」
ひいいいい!頭勝ち割られちゃう~~~!!!
「……うう~……もお嫌だ……てか、御子はどうやってクリアしたの……?」
……そして、気づく。
――そう、神代 蓮は、この理不尽で超難解な問題を、全て、クリアしているのだ。
「……君は……本当に、凄いね……」
エイローシスの視界が、再び暗転した。
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